黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

軍艦島が世界遺産暫定リスト入り

2008-09-28 03:35:12 | 軍艦島(端島)


軍艦島が世界遺産の暫定リストに入ったようです。
なにはともあれ、近代化産業遺産がリスト入りすることは、
国内の他の近代化遺産にとってもいいことではないかと思います。

長崎県からは他に
有名なグラバー邸▼

(C) Nisida @ o-project





戸町の小菅修船場跡▼






そして高島の北渓井坑(ほっけいせいこう)跡▼


の3つが入っているようですが、グラバー邸や小菅はまだしも、
(小菅はいつ行っても誰も見学していないのがちょっと悲しいですが。。。)
高島の北渓井坑跡は日本最初の様式竪坑という輝かしい肩書きとは裏腹に、
民家の裏庭にただ2重の金網で囲われているだけで、
結構ぞんざいな扱われ方をされている印象です。

世界遺産登録へ向けての申請方法が変わってから、
街おこしの起爆剤として世界遺産という言葉を掲げる地域が一気に増えました。
しかし今まで見向きもしなかったものに価値があると言われて、
にわか仕立ての世界遺産運動をしても意味がありませんね。

そもそも世界遺産という価値基準自体がヨーロッパの視点から下されるもの。
海外ブランドのバッグを生活費を切り詰めてまでして買いながらも、
必要なくなると質入れしてしまう様に、
世界遺産という言葉も、
そのブランドだけに振り回されないことが肝心かな、と思います。


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4 Comments

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Unknown (96)
2008-09-28 16:33:33
軍艦島ですか。憧れます…

九州も時間かけて廃ツアーしたいです。
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Unknown (ミチル)
2008-09-28 22:44:29
生活に根ざすっていう意識が欠落していて、なんか表面的で一時的な気がする、日本人の消費。だから、リボとかで買ってすぐに質入れしたりして。愛情を持って愛しんで身に馴染ませる、っていうのが一番かっこいいし基本だと思うんだけどなぁ。昔の同僚のエレーヌが「この前、やっとお母さんからエルメスのスカーフを譲り受けたの。おばあちゃんの代から大切に使ってきたものだから私も大切に使って自分の子供に譲るの」と物凄く嬉しそうに話していたことがとても印象的でした。ちなみに彼女にとってはヴィトンもシャネルも「関係ないモノ」と話していた。自分の生活に似合わないから関係ないって感覚がとても自然だなぁと思ったです。

世界遺産となったことで守られ継承されてゆくならば、それはそれで(それだけで)いいんだという部分もあるとは思うけれど。ね。
世界遺産になったからと見物に出かけて平気でゴミを捨てて帰ってくるような国民が少しでも減らなきゃなぁと思います。

※独自ドメインでブログ始めました。(URL入力しています)相変わらずありふれた日々の雑感ブログですが、気が向かれたら覗いてやってください。




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▼96さんへ (廃墟徒然草)
2008-09-30 07:03:17
軍艦島、まだでしたら是非!
凄いですよ!
九州は九州で、各地に産業遺産が沢山あるんで、これまた是非!
 
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▼ミチルさんへ (廃墟徒然草)
2008-09-30 07:17:31
じゃあなんで「愛情を持って愛しんで身に馴染ませ」られないか?
っていうことだと思うんだけど、
「血」の問題じゃないかなぁ~と最近思うんです。
大島紬の百万の着物は、若い子は買わないですよね。
血のレベル、あるいはDNAのレベルで知ってるからだと思うんです。
エレーヌっていう人がエルメスのスカーフを代々譲り受けるのも、
血andDNAのレベル。
ともに文化の品格を暗黙に分かってる行動だとおもうんですが、
海外のブランド品に対しては、その文化が全然血にもDNAにもないから、
そんざいな扱いが出来るんだと思います。

世界遺産にこだわるより、
例えば国宝っていう言葉をもっとかっこいい物にした方がいいんでは。
今の国宝って「勝手にやってれば」って思わせちゃうノリがあると思うんだけど、
本当に国宝なら国民のみんなが納得する宝でないと。
そのためには国宝っていう言葉の内容が、時代とともに変化する必要もあると思いますね。
 
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