周平の『コトノハノハコ』

作詞家・周平の作詞作品や歌詞提供作品の告知、オリジナル曲、小説、制作日誌などを公開しております☆

コトノハラビリンス~1st question~

2018年10月23日 | コトノハラビリンス
「皆様はじめまして。こんにちは。今回のイベントの主催者の周平と申します。早速これから皆様を車で30分の距離にある会場までお連れ致します。」

小さなワゴン車から降りてきたのは、周平と名乗る35歳の男だった。

参加者の5人はクーラーもあまり効いていない小さなワゴン車に押し詰められて、30分かけて今回の会場であるペンションへと移動した。

これから起こる悲劇など想像もせずに…。

周平「さぁ、着きました。ここが今回の会場"コトノハラビリンス"です!」

南門「いや、ただのボロいペンションやないかいっ!」

村山「ねぇ、私達ここで2泊3日も過ごさなきゃいけないわけ?」

松居「仕方ないだろ。そこに謎があるというなら、ボロいペンションだろうが崖の上だろうが私はかまわんよ。」

二瓶「僕の住んでるアパートに比べたら全然キレイです。」

金田一「皆さん、とりあえず入りましょう。」

1時間後、それぞれの部屋に荷物を置いた参加者たちはペンションの食堂へと集められた。

周平「それではこれから皆様には3時間ごとに1問ずつ問題を書いた紙をお渡しします。初日の今日は3問、明日は4問、最終日に3問の計10問です。」

松居「なるほど。」

周平「10問目の答えは私、周平からのメッセージとなっており、それこそが今回の賞品という事になります。」

南門「はっ?ふざけんなよ。賞金じゃないんかい? せっかく抽選で当たったのに色々しょぼいんとちゃうか?」

金田一「ひょっとしたら、そのメッセージに財宝の在り処が書かれてるのかも。」

村山「なるほど、面白そうね。」

二瓶「僕の人生変わるかも。バイトも辞められるかも!」

イベントの初日、時計の針は正午をさした。

周平「ではさっそく第1問の紙をお配り致します。お互いに答えが分かっても教え合わずに、次の問題をお渡しするまで、お好きな場所で自由にお過ごしくださいませ。第1問が解けないままでも第2問へ進む事はできます。尚、それぞれの部屋のドアは外からは絶対に鍵がないと開けられないようになっており、合鍵の在り処は私だけが知っております。つまりカンニングはできません。構造上、ドアの上に小さな窓がありますが、それもご心配な方は各々の部屋に置いてある古い新聞紙などでお隠しくださいませ。」

そして参加者たちには、まさかの周平の手書きである以下の紙が配られた。



このブログを読んでくださっている皆様も答えが分かったら、是非コメント欄に答えを書き込んでいただきたい。「自力で解きたいから答えは見たくないよ~」という方はコメント欄を見ないようにご注意いただきたい。

おっ、さっそく5人の参加者のうち4人は解けたようだ。

コトノハラビリンス~prologue~

2018年10月11日 | コトノハラビリンス
ある晴れた日の午前10時。
日本有数のリゾート地"重井沢"の駅前に今回の参加者5名は集合させられた。
重井沢のとあるペンションで今回開催されるのは、某カップラーメンを買って、それのバーコードを葉書に貼って応募すると、抽選で5名だけが参加できる謎解きイベントだ。
主催者の素人男性が食品会社に勤める友人のコネを使って実現したのだった。

参加者のうちの4名はいわゆる謎解きマニアだ。
何が何でも参加しようと、ここ数ヶ月で普段ならあまり食べない某カップラーメンを食いまくって、バーコードを切りまくって、貼りまくって、住所書きまくって、応募しまくって当選した強運の持ち主と言っていいのか悩む人間達だ。

では、今回の参加者を年齢の高い順に紹介するとしよう。

まず、
松居 英一郎(まつい えいいちろう)58歳 男性 神奈川県出身
色々あったが現在は離婚して独身。冷静沈着だが思い込みが激しい。

次に、
村山 紅葉(むらやま もみじ)57歳 女性 京都府出身
金持ちで意地悪。これまた思い込みが激しい。

そして、
金田一 コナン(きんだいち こなん)37歳 男性 東京都出身
自称探偵。あの金田一耕助の孫の友達の友達のいとこ。
頭は良いが、思い込みが激しいのが玉に瑕。

それから、
南門 時雄(なんもん ときお)25歳 男性 大阪府出身
金髪のヤンキーみたいな見た目だが、学生時代は学年トップの優等生。
今回の優勝候補。やはり彼も思い込みが激しい。

そして、今回唯一の謎解きマニアではない人間。
二瓶 一之(にへい かずゆき)23歳 男性 宮城県出身
彼女いない歴は、生きてきた年数から20をひいて20を足した年数。
プロのギタリストを目指している。
体型は痩せ形で、身長はしばらく測ってないが推定1720mm。
2階建ての木造ボロアパートの1階に細々と生息している。
家賃は月5万円。わずか5畳の畳の部屋に小さな台所とトイレとシャワールームが辛うじて付いているような部屋。
友達も少なく、彼女もいないので来客は一切無い。
週に5日、近所のコンビ二でアルバイトをして生計を立てている。
一番の特技はギターの速弾き、なんかではなく、「ちゃんとご飯食べてるの?」と訊いてきた母親に、電話の最後で「じゃあ今度お米と一緒にお金送るから。」と言わせる事。
謎解きは全く得意ではないのだが、貧乏のため普段から例の某カップラーメンを食いまくっていて、ダメ元でバーコードを切りまくって、葉書に貼りまくって、住所書きまくって、応募しまくったら当選してしまった。

さて、今回のイベント主催者が大型バスではなく、なんとか6人は乗れる小さなワゴン車で5人を駅前まで迎えに来たようだ。