忙しいときは山が自分を見る。
ゆったりしているときは自分が
山を見る。
文句は似ているようでも、その
意味はまったく違う。
「忙」、つまり“心が亡ぶ”状態に
あっては、「木を見て森を見ず」と
いった結果になってしまう、との
教訓。
一方、ことわざに「いちばん忙しい
人間が、いちばんたくさんの時間を
持つ」とあるのも事実にちがいない。
書道家の中村素堂は
「ものを頼むなら、最も忙しい人に
頼むべきだ」と強調しておられた。
「時間管理が上手で、忙しい中にも
閑をつくりだす余裕があるからこそ
次々と仕事をこなすことができる。
そういう人なら、必ずよい仕事をし
てくれるだろう」という意味がこめられ
ている。
「忙中閑あり」の心境を実践できる人で
ないと、ほんとうによい仕事はできない
かもしれない。