「堪忍は無事長久の基」という
のがあります。
私たちは、どうも修行が足りない
のか、何かおもしろいことが
あると、老いも若きも、「アタマ
にきた」と、すぐ怒りだして
います。
雨に洗われた若竹は青々として
いて、伸びやかなうえに、い
かにもしなやかでいいものです。
若竹は竹の子が出たかと思う
と、メキメキと大きく高く
伸びて驚くばかりです。
ところが、竹笛などを作るとき
は、この若竹は絶対に使いま
せん。
何年も霜をくぐり、雪に耐え、
霧に濡れ、みぞれに打たれ、
いわば風雪に耐え抜いた竹
を選び抜いて作るのです。
若竹は見た目のは伸びがあり、
美しいのですが、竹の質が
粗く、細工は楽ですが、ひび
割れしたり、虫が食いやすい
のです。
そのうえ、最も大切な音色が
まったく違うのですから不思
議なものです。
みなんさんも竹笛を見たこと
ことがあるでしょうか、青々
とした若竹はなかったでしょう。
音色のよい、重量感のある竹
笛・・・・
そうです。風雪に耐え抜いた竹
のように、私たちも、すぐ腹を
立てないで、“無事長久の基”
である堪忍竹になりたいもの
です。
小さなことにいちいち腹を
立て怒りをぶちまけるのは
もうヤメにしましょう。
気にくわないことが起こっ
たとしてもグッとこらえて、
相手を思いやれる心を自分
の中に育てていこうでは
ありませんか。
そしてひとたび口を開けば、
説得力のある充実した話を
したいものです。