山茶花談

さざんかだん

動いている庭

2023-03-26 | ペン画



埋みし犬の何処(いづく)にか、

蕃紅花色(さふらんいろ)に湧きいづる

春の夜や。


※ 中原中也 「春の夜」より



春雨の中
ようやく桜の花が咲いています。

春の夜に
歩いて桜を見るのも素敵ですね。

日本の左まんじの文様の庭に
花を咲かせました。

吉祥の紋様に花を組み合わせた春です。


※ The garden in movement 動いている庭
  Pen Paper 225x224mm
  
  



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円形庭園

2023-03-19 | ペン画



昔、箱庭療法というのを本で紹介されているのを見ました。

箱の中に、様々な物を自由に自分で置いて
完成させていました。

箱の中にとどめるのは
自分の世界を改めてかたちに起こして再確認すること?

また、自分の内面を箱の中にかたちで作り上げていく途上で
人の内面を回復させる力があるのでしょうか。


わたしは最近描いた絵の中で
囲いのある庭の外に
初めて製作上、植物を外に出しました。

水が箱から流れるような感じではなくて
植物が外に広がる、
または地面の地中ではつながっている感じ。


村上春樹さんの物語から感じる
人の意識と無意識の境の壁、
その下に共通に流れているように感じた水。


壁で区切られていながら
内と外は水面下でつながっていて
壁の中の世界は外側にも解放されている
そんな心地よさを
今回の絵で初めて経験しました。



※ " Circular garden " 円形庭園  
Pen Paper 304x307mm






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春の華

2023-03-12 | ペン画



摘み溜めしれんげの華を

夕餉(ゆうげ)に帰る時刻となれば

立迷ふ春の暮靄(ぼあい)の

土の上(へ)に叩きつけ


※ 中原中也 「春の思ひ出」より



ふと畑を眺めると
所々にレンゲの花の桃色の群れが
見えました。

春が近いと思っていたのに
もうとっくに足元にやって来ていたようです。

昨日は地元のギャラリーの
詩と絵の個展を拝見しに出かけてきました。

入り口に並べられていたのは
花をテーマにされた
詩と対で色鮮やかに刷られた絵でした。



※ " Fishes "  Pen Paper  






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Fish

2023-03-05 | ペン画



時こそ今は花は香炉に打薫(うちくん)じ、

そこはかとないけはひです。

しほだる花や水の音や、

家路をいそぐ人々や。



※ 中原中也 「時こそ今は・・・」より


春も近く、柔らかい西日が射す夕方です。
魚は花を薫じた香炉箱のよう。


※ ” Fish "   Pen Paper   2023  F0





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