先日美術館で、ウイリアム・モリスと英国の壁紙展を見て来ました。
大きな額に入った壁紙のデザイン画の中に
皮にエンボスをして銅や金が塗られた
細密画のレリーフのような重厚感のある
贅が尽くされた壁紙もありました。
わたしたちの生活で壁紙というと
機械でプリントされたものが思い浮かびますが
厚い木の版で、職人の手で一版一版刷られた壁紙は
家の中が宝石箱のようです。
昔、わたしの版画を買ってくださった方が
モリスの本を和訳(共訳)されていて
ギャラリーのオーナーがいただいたその本を
譲っていただいたことがありました。
一人の王子が、世界の果ての泉を求めて
途中女性と出会い、二人でその泉にたどり着き
泉の水を飲んだ二人は祖国の城に戻ります。
この世の果てに、不死の
永遠を求めて泉にたどりついた後
もとの生活に戻るところに惹かれました。
世界の果てで、人の自我の枠を超えてしまうと
なかなかもとの生活に戻りにくいようなのですが
苦労しながらもとの世界(国)に戻り
自分の生活を再び送る・・という最後が好きです。
モリスの植物画を見ていると
日本の千代紙や着物の小紋が浮かんできて
どの国の人も意匠が好きですね。
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