音楽評論館

音楽評論やコラムなどを執筆してます。

2019.6.29 sat リキ・フィルハーモニッシェス・オーケストラ 第8回 定期演奏会@杉並公会堂

2019-06-29 21:40:28 | コンサートレポート
2019.6.29 sat リキ・フィルハーモニッシェス・オーケストラ 第8回 定期演奏会@杉並公会堂



バイオリン教室の先生の姉がチェロで出演するということで、今回もチケットを頂き、聴きに行ってきた。通常なら料金がかかるところ、少し多めにチケットを頂くことも可能。
多分、今回で4回目か、5回目くらい。
会場のロビーでは、同じ教室に通うバイオリン仲間の1人と出会う。
ほぼ、毎回、偶然、出会うので、不思議。



◯ダンベール:歌劇「低地」交響的前奏曲
オペラのイメージから交響楽用の小品として作曲したようで、作品全体を壮大なスケールや世界観で聴かせるというよりも、衝撃的な劇中のワンシーンを思い浮かばせるような、一瞬の出来事を表現しているようだった。
人間の内面に潜む感情的なものを、わずか10分弱の中の、音の積み重ねの中に、潜ませて、短編ながらも、劇的にクライマックスへと、突き進んでいく、疾走感があった。

◯ブルックナー交響曲 第8番 ハ短調
これまでのリキフィルはブルックナーの第1番から順番に演奏を続けて、第8回目の定期演奏会で、ブルックナーが生前に楽曲の最後まで関わったとされる第8番の演奏にたどり着いた。今回も激しく荒っぽい演奏には驚いたが、全体的には、パンフレットの解説でも書かれているように、天体に誘われるような感覚、不思議な浮遊感に満ちており、そこから広がっていく音、内面に響き、果てしなく広がりのある音で、ブルックナー交響曲 第8番を演奏していたように思える。
激しく荒っぽい演奏でも、楽団全体の足並みは揃っていて、整然とした音として聴こえ、過去3回か4回、来た中でも、今日の演奏は最も聴きやすかった。
過去の、力技で薙ぎ倒して聴かせるような楽団から、全体を通して、広がりのある音で包み込むような技量を見につけて、とても成長を感じたのは、昔の知人の演奏を知っている者としては、感動的だったと言える。
(これが聴いていて退屈な方向に思えたら、必ずしも感動的ではないので恐ろしい。)



帰りには、バイオリンの先生の旦那が早足で帰っていくのを一瞬見た。
声をかけようとしたが、まあいいや(笑)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿