輪島朝市からちょっと奥に白米千枚田(しろよねせんまいだ)がある。日本海に面して小さな田んぼが、段々畑のように重なり合うように、海岸まで続いている。約4ヘクタールに1004枚に区分けされた棚田が続いている。時の総理大臣も訪れて「涙が出るほど美しい」と絶賛する景勝地である。
古くから「田植えしたのが999枚、あとの一枚箕面(みの)の下」「越中富山は田どころなれど、能登は一枚千枚田」と唄い継がれ、私も知っているくらいの伝統がある。ここは「能登の里山里海」の代表的な「日本の原風景」として日本で、初めて世界農業遺産に登録されている。
機械化が出来ず、昔ながらの農法が行われており日本古来の「苗代田」を復活させている。白米千枚田の美しい景観を守ろうと平成19年からオーナー制度がスタートし会員を募集していると説明があった。年2万円の会費でオーナー会員になると、マイ田んぼとしてオーナー名の表柱が建立され、収穫米10キロと特産品が貰える仕組みである。
収穫の終わった棚田にはLED照明が設置され、夜間は光り輝く千枚田が浮かび上がる設定になっている。観光スポットと日本の原風景との調和も難しいものだ。