第3回の日本三大つるし飾りサミットが酒田のサンルートで開催された。江戸時代から伝わる「つるし飾り」を歴史的資源とする日本三大地域として「静岡県東伊豆町稲取」「福岡県柳川市」「山形県酒田市」が共同で全国発信し、地域活性化と観光振興を高めようとする狙いである。会場には400人を越す関係者が全国から集まったのには驚いた。
雛飾りのそばに、女性の願いを込めて「つるし飾り」がされたのが起源とされるこの伝統は、雛人形研究家の藤田順子さんは「雛の縁」と表現している。それにしても酒田の傘福は、酒田商工会議所の女性部が数年前に復活させた事業なのに、もう全国的に注目される目玉になったことはすごい事だ。
女性が一針一針子どもの健やかな成長を願い、家族の絆と幸せを願う「つるし飾り」には伝統の深さと、信仰にも似た祈念に心を打たれる。
この時期になるとサトウハチロウさんの童謡「うれしい雛祭り」が口をついで出てしまう。「明かりをつけましょ ボンボリに お花をあげましょ桃の花・・・・お嫁にいらした姉さまに よく似た官女の 白い顔」雛人形に託した女性のやさしい心が胸を打つ。