今日は都響のコンサートで東京芸術劇場。
昨年暮れに神尾さんや諏訪内さんの素晴らしいコンチェルトを聴いて、歌ものばかり聴いてるのはもったいないと思った。でもやっと今日が本年初のオケコン。
冒頭のサン=サーンスが始まるや、これはすごい、すごい音だと戦慄が走った。CDで聴いたドュトア&モントリオール管とは別物だ。
ソロコンマスが弾きはじめると、こんなにすごい曲だったのか、と。
2曲目のリストでも生演奏の威力にぼくは圧倒された。これもドュトア&モントリオール管で聴いていたけれど、冒頭で江口玲さんが弾いたようなすごいカデンツァはなかった。
重厚なオーケストレーション。それと闘うような江口さんの強力なタッチ。興奮の坩堝のなかでフィニッシュ。
ぼくらだけでなく、楽団員の江口さんを称える拍手足踏音がしばらく鳴り止まなかった。
後半のコダーイも心地よく、ハンガリーの香やジプシーの匂いをぼくは感じた。ジンマン&コンセルトヘボウのCDを聴いていたが、こんなに重厚で美しい弦だったろうか。
最後のヤナーチェクの狂詩曲は隊長ブーリバの物語。1曲目で裏切った次男を自ら殺し。2曲目で最愛の長男を敵に殺され。3曲目で自らが捕らえられて火刑に処される。
大野マエストロがその物語を、繊細に、ドラマティックに、創っていた。怒りや悲しみ、或いは希望が奏でられていた。
ノイマン&チェコフィルのCDからは感じられなかったものだ。
素晴らしいコンサートだった。
オーケストラも協奏曲も独奏も、もっと聴きたいと思った。