31.何を学ぶかが大切。
従業員の時に学ぶべき知識と、経営者としての学ぶべき知識は全く異なります。また「多く学ぶか」も大切ですが、「何を学ぶか」はもっと大切です。
従業員としては、広く浅く学ぶことは武器になりますが、経営者として成功するには、最初に何を学ぶかを慎重に選択した後に、深く学ぶ必要があります。
ゴルフでもスキーでも、英会話でも、車の運転でも、将棋でも、囲碁でも同じですが、上手くなるには「何を学ぶかが重要」なのです。
●ゴルフがうまくなりたい時、ゴルフクラブの作り方を学んでも意味がない。
●車の運転が上手くなりたい人が、エンジンの仕組みを学んでも意味がない。
●美容店の店長が、店を繁盛させたいのに、美容業界の歴史を学んでも意味がない。
例えば今、起業・独立・経営者・管理者を目指している人や、立場にある人が、
●「法人化するための事務手続きの方法」
●「社会保険事務所へ提出する書類の書き方」
●「就業規則の作り方」・「給与規定の作り方」
●「店舗の借り方」「帳簿のつけ方」「顧客管理ソフトの使い方」
●「融資借入のコツ」「雇用保険について」等を学ぶとします。
これらはヘアビジネスで利益をもたらす要因ではありません。単なる業務知識です。「業務知識」をどんなに吸収しても稼ぐことはできません。
店長は、サロンを繁盛させなければならないのに、
●美容店のつくり方・法人設立の方法。
●経営理念、就業規則、店舗賃貸契約書の作り方。
●お金の借り方・銀行との付き合い方。
●帳簿の書き方・業務日報の書き方。
等を一生懸命に学んでいるのと同じです。
このように経営する立場にある人が「何を学ぶか」は非常に重要なことです。その第一は、「お客を良い気分にさせるためには、どのように対応するか」これが全てです。
美容店の店長が必ず実践しなければならないことがあります。
それは、あまりにも「平凡で当り前のこと」であるが故に、出来ていない人が多過ぎます。
つまり、「店長としての挨拶」です。即ち、「店に出入りされる全ての人に対して1mの距離に近づき、親しく笑顔で挨拶の言葉をかけること」。
この行為の実践こそが店長の能力であり、繁盛店にするための核となります。
「その事に対する態度は、
そのことの価値の認識に比例する」
この格言を私たちは片時も忘れずに、周囲の人に対応しなければなりません。つまり、顧客に対してだけではなく、「店に出入りされる全ての人に対して」です。
この行為の価値を理解することは、サロンの繁栄にとって極めて大切なことです。つづく