東京の下町と呼ばれる江東区に張り巡らされる無数の運河。
その殆どは、いずれ小さな河川に合流し、
やがて荒川や隅田川へと流れ込んで行くけれど、
いくつかそうはいかない運河があります。
どこへ合流する訳でもなく、暗渠になって地下に潜る訳でもなく、
ただそこで行き止まりになってしまう運河の終わり。
本来川ならば終わりではなく始まりなのかもしれないけど、
運河は川筋から人工的に造られたモノなので、
先へ行けば行く程、それは終わりへ近づいて行くことになるのだろうか。
かつては商船が行き交い、荷揚げ荷下ろしが盛んに行われたかも知れない
運河の終わり。
でも今は商船もトラックにその仕事を譲り、
決して船が入ってくる事のなくなった、
運河の終わり。
鉄のプレートでせき止められ、
更に川からは何回も曲がってくるため、水の流れも殆どない、
運河の終わり。
申し訳程度に育つ雑草だけが毎日見ている、
運河の終わり。
水の流れが止まっているのに同調するかのように、
あたりの空気も停まっているかのような印象を受ける、
運河の終わり。
そんな運河の終わりに、魅力を感じます。
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