コメの値上がりが連日、新聞のトップページの記事になっている。冷静に分析すると、JAからの農家手取りはやっと30年前になっただけなのに、なぜそんなに目の敵にされるのか理解に苦しむ。
農家といっても千差万別で、優良農地もあるが山岳地帯の農地が圧倒的に多い。コメのうわべだけの価格の報道に、違和感を覚えるし、掘り下げた議論を紙面に期待したい。キャベツや白菜が高いのも天候のせいだと報道されている。しかし、それだけでは無い。農家の高齢化が急速に進んで、農業者の平均年齢が70歳を超えている。特に、手間のかかる農業、重い作物の農業に赤信号が灯っている。その現実から目を背けてはならない。農業の近未来を考えると背筋が凍る思いである。価格競争のみの農業のあり方は、食料から日本の弱体化が始まり、その時、もう元には戻れない実態に気づく。
価格だけではなく、農業や農村の実態を理解して共存共栄の道を進めなければ、もう5年で農業は崩壊すると肌感覚で感じている。少子化対策と同じく時間との闘いでもある。
庄内空港ビル、同2階出発ロビーの冷凍無人自動販売機による「ANA国際線エコノミー機内食メインデッシュに新たに和食の2デッシュを加えて2月から発売を開始した。同ビルでは2023年4月から冷凍機内販売機で「世界機内食シリーズ」を始めた時、発売日2日目で完売するほどの人気を見せ、同年7月、国内空港で初めて、ANA国際線用機内食を加えた。これが人気を誘い5000食売れた。
今回メニュウに加えたものは、鮭の彩どりご飯と鶏てり焼き丼。どちらも国際線で外国人に人気の商品。鶏てりやき丼は甘辛いたれとご飯がよく合い、テリヤキの言葉が浸透しつつあり、アメリカ人などに人気がある。鮭の彩りご飯は野沢菜漬け、錦糸卵が並んだ彩と、優しい味から女性の人気商品であると、ANAブルーインバサダーの佐藤菜々子さんが説明してくれた。
庄内空港の山下社長は、機内食発売以来空港を利用しないかぞく連れや地住民が足を運ぶようになった。国際線は往路で和食、復路は洋食を選ぶ人多いようだと結んだ。
機内食は街のレストランの凝縮で、まだ訪れてない海外食の香りを嗅ぐのもまた楽しいかもしれない。
今回の日本列島を襲った大寒波は一週間にも及び交通機関のマヒが続いた。連日の大雪に立ち向かう市民生活が連日報道され心が痛む思いだった。日本海側と太平洋側の地形上とはいえ明暗の違いを見せつけられた寒波だった。その中でも珍現象もある。北国酒田市は雪が降らなかった。風は強いが雪は降らない。除雪車の出動もなかった。これも地形上の自然現象なので有難いと思っている。
総務省が31日に発表した人口移動調査によると東京一極集中が加速しているとして、東京は7万9285人の転入超過で、20歳から24歳が6万4070人と若い世代の流入が目立つ。転入超過は東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)と山梨、大阪、神奈川が転入超過県である。この事から、40都道府県から大都市へ若者の流出が加速を始めた事が分かる。
コロナで一時落着いた東京一極集中も、昨年あたりから加速を始めたことになる。山形県からは3千8676人が転出している。過疎と過密の問題提起は日本の大きなテーマとして議論されてきたが、地方の若者の流出は止まらない。
酒田市の夢の倶楽(山居倉庫)で「浪漫をたどる紅花展」が企画されをていると知ったので、足運んでみた。紅花染めされた反物がずらりと並び圧巻だった。河北町の染物屋で染められたオレンジ、紫の反物の他、振袖、のれんなども展示されていた。
内陸の県産紅花が最上川舟運で運ばれ、更に北前船で上方へと運ばれた歴史も解説表示されていた。物資輸送が舟だった時代の酒田の繁栄ぶりを残した展示展でもあった。
「おしん」の故郷、山居倉庫の「酒田夢の倶楽」は3月いっぱいで閉鎖されることが決まっている。山居倉庫は酒田のコメの中心基地として繁栄を築いた貴重な遺産である。米蔵の役目を終えた倉庫は文化財として保存することになっている。それで、倉庫内の展示物や物販は禁止となるらしい。多くの観光客が山居倉庫を訪れ、そこで買った酒田のおみやげ物、文化展示会などが中止となり想い出から消えてしまい、死んだ山居倉庫となってしまう。
広大な山居倉庫の使い道は決まっていない。空洞の山居倉庫を眺めるだけではあまりにも、もったいない。物販を生かした保存、生きた山居倉庫の変身は未来に歴史を産んでいくと思っている。