どこまでも内向きで、自らの存在価値がどこにあるかをあいまいにした党首、党内議員の発言、行動にはびっくりします。そもそも、現在の低投票率と政治不信を大きく増幅したことの要因、責任をまったく議論、総括できない政党の存在自体が問われているのだと考えるべきです。自民党型政治を行いたいのであれば、自民党一党で十分なはずです。また、そのような考えの議員は、自民党復党、入党すればよいはずです。また、自民党の一派閥であれば、国民を愚弄するような主張、行動を止めるべきです。
今回の参議院選挙、東京都知事選で民進党がとった他の3野党との選挙協力は公党としての公約であり、当選議員はその選挙民、国民への約束です。そのことも簡単に反故にするのであれば、このような政党は存在すること自身が、国民を愚弄し、選挙そのものを冒涜するものです。民主党政権時代に公約を簡単に反故にし、国民から厳しく糾弾されたことの意味が本当にわかっていない政党、議員集団です。
<東京新聞社説>岡田氏退任へ 「党再生」競う代表選に
民進党の岡田克也代表が九月の代表選に立候補せず、退任する意向を表明した。後継代表にとっては政権を再び担い得る態勢づくりが急務となる。代表選では党の再生策を堂々と競い合ってほしい。
九月二日告示、十五日投開票の日程で行われる民進党代表選。三月の結党後初めて、党員・サポーターも参加する本格的な代表選だが、岡田氏が記者会見で、立候補しない意向を明らかにした。
二〇一四年衆院選での敗北を受けて民主党代表に再び就いた岡田氏は「安倍一強」に対抗するため野党勢力の結集に力を注いだ。維新の党と合流して民進党に改名したり、七月の参院選で野党共闘を進めたのは、その一環だ。
しかし、参院選で民進党は改選議席を下回る三十二議席にとどまった。前回三年前の十七議席からは持ち直してはいるが、岡田氏が目標としていた「改憲勢力三分の二」阻止は達成できなかった。
不出馬表明で責任を明確にせざるを得なかったのだろう。事実上の引責辞任である。
代表選候補者には、蓮舫代表代行や前原誠司元外相、細野豪志元環境相らが浮上している。
次の国政選挙は衆院選だ。一八年十二月までには必ずある。代表選は「選挙の顔」選びであると同時に、民進党が政権を再び担い得る政党に再生できるか否かも懸かる。各候補は党立て直しの具体策を競い合ってほしい。
とりわけ、どんな政策の実現を目指すのかが最も重要だ。
〇九年衆院選で有権者が民主党政権を誕生させたのは、当時の自民党への嫌悪感だけでなく、政権公約で掲げた政策に、現状打破への期待が集まったからだろう。
民主党を継いだ民進党がいまだに有権者の信頼を回復できていないのは、政権担当能力の未熟さに加え、公約違反の消費税率引き上げに突き進んだ当時の印象が強く残っているからにほかならない。
信頼回復には問題解決に寄与する、実現可能で財源の裏付けもある具体的な政策体系を再び有権者に問い掛けるしかあるまい。そのためには政策論争をまじめに積み重ねることが大切だ。代表選をその第一歩とすべきである。
後継代表は衆院選での野党共闘や、安倍晋三首相が目指す憲法改正にどう臨むのかも厳しく問われる。野党共闘には党内になお賛否があるが、参院選では安倍政権下での改憲に反対する有権者の受け皿となった。後継代表もそのことを忘れるべきではあるまい。
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