29.経営を描く。
「絵図を描く」と言いますが、ビジネスにおいても、
◎何を、
◎どのようにして、
◎いくらの予算で、
◎誰が誰と、
◎どういった規模で、
◎どういう戦略に基づいて行うのか」
といった、「経営全体の絵図」を事前に描いて綿密に計画した場合は、成功する度合いが高まります。
経営は、最初から成功するように計画してから、動かないと成功しにくいのです。
「最初から成功するようにと言ったって、それが分かれば誰も苦労しないよ」!と言われるかもしれないのですが、これは身近にあります。
つまり、運営・経営の道案内をしてくれる「手引書」の活用です。
例えば、新人社員歓迎会、忘年会の運営でも言えることです。それらの運営の中心となる人物は、行き当たりばったりの行動はしてはいません。
必ず、先輩に聞いたり、運営の手引書に目を通しています。だから上手く運営できるのです。
●経営計画は明確になっているか?
経営計画とは何でしょうか。次のようなことが具体的、且つ明確にすることです。
★経営理念を確立する。
★経営の「目的」・「目標」を明確にする。
★目標を達成に導くための、手段・方法を具体的にする。
★その「手段・方法」を効果的にするために、コンセプトを明確にする。
これらを明確にすることは、経営の「竹の節づくり」と考えて下さい。竹は節があるから強いのです。節があるから、雪の重みにも耐えることが出来ます。途中で折れたりしません。
このような「節を重ねていくサロン」が、経営力のあるサロンです。経営計画で自店の「経営の節づくり」をしましょう。
例えば、町内会の運営でも言えます。優れた町内会長は、「年間行動予定表」に沿って行動します。
その根幹となる運営の精神は、「町内会の主役は町内会の人々であり、町内会長は、その世話役である。」という心構えに基づいて対応しています。
そこには「町内会を上手に運営していくための手引書」があり、その手引書に基づいて町内会の行事や会合が上手く行くように全体を見渡し、日程を考慮して人員配置を決め、経費を考えて計画・実行しています。
このように町内会行事の運営を任されたとしても、いきなり行動する人はいません。手引書を基にして企画や計画書にまとめるなど、まずは計画してから実行します。
経営も全く同じです。経営に際しては「効果的に成功に導く手引書」によって経営を進めていくことは常識であり、もっとも賢明な方法です。綿密で理にかなった計画によって、上手くコトが運ぶ確率は断然高まります。
何事も先ずは「戦略構築」をして、次に「スケジュール化」です。「行動計画」を決めると、次に「準備計画」が決ります。これが伸びる人の仕事の仕方です。
優先順位は「重要度と緊急度」で決まります。つまり、スケジュールを意識することは仕事の優先順位を意識して明確にすることです。これによって仕事の全てが効果的に進みます。
「起業家」という言葉を創り出したフランスの経済学者J・B・セイ(1800年頃)は、次のように言っています。
「生産性の低い分野から、生産性の高い分野に経営資源をシフトさせるのが起業家である。」
私たちは理容サロン・美容サロン経営を、わざわざ儲からないようにしています。「儲かる経営」を目指すことは経営者の責務です。つづく