小さなサロンが勝つ戦い方。
ヘアサロンの経営戦略は一点集中の絞込み戦略です。端的に言えば「ゲリラ戦」です。「ゲリラ戦」と言えば、ベトナムがゲリラ戦の末、大国米国に勝利しました。
ランチェスター戦略の法則に、「弱者の戦略」というのがありますが、ヘアサロンが執るべき経営戦略は、この「弱者の戦略」です。
「弱者の戦略」は、次の5つの法則を基本原則として戦うことです。
●局地戦。市場は「限られた地域、限られた範囲」とする。
範囲が狭いと、経営資源を集中できる。
●一点集中。ターゲットを決めて集中。絞り込むこと。一点に集中すれば、
競合店より経営資源を多く集中できる。
●一騎打ち。一対一で腰を据えて、一つずつ確実に勝利する。
投入した経営資源をこまめに回収しないと、経営資源(資金)が底をついてしまう。
●接近戦。 相手(顧客や競合)に近づいて、顔を見ながら攻める。
近づくことで相手の動きがよく見えて、的確な対策が実行できる。
●陽動作戦。手の内を見せない。嘘の情報などで敵を揺さぶる。
手の内を見せると強者にマネされて差別化できません。
例えば、一つのビルに、貴方がレストランを出店するとします。そのビルには、
●有名シェフのシーフードレストラン。
●健康志向の和食レストラン。
●本格志向のイタリアンレストラン。
●安価なファミリーレストラン。
以上4つのレストランがすでに入っています。
もし、何の戦略も持たず出店してしまったとしたら、戦場は広くなり、既存のレ
ストランは全て強力な敵となってしまいます。
しかし、貴方が「味や店構えに拘った高級レストランを出店」するのであれば、安価なファミリーレストランとはターゲットが大きくずれることになりますから、新規参入する貴方のレストランの主な競合となるのは、以下のようになります。
●「有名シェフのシーフードレストラン」、
●「健康志向の和食レストラン」、
●「本格志向のイタリアンレストラン」です。
そして、「味と素材だけでなく健康にも拘った自然食レストラン」 にするのであれば、美味しさや雰囲気に重点を置くシーフードレストランや、高カロリーなメニューの多いイタリアンは、ターゲットがズレてきます。
そうなると競合店は、「健康志向の和食レストラン」だけとなります。そして、最近の中国観光客の増加に対応して、貴方のレストランが中国人だけをターゲットに絞り、全スタッフが中国語で対応できるレストランを開店したとしたら、「競合店はなくなる」ことになります。
このように、小さい兵力で大きい兵力の相手に勝とうと思えば、「誰に何を」するかという条件をぎりぎりまで絞り込むことで、戦場から真っ向勝負する競合を消したり、その力を弱めたりすることになり結果的に戦いが楽になります。
そして、「勝つ戦場」を選ぶ大前提として必要なのが、自店と市場の現状を正確に知ることです。これこそが、私たち「小さなサロン」が執るべき戦略です。
明日に続きます。