高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

高齢者向け住まい・施設 その3 有料老人ホーム(8:入居一時金の続き)

2015年06月12日 | 老後と住まい
有料老人ホームの事業者は「初期償却」といい、厚生労働省は「想定居住期間を超えて契約が継続する場合に備えて有料老人ホームの設置者が受領する額」といっている「金銭」について厚生労働省が示す「有料老人ホームの家賃等の前払の算定の基礎」(前々回の記事参照)に沿って計算してみます。
先ず家賃など月額10万円分を前払する場合の場合、前払金の総額を上記の算定の基礎に沿って計算すると以下のようになります。
入居時年齢が65歳の場合、男性2,560万円、女性3,037万円
入居時年齢が75歳の場合、男性1,668万円、女性2,100万円
入居時年齢が85歳の場合、男性912万円、女性1,179万円
この前払金の総額から想定居住期間に支払う総額(この場合、月額10万円×居住想定期間)を引いたものを「想定居住期間を超えて契約が継続する場合に備えて有料老人ホームの設置者が受領する額」とすると、前払金に占める割合は次のようになります。
入居時年齢が65歳の場合、男性6%、女性1%
入居時年齢が75歳の場合、男性14%、女性9%
入居時年齢が85歳の場合、男性21%、女性19%
この割合は「初期償却率」に相当するもので、本来、入居時の年齢によって異なるのですが、全国有料老人ホーム協会の調査によると「初期償却率」の多くはは20%台半ばで、入居年齢にかかわらず一律の割合であったり、100%償却であったりするホームもあります。入居者の平均的な年齢が80歳代半ばであることを考えると20%台というのはおかしくない数字だと思います。
もし、有料老人ホームに入居をお考えで、そのホームが一括前払いの場合には、そのホームの契約書の償却期間が妥当かどうかを判断する際には、入居年齢が60歳代や70歳代であるにもかかわらず初期償却率が20%を超えるようであれば、償却率の算定根拠を納得のいくまで確認するか、場合によっては入居について熟慮されることをお勧めします。
(投稿者のURL 「老後と住まい」http://www.rougotosumai.com/ )


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