雇用保険、健保・厚生年金保険料の本人負担を控除しないで会社負担とする場合、その保険料は賃金扱いとなります。保険料率(本人負担)は次の通りとして、保険料算出を解説してみます。
項目 | 保険料率(千分の) |
雇用保険料 | 6 |
健康保険料(介護保険料こみ) | 58.2 |
厚生年金保険料 | 91.5 |
採用した人の給与予定額、諸手当通勤交通費込みで30万円(A)ちょうどとしましょう。
項目 | 保険料額(円) | |
雇用保険料 | 1,800 | |
300千円 | ||
健康保険料(介護保険料こみ) | 17,460 | |
厚生年金保険料 | 27,450 | |
合計(B) | 46,710 |
この人のみなし賃金は346,710円(C=A+B)となり、この額に保険料率を乗じ(雇用保険・労災保険)て労働保険確定申告、社会保険は標準報酬月額 340千円 として資格取得届け出することになります。
源泉所得税が本人負担なら、C(非課税通勤交通費を除く)に対して税額を求めることになります。これも事業主負担とするのであれば、A(同)に対する求めた税額をBに足しこみ、あらためて求めたC'(同)の額に対する保険料、税額を納付することになります。
詳しくは、年金事務所(社会保険)、労働基準監督署(労働保険)、税務署(源泉所得税)にお問い合わせください。
雇用保険に関する業務取扱要領
50504(4) 特別の取扱をするもの
ロ 社会保険料、所得税等の労働者負担分を事業主が負担したもの
事業主が、社会保険料、所得税等の労働者負担分を労働協約等の定めによって義務付けられて負担した場合には、その負担額は賃金と解される。
労働保険徴収法通達
保険料の算定が複雑になるときは、事業主が負担した社会保険料の額が保険料算定の額としてよい。(昭51.3.31 労徴発12号)
所得税法基本通達36-31の8
使用者が、役員又は使用人が負担すべき次に掲げるような保険料又は掛金を負担する場合には、その負担する金額は、当該役員又は使用人に対する給与等に該当することに留意する。
(2) 法第74条第2項《社会保険料控除》に規定する社会保険料
(2021年5月3日投稿、2024年4月20日編集)