今夜はバッハコレギウムジャパン定演でオペラシティ。2019年からBCJを聴いてきたが、定演のプログラムに「ロ短調ミサ」が載ることはなかった。常々なぜだろうと思っていた。それは合唱してるものにとって、これが最高に素晴らしい作品だから。
すごい演奏だった。
Kyrie が始まるや悪寒が背筋を走り、わたしの脳裏から雑念は消えた。ミサの世界に引き込まれた。穏やかなソロ、美しい重唱、華やかな合唱。胸は熱く、感情は昂ぶった。
そしてわたしは思った。
これまで2度歌っているからこそ、聴きながらこんなに感動できるのだと。
ただ聴き手としてこの作品に接していたら、どんなに名演であっても、こんなに深い感動は得られなかっただろうと。
このロ短調ミサは歌う機会どころか、実演を聴く機会さえなかなかない。わたし自身、CDは数えきれないほど聴いたが、実演は“歌とも”らのコンサートを何度か。
今日は“奇跡の演奏”とでもいえばいいか。最高に素晴らしい演奏だった。
でもわたしが書いておきたいのは、素晴らしい演奏を聴きながら、もう一度、いやあと2、3度はロ短調ミサを歌いたいと思った、ってこと。“人生のリスト”にそう追記する。
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指揮:鈴木雅明
ソプラノ:松井亜希、マリアンネ・ベアーテ・キーラント
アルト:アレクサンダー・チャンス
テノール:櫻田 亮
バス:加耒 徹
合唱・管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン