クリックで全文画像が表示されます
今年、国からユネスコへ推薦が出される世界遺産の枠は、
どうやら、長崎の教会群遺産とともに一騎打ちだった、
『明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域』
に軍配があがったようです。
教会群の動向に関しては殆ど知りませんが、
産業遺産群に関しては、もう十年位も前からの活動の結果であり、
当初、九州だけだったものに山口が加わったり、
構成遺産も紆余曲折を経て様々に増減して来たので、
関わって来られた方々は、さぞ安堵されたことと思います。
ウェブ上の新聞記事は時間経過によって消えるので、
一つだけ記事のキャプチャ画像をアップしておきます。
それ以外にも、産経や読売など、
各社から報道されています。
産業革命遺産は軍艦島や三菱造船所の幾つかの施設等、
長崎県の遺産も多く含みながら、福岡や熊本、鹿児島や山口など、
広範囲にまたがる遺産ですが、
それに比べて教会遺産群は長崎だけのもの。
他県が産業革命遺産へ期待を寄せる中、
教会を押していた長崎はある意味孤立した形でしたが、
産業革命遺産群になったことで、
少しは長崎への風当たりも弱くなるのではないかと思います。
報道記事では、保安面への危惧が取りざたされてますが、
追々やって行けばいいんではないかと思います。
そもそも産業遺産自体殆どの人が知らないし、
世界遺産の中でも、
パルテノン神殿やピラミッドなどは誰もが知っている反面、
産業遺産の殆どは世界遺産だから知ったというものも多いはず。
石見銀山も、世界遺産になったから知ったという人が、
大半だと思います。
明治の産業革命遺産が、
世界遺産になることで知られる切っ掛けになれば、
それはそれでいいことだと思います。
しかし、
国内には『明治の産業革命遺産』よりももっと先に、
世界遺産にしたほうがいいんじゃないか?
と思える産業遺産もあるのではないかと思います。
例えば「漆塗り」などは、
英名JAPANだし、その発祥も(中国ではなく)実は日本らしいし、
たとえスーパーで売られる偽物だとしても、
殆どの日本人が日常の生活で体験しているアイテムだし。
なにより日本の漆塗りの技術と文化は素晴らしい。
『漆塗りの技術と工房』ということで世界遺産候補にすれば、
ある特定の地域ではなく、国内全体がシリアルノミネーションになって、
経済効果も上がるんじゃないかと思ったりしますが、
漆塗りは世界遺産の暫定候補には入っていません。
漆絵箔置柏文秀衡椀(うるしえはくおきかしわもんひでひらわん)/日本民藝館蔵
蒔絵のような繊細な漆工芸も奇麗だけど、
漆絵の施された日常雑器のような生活に密着したものこそ、
文化遺産として残すべきものだと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます