高齢期の備え

高齢期の備えを考えます

高齢期リテラシー ━高齢者住宅・施設の選び方━

2021年01月09日 | 高齢期の備え
・高齢者住宅・施設に住み替るとき、どの住宅・施設を選ぶかは悩みどころです。

・投稿者は、先ず、次のような優先順位で候補をいくつか選択したらよいと思います。
①何とか努力して今の住まいに住み続けることはできないのか
②資金はどの程度用意できるのか
③心身の状態
④家族との距離

・①について
自宅では介護が受けられないといった場合は住み替えざるを得ないでしょうが、頑張れば何とか暮らしていける場合は住み替えは見送ったほうが良いでしょう。住み替えればどうしても気力が弱ります。

投稿者は高齢期こそ自助努力が重要だと思います。自分の力で生きていくという気力があれば、体力もついてきます。気力が弱れば、たとえばリハビリへの意欲がなくなりがりで、それがさらに気力を弱めるという悪循環に陥ります。

高齢者住宅・施設では食事なども用意されるでしょうが、食事の用意も高齢者にはキツイ一方で立派なリハビリです。

できる限り自宅に住み続けましょう。

・②以降は次回。

高齢期リテラシー ━有料老人ホームの前払金━

2021年01月08日 | 高齢期の備え
・高齢者住宅の一つである有料老人ホームでトラブルになりやすいのが途中退居の場合の「前払金の返還」です。

・有料老人ホームに入居する際、一部の有料老人ホームでは前払金が必要です。もともと前払金は、生涯にわたって施設を使う権利の対価とされていました。長生きしても費用の心配がないという面がある一方で早く亡くなると費用が実質非常に高くなるという面もありました。

・2011年に老人福祉法が改正され、権利金としての法的性格はなく、家賃、施設の利用料、介護や食事の提供、その他の日常生活に必要な便宜供与の対価の前払金であるという性格であることが明確にされています。

・このトラブルについては、入居者側の知識不足によるときもあります。前払金は、退居するときが「償却期間」と呼ばれる間であれば「初期償却」と呼ばれる分を差し引いて残った金額が退居した時期に応じて返還されます。

・たとえば、償却期間5年、初期償却30%として、80歳のときに1000万円の前払金を支払って入居した場合、83歳で退居すると280万円(1000万円×70%×(1-3年/5年)が返還されます。85歳以降に退居すれば返還されません。

・このことを知っていないと、入居している有料老人ホームを退居して別の有料老人ホームに入居しようとしたとき、前払金の返還金を当てにしていたとすると思った以上に少なく困惑することにもなりかねません。

・前払金を必要とするところは少なくなってきていますが、それでも用心に越したことはありません。

高齢期リテラシー ━高齢者住宅・施設の資金━

2021年01月07日 | 高齢期の備え
・高齢者住宅や高齢者施設に住み替えを考えるとき、大きな関心事の一つがどのぐらいの費用が必要かという点があります。

・なお、ここでは高齢者施設は「特別養護老人ホーム」、「老人保健施設」、「介護療養型医療施設」の3施設を意味し、高齢者住宅はそれ以外の「有料老人ホーム」、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」、「認知症高齢者グループホーム」などを意味しています。

・高齢者住宅・施設の費用は、「利用料または賃借料、食費、光熱水費など」と「介護費、医療費」に大別できます。前者は、投稿者が調べた範囲では埼玉県の平均的な月額で、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サ高住の順に、一人当たり、約8万円、約15万円、約13万円となっています。これに介護や医療の自己負担分、おむつ代、小遣いなど数万円が上乗せされます。

・問題は何年間住み続けるかが不確かなことです。月額10~20万円を年金で支払うことができれば資金不足になるリスクは小さいのですが、貯蓄を切り崩して支払うとすれば寿命によって必要額が大きく変わります。

・例えば平均の費用が15万円とし、80歳で入居・入所したとして、85歳まででは総額900万円、90歳まででは1800万円になります。ただし、費用が払えないようになれば生活保護などの公的な支援も受けることも考えられます。

・もし高齢者住宅・施設への住み替えを検討するのであれば、ご自身の高齢期の収入と高齢になったときの貯蓄額を推計しておくことが最優先です。

高齢期リテラシー ━高齢者住宅の退居リスク━

2021年01月06日 | 高齢期の備え
・高齢者住宅や高齢者施設に住み替えたときのリスクのうち大きなものとして退去せざるを得なくなるリスクがあります。

・退居リスクの原因は、利用者側にある場合と施設側にある場合があります。

・利用者側のリスク原因としては、心身の変化、資金の不足、住宅・施設が気に入らないなどが挙げられます。

・先ず「心身の変化」です。住み替えた施設・住宅を終の棲家と考える方も多いでしょう。しかし、施設・住宅によっては認知症が進んだり、介護が重度化したり、専門的な医療が必要になったりした場合には退居せざるを得なくなることがあります。

・住宅・施設への入居は養護老人ホームを除き「契約」によって行われます。この契約書には「契約の解除」についての規定があり、その中の一項目に他の入居者などに不安感を与えたり迷惑行為をしたときなどは高齢者住宅側から契約を解除できる項目がある場合があります。

・この規定に従えば、たとえば認知症が進み症状の中に粗暴行為が現れた場合はこうした規定によって退去せざるを得なくなることも考えられます。

・どのような状況になれば契約解除になるかは高齢者住宅や高齢者施設ごとにことなりますから、契約前に納得できるまで確認することです。

・ただし、高齢者住宅や高齢者施設への入居は急を要する場合も多く、こうした確認が難しいことにもなりかねません。もし、住み替えの可能性がある場合は「予め」契約書の読み方などの知識を身につけて自衛することが大切だと思います。

・次回は、もう一つの大きな退居リスクである「資金」について考えてみたいと思います。


高齢期リテラシー ━高齢者住宅━

2021年01月05日 | 高齢期の備え
・昨日のブログで高齢期の知識を身につけて自衛することが重要という記事を書きました。そこで高齢者住宅について投稿者が考えるところを投稿したいと思います。

・住宅は、安全安心に暮らす場所ですが現役時代と高齢期では安全安心の意味が異なります。現役時代の安全安心は、家族の団らん、仕事や通勤の利便性などが重要視されます。一方高齢期のそれは、衰えた心身でもつまづき転倒のリスクが少ない(バリアフリー)、介助や介護が受けられるなどが重要視されます。
・もし、介助や介護が必要になったとき、自宅ではそれらを受けられない状況であれば、高齢者住宅に「住み替え」ざるを得ないこともあります。

・「住み替え」は現役時代と高齢期では意味するところが違います。住まいの自分自身の立場は、現役時代には「主」人や「主」婦で、住み替えたとしてもその立場は変わりません。しかし、高齢者住宅では介助や介護を受ける「客」体となります。主客転倒が起こります。

・もちろん、止むを得ず住み替えるのですから、主客転倒は受け入れざるを得ないのですが、この「受け入れざるを得ない」ことを「事前」に覚悟しておくか否かで、その後の高齢者住宅で暮らす上での気持ちの整理がつきやすくなると思います。

・さらにこうしたことを意識することで、現役時代に高齢者住宅への住み替える可能性を小さくする努力、たとえば暴飲暴食を減らす努力、禁煙といったモチベーションも大きくなります。

・それでも高齢者住宅への住み替えのリスクはなくなりませんから、住み替えたときのリスクを知っておくことも有益だと思います。次回からこのリスクについて述べたいと思います。(これらは過去のブログで掲載してますが、もう一度取り上げます)