わが社のブースでは宣伝の為に様々な工夫をしており、中でもお客の目を釘付けにする目玉が、
スターが実際に着用した衣装です。今回、この宣伝の為に、映画会社から、映画の撮影時にジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武等が実際に着用した衣装を借りて、ブースで公開する事が出来たのです。
やっぱり、スターが着用した衣装。そこに飾ってあるだけで迫力があります。
まずは、大哥(大兄貴)役のジェット・リーの衣装から。
この衣装は「丁字甲」と呼ばれる種類の鎧。中国語で「甲」とは身を守る防御服(甲冑)の事です。中国の甲冑は表面に施された紋様から、「魚鱗甲」や「人字甲」、「亀背甲」等の種類があるのです。今回、ジェット・リーが着用した衣装(甲冑)は、表面に金属のボツボツ(丁)が施されているタイプの物です。
ジェット・リー着用の衣装「丁字甲」
※写真をクリックすると大きな画像が見られます
ジェット・リーが撮影で着用した衣装には、肩、胸、袖口の部分にに金属の防具が付けられる様になっており、ボタン止めが施され、着脱可能な作りになっています。
ジェット・リーの衣装(横向き)
よく見ると、細工がとても細やか
金属の装飾が多いので衣装だけでも相当な重さがあります。布地も厚く縫製やボタンの付け方一つにしても作りが細やかで、役人の着る服らしい作りです。衣装だけでもこんなに重いのに、これを着てアクションシーンをこなすのは大変だった事でしょう。
パッと見た印象は、小柄なジェット・リーが着るのには大きい様な感じを受けましたが、アクションシーンが多いので、動きやすい様に緩く作ってあるとの事。おそらく、この様な衣装は洗うのが難しいか、洗えない為に、よく見ると服の表面には撮影時に付いたと思われる砂埃が付いており、結構すすけた感じになっていました。
お次は、二哥(次男)アンディ・ラウ着用の衣装。
この服は「土匪服」(どひふく)と書いてありますが、土匪と言うのは「ならず者」と言う意味で、追いはぎや強盗を行う様な者の事を言います。今回の『投名状』では、金城武と共に、「ならず者」ながらも正義感あふれる好漢役を演じているそうです。
アンディ・ラウ「土匪服」、三枚重ね
この衣装は、外側の上着と中に来ている服を合わせ三着を重ね着するタイプです。冬山での服装なので、厚手の布地を使用しています。この衣装はジェット・リーの着用した清朝役人が着ている服に比べると、簡素で、こ汚い作りにに仕上がっています。わざと汚したり、ツギハギにしたり、縫い方も荒く雑で、全体的にボロボロにしてあるのが分かると思います。
アンディ・ラウの衣装(土匪服) 腰に小道具が付いている
アンディ・ラウや金城武が着用した衣装には、腰に小道具がぶら下がっています。皮で出来たポーチや、角笛、水筒のボロボロ具合も長年使い込んだ風合いをかもし出しています。
アンディ・ラウの小道具 腰のベルトの細工が細かい
写真をクリックして拡大してしてみると分かりやすいのですが、腰に小道具をぶら下げている皮のベルトには、細かい模様も施してあります。こんなに細かい部分は映画では映し出されないでしょうが、このコリ具合が素晴らしいですね。
さて、最後は三哥(三男坊)役、金城武の衣装です。
金城武着用の衣装「土匪服」(四枚重ね)
彼が着用した衣装も、アンディ・ラウと同じく「土匪服」ではありますが、アンディ・ラウが着用したものとは作りが異なり、一番上に羽織る上着は、丈が短く、四枚重ねて着るタイプでした。
ズボンの生地の手触りは、ジーンズ生地をゴワゴワにした感じでした。この写真を見るだけでも、金城武さんの脚の長さが分かりますね。丈の短い上着が脚の長さを引き立てているのだと思いますが、こんなにボロボロの服を格好良く着こなせるとは、恐れ入りました。
金城武着用の衣装「土匪服」の襟
服だけ見ると、袖口に毛皮が施されていので、日本のマタギ(猟師)の様な感じを受けます。
こちらもアンディ・ラウの衣装同様に腰に小道具がぶら下がっており、皮で出来た袋など、何やら用途な謎の小袋も。
金城武の小道具
金城武の小道具(謎の小袋)
10月4日は、国慶節(建国記念日)で休みの期間中だったので、多くの親子連れで賑わっていましたが、「投名状」コミックスのブース訪れた中国人の子供達は、「何だこれ?乞食の服みたい。」
と正直な感想を述べていました。
確かに、スターが着れば男気溢れる「土匪服」であっても、一般人が着てしまえば乞食の服の様になってしまうかもしれませんね。
これらの写真をクリックすると大きな写真を見ることができます。