山茶花談

さざんかだん

和歌山の土地

2024-07-31 | 日誌


先日、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションに
伺いました。
波多野華涯さんの南画とのコラボ展が
8月18日まで開催されています。




波多野さんは、てっきりご親戚の方かな、と思っていました。
ヤマサ醤油を営んでみえる和歌山で
昔親交があった方だそうです。




浜口さんはカラーメゾチントの第一人者。
幾種類もの刃・ベルソーを使って
ざっくりした手彫り感で
絵画のように版を起こされた
迫力のある作品です。





ヤマサ醬油さんが和歌山で代々
お仕事を営んでみえたのは知りませんでした。
わたしの好きな熊楠と同じ和歌山の土地。

それを教えてくださった方も
珍しく熊楠が好きな方でした。
なにか独特な土地の力を感じますね・・
一度四国の山も含めて訪れてみたいですね、と
お話が盛り上がりました。











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gallery kissa 井上奈奈「絵本を建てる」

2024-07-23 | 日誌


蔵前の gallery kissa さんにお伺いしました。
井上奈奈さんの「絵本を建てる」出版記念展が
開催されていました。





井上さんの、家に纏わるこちらのエッセイ本は
本が広がると建つそうです。
きれいですね。





gallery kissaさんは
出版社 KISSA BOOKSもされています。
この本の70ページ、
オーナーがRISOの印刷機リソグラフで
全ページ刷られています!
こちらのねこちゃんの絵は、刷られたページの一枚。
大きな印刷機、大きなボトルのインク、
乾燥中の刷り紙など見せていただきました。
やわらかで、人の手のぬくもりが感じられるような
刷りでした。




井上さんがギャラリーで続けられている絵本を作る教室。
その生徒さんたちが、井上さんのページを込めた
それぞれのイメージで作られた特装本が
展示されていました。
こちらは灯台のイメージだそうです。





みなさん、きめ細やかでとても美しい装丁で






こちらは蝶々のイメージだそうです。
かわいい。






井上奈奈「絵本を建てる」出版記念展
~8/4
gallery kissa 






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ますむらひろしさん銀河鉄道の夜展

2024-07-16 | 日誌


先日、仕事帰りに新宿のベルクさんに
ますむらひろしさんの銀河鉄道の夜の原画展を
見に行ってきました。
天井から吊るされているたくさんの木の玉は
わたしの一年上、夫の同級生の田島燃さんの作品です。
惑星みたいで、星に囲まれた銀河鉄道の夜の雰囲気が
とても素敵でした。





ケンタウルス祭の夜道。
ますむらさんの美しい色、繊細なペン、青の世界。
声が絵から聞こえてきそう。
「ケンタウルス、露をふらせ」





「天上へなんか行かなくたっていいんじゃないの?」
ジョバンニのこんな透明な瞳で言われたら
列車を降りれなくなってしまう。






「まん中に円い星座早見が青いアスパラガスの葉でかざってありました」
ベルクさんのお店はメニューも雰囲気も素敵で
お客さまもみなさん、優しい。
心ゆくまで絵を見てください、とわたしを間に入れてくれた
カウンターのお客さま。






田島燃さんの作品。
ますむらひろしさんの世界に重なって
星を胸に吊るすような感じがしました。





いつか立派な装丁の本を全巻揃えたいなと思います。





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時間の方向

2024-07-02 | 日誌



先日は「明日の遺跡:デジタル・オデッセイ」展
米谷健+ジュリアトークイベントにお伺いさせて頂きました。

3600年にAIロボット探査機が古代都市の遺跡で
2024年頃の陶器の礼拝像を発掘したという設定です。
発掘された2024年代の陶器が展示されていました。
AIに祈りを捧げるような
スマホのような電子機器を崇めているような像達。




壁のボードの説明文章がどうもすんなり読めません。
違和感を感じながら、全体の文の意味が読み返してもぼんやりつかめず。
後でお聞きすると、AIが作った文だそうで
上の写真の大きな三体の人物像も
伺う前に写真を拝見したときにも感じた同じような違和感が。
この違和感は何でしょうか・・?


  

12枚の粘土板には楔形文字で
ギルガメッシュ叙事詩風に現代文明を描写するよう
チャットGPTで生成された内容が刻まれていました。

トークイベントは、作家のお二人と
真ん中に日本語音声のチャットGPTの三人?での会話。
途中で機械が質問に間をおいた時の空気には
2001年のHALが思い出されました。




作家の方の言葉で
「過去の文明が果たして現代より劣っているんだろうか?」
文明展を見て、私たちは過去の文明を下に見下げている
という指摘が胸に残りました。

時間は急速に進んで行く・・
現代アーティストで、環境破壊で海辺に置かれたナイロン?の糸を
「美しい」と言われ、更に美しい作品に変換されたのはちょっと衝撃でした。
環境変異で生まれた形を作品に起こしたり
いまのアーティストの発想の転換や足元は
とても軽くて前向きで明るさを感じます。

わたし達の子供の代では、もっとスピードが速くなって
落とし物もすっと飛び越えて進んでいくような。

わたし達はどこへ向かっているんだろう?








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