昨年発売した『誰も見たことのない世界遺産「軍艦島」DVD BOOK』の内容紹介。
これまでたくさんの軍艦島関連の書籍を出してきましたが、
この書籍では、それまで発表してこなかったテーマを数多く盛り込んでいます。
軍艦島の防空壕トンネルの全貌もその一つ。
防空壕トンネルとは、
軍艦島の中央に聳える元々の岩礁の中を、
ほぼ縦断するように造られたトンネルで、
一直線のトンネルを中心に、
左右に様々なトンネルが造られています。
前回&前々回からの続きです。
軍艦島:防空壕トンネル
防空壕トンネルの簡略図を参考に、
以下をご覧下さい。
軍艦島:防空壕トンネル
上図Lの位置。
前回はG地点の交差点から上へ伸びるトンネルを見ましたが、
今回は下のトンネルを見てみます。
交差点からG地点へ向って進むと、すぐに大きな崩落があり、
天井が大きく削れて、その土砂が下に積み上がっています。
防空壕トンネルの中では、唯一大きな崩落点です。
もともと軍艦島の岩礁は砂岩なので、
それほど頑丈ではないと思いますが、
その割には崩落が少ないほうだと思います。
図ではGからLを一直線に表記していますが、
実際には少し弧を描いて、
画像左奥の閉塞点へと到達します。
謎なのは右のトンネルです。
画像で見ると、左と別の方向へ続くトンネルのように見えますが、
すぎに左へ曲がって、左奥の閉塞点の横へと続いています。
何のために造ったのか、まったくわからない、
ともすればただの掘り間違いとしか思えないトンネルです。
軍艦島:防空壕トンネル
上図Mの位置。
上画像左奥の閉塞点の外側です。
軍艦島中央の岩礁の内海側、そのほぼ中央中腹にある、
防空壕トンネルへ通じる出入口。
下部には軌道の跡が残っています。
左端に写る小さな孔の数々は、
削岩機のテスト跡。
軍艦島:防空壕トンネル
上図Nの位置。
メインのトンネルへ戻ってさらに奥へと進むと、
メインのトンネルに平行して、
測道的に下りのトンネルがある場所へたどり着きます。
右の軌道跡が残るのがメインのトンネル。
左下の大きな岩の転がっている奥が、
下りのトンネルです。
軍艦島:疎水卸
上図Oの位置。
左のトンネルを20m程下ると、
やがて水没地点へと到達します。
灯を照らし目を凝らすと、
まだまだ下りのトンネルは続いているようですが、
この日の探索は一応ここまで。
この水没したトンネルは、その位置から推測すると、
かつて軍艦島が操業していた時に、
おもに坑内水の揚水で使われていた、
「疎水卸」と呼ばれる斜坑の跡ではないかと思います。
なお図のP地点の左隣から下へ続くトンネルですが、
その存在は聞いた事があるものの、
防空壕トンネルに通ずる形では見当たりませんでした。
これはおそらく、
防空壕トンネルよりかなり低いレベルにあるからだと思います。
そして、何らかの形で、
この水没したトンネルと繋がっているのだと思います。
事実、Pの左隣から下へ伸びるトンネルの終着点は、
Mよりもかなり低い位置にあります。
軍艦島:防空壕トンネル
上図Pの位置
再びメインのトンネルへ戻って先へ進むと、
前回アップしたi地点と同様、
扉を設置した跡があり、
その先はトンネルが狭くなっています。
軍艦島:防空壕トンネル
上図Qの位置
そして暫く進むと、やがて最終の閉塞地点へと辿り着きます。
画像中央の少し左寄りが閉塞地点。
多少丹念に調べましたが、人工的に塞いだ跡はみあたらず、
とりあえず掘り進んだ岩盤の最終地点のようです。
ここでトンネル最大の謎にでくわした。
右に写る簡易な竃跡です。
こんな閉塞したトンネルの最奥地で火をたけば、
酸欠になるのは必至。
しかし、周囲を見ると真っ黒に煤けているので、
明らかに使用していたのだと思います。
一体何のために造られた竃なのか。
そして誰がどのように使っていたのか。
閉山後、近隣から多くの人が訪れ、
よく焚き火をしてはバーバキューをやったと聞きますが、
わざわざこんな最奥までブロックを運んで、
空気の状態の悪い場所でバーベキューをしたとも考えられず。。。
謎の竃です。
◆シリーズ:あまり知られていない軍艦島 INDEX◆
◆誰も見たことのない世界遺産「軍艦島」DVD BOOK◆
価格:3,700円(税抜)
DVD収録時間: 65分
書籍:B5版/96ページ/オールカラー
発売元: 宝島社
発売日: 2016/01/12
ISBN-10: 4800250013
ISBN-13: 978-4800250018
これまでたくさんの軍艦島関連の書籍を出してきましたが、
この書籍では、それまで発表してこなかったテーマを数多く盛り込んでいます。
軍艦島の防空壕トンネルの全貌もその一つ。
防空壕トンネルとは、
軍艦島の中央に聳える元々の岩礁の中を、
ほぼ縦断するように造られたトンネルで、
一直線のトンネルを中心に、
左右に様々なトンネルが造られています。
前回&前々回からの続きです。
軍艦島:防空壕トンネル
防空壕トンネルの簡略図を参考に、
以下をご覧下さい。
軍艦島:防空壕トンネル
上図Lの位置。
前回はG地点の交差点から上へ伸びるトンネルを見ましたが、
今回は下のトンネルを見てみます。
交差点からG地点へ向って進むと、すぐに大きな崩落があり、
天井が大きく削れて、その土砂が下に積み上がっています。
防空壕トンネルの中では、唯一大きな崩落点です。
もともと軍艦島の岩礁は砂岩なので、
それほど頑丈ではないと思いますが、
その割には崩落が少ないほうだと思います。
図ではGからLを一直線に表記していますが、
実際には少し弧を描いて、
画像左奥の閉塞点へと到達します。
謎なのは右のトンネルです。
画像で見ると、左と別の方向へ続くトンネルのように見えますが、
すぎに左へ曲がって、左奥の閉塞点の横へと続いています。
何のために造ったのか、まったくわからない、
ともすればただの掘り間違いとしか思えないトンネルです。
軍艦島:防空壕トンネル
上図Mの位置。
上画像左奥の閉塞点の外側です。
軍艦島中央の岩礁の内海側、そのほぼ中央中腹にある、
防空壕トンネルへ通じる出入口。
下部には軌道の跡が残っています。
左端に写る小さな孔の数々は、
削岩機のテスト跡。
軍艦島:防空壕トンネル
上図Nの位置。
メインのトンネルへ戻ってさらに奥へと進むと、
メインのトンネルに平行して、
測道的に下りのトンネルがある場所へたどり着きます。
右の軌道跡が残るのがメインのトンネル。
左下の大きな岩の転がっている奥が、
下りのトンネルです。
軍艦島:疎水卸
上図Oの位置。
左のトンネルを20m程下ると、
やがて水没地点へと到達します。
灯を照らし目を凝らすと、
まだまだ下りのトンネルは続いているようですが、
この日の探索は一応ここまで。
この水没したトンネルは、その位置から推測すると、
かつて軍艦島が操業していた時に、
おもに坑内水の揚水で使われていた、
「疎水卸」と呼ばれる斜坑の跡ではないかと思います。
なお図のP地点の左隣から下へ続くトンネルですが、
その存在は聞いた事があるものの、
防空壕トンネルに通ずる形では見当たりませんでした。
これはおそらく、
防空壕トンネルよりかなり低いレベルにあるからだと思います。
そして、何らかの形で、
この水没したトンネルと繋がっているのだと思います。
事実、Pの左隣から下へ伸びるトンネルの終着点は、
Mよりもかなり低い位置にあります。
軍艦島:防空壕トンネル
上図Pの位置
再びメインのトンネルへ戻って先へ進むと、
前回アップしたi地点と同様、
扉を設置した跡があり、
その先はトンネルが狭くなっています。
軍艦島:防空壕トンネル
上図Qの位置
そして暫く進むと、やがて最終の閉塞地点へと辿り着きます。
画像中央の少し左寄りが閉塞地点。
多少丹念に調べましたが、人工的に塞いだ跡はみあたらず、
とりあえず掘り進んだ岩盤の最終地点のようです。
ここでトンネル最大の謎にでくわした。
右に写る簡易な竃跡です。
こんな閉塞したトンネルの最奥地で火をたけば、
酸欠になるのは必至。
しかし、周囲を見ると真っ黒に煤けているので、
明らかに使用していたのだと思います。
一体何のために造られた竃なのか。
そして誰がどのように使っていたのか。
閉山後、近隣から多くの人が訪れ、
よく焚き火をしてはバーバキューをやったと聞きますが、
わざわざこんな最奥までブロックを運んで、
空気の状態の悪い場所でバーベキューをしたとも考えられず。。。
謎の竃です。
◆シリーズ:あまり知られていない軍艦島 INDEX◆
◆誰も見たことのない世界遺産「軍艦島」DVD BOOK◆
価格:3,700円(税抜)
DVD収録時間: 65分
書籍:B5版/96ページ/オールカラー
発売元: 宝島社
発売日: 2016/01/12
ISBN-10: 4800250013
ISBN-13: 978-4800250018
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