反応が一切無いので好評か不評かも分かっていない新企画『シューピー散文クッキング』。
今後の展開も結末も分かっていません。
なぜならこの新企画は、周平本人が目を瞑りながら国語辞典を適当なページで開いて適当な場所を指差し、目を開けた時に指が指している単語(1話につき5個)を全て文章のどこかに組み込まなければいけないのです。
さて、今回の材料は…
「ポスト」…小さじ1杯(そうそう、こういう楽なやつ!)
「泡立つ」…大さじ3杯
「他殺」…大さじ7杯(おいおい、そっちいくのか!?)
「後攻」…小さじ5杯(野球やらせるしかない?)
「歪む」…小さじ2杯
早くも企画終了フラグ? もしかしたら主人公が誰かによって殺されるかもしれない第3話スタート!!
『夢馬鹿』~第3話~
その後、数日間は家内が口を利いてくれない日々が続いたが、それにも耐えきれなくなり、ある日の夜に子供たちが寝静まった後でまた自分の熱意を家内へ伝えようとした。
もちろん結果は散々だった。
こちらがどんな球を投げても力強く打ち返され、9打者連続でホームランを浴びてしまったピッチャーの気持ちだ。
そのくせ、野球のように"後攻"であるはずの私の攻撃の順番が回ってくる事は決してなかった。
翌朝、仕事へ向かう途中で先日記入した国勢調査の調査票の入った封筒を"ポスト"へ投函した。
果たして5年後の次回の調査も、今回と同じく家族4人の名前などを記入できるのだろうか。
駅へ向かう途中の横断歩道の信号が赤だったので立ち止まる。
信号が赤だった事を普段なら嫌がってしまうが、今日は違った。
なんか立ち止まりたい気持ちだった。何なら逆走してしまいたいくらいだった。
自分の昔からの夢を叶えたいという感情と、その夢を諦められたらどんなに楽だろうという感情がぶつかり合う。
そこにさらに家内の事、子供たちの事、他にも色んな感情が混ざり合い、頭の上で何かが"泡立つ"ような感覚を覚える。
自分で自分の夢を殺す事なんて到底できない。
いっその事、誰かの手で"他殺"されてしまえば良いなどと考えが"歪む"。
普通の32歳であればそんな事は考えないか、考えるとしてもとっくの昔にであろう。
何年か前にタイムスリップする事が出来たら夢を追いかけ、叶える事ができるだろうか。
いや、ダメだ。
そしたら家内や子供たちの存在も無くなるという事だ。
そんなあり得もしないくだらない事を考えていたら信号が青に変わってしまった。
どうやら時も私も前に進むしかないようだ。
《第4話へ続く》
今後の展開も結末も分かっていません。
なぜならこの新企画は、周平本人が目を瞑りながら国語辞典を適当なページで開いて適当な場所を指差し、目を開けた時に指が指している単語(1話につき5個)を全て文章のどこかに組み込まなければいけないのです。
さて、今回の材料は…
「ポスト」…小さじ1杯(そうそう、こういう楽なやつ!)
「泡立つ」…大さじ3杯
「他殺」…大さじ7杯(おいおい、そっちいくのか!?)
「後攻」…小さじ5杯(野球やらせるしかない?)
「歪む」…小さじ2杯
早くも企画終了フラグ? もしかしたら主人公が誰かによって殺されるかもしれない第3話スタート!!
『夢馬鹿』~第3話~
その後、数日間は家内が口を利いてくれない日々が続いたが、それにも耐えきれなくなり、ある日の夜に子供たちが寝静まった後でまた自分の熱意を家内へ伝えようとした。
もちろん結果は散々だった。
こちらがどんな球を投げても力強く打ち返され、9打者連続でホームランを浴びてしまったピッチャーの気持ちだ。
そのくせ、野球のように"後攻"であるはずの私の攻撃の順番が回ってくる事は決してなかった。
翌朝、仕事へ向かう途中で先日記入した国勢調査の調査票の入った封筒を"ポスト"へ投函した。
果たして5年後の次回の調査も、今回と同じく家族4人の名前などを記入できるのだろうか。
駅へ向かう途中の横断歩道の信号が赤だったので立ち止まる。
信号が赤だった事を普段なら嫌がってしまうが、今日は違った。
なんか立ち止まりたい気持ちだった。何なら逆走してしまいたいくらいだった。
自分の昔からの夢を叶えたいという感情と、その夢を諦められたらどんなに楽だろうという感情がぶつかり合う。
そこにさらに家内の事、子供たちの事、他にも色んな感情が混ざり合い、頭の上で何かが"泡立つ"ような感覚を覚える。
自分で自分の夢を殺す事なんて到底できない。
いっその事、誰かの手で"他殺"されてしまえば良いなどと考えが"歪む"。
普通の32歳であればそんな事は考えないか、考えるとしてもとっくの昔にであろう。
何年か前にタイムスリップする事が出来たら夢を追いかけ、叶える事ができるだろうか。
いや、ダメだ。
そしたら家内や子供たちの存在も無くなるという事だ。
そんなあり得もしないくだらない事を考えていたら信号が青に変わってしまった。
どうやら時も私も前に進むしかないようだ。
《第4話へ続く》