アンカフェの久々のアルバムがリリースされた。
アンカフェはとても不思議なバンド。女の子チックなファッション、ルックスなのに、意外と骨太なロックを聴かせるバンド。で、骨太で音楽的には結構シャープなのに、「かわいい」ゆえに、棘があまりなく、全部の曲が明るく元気な曲に聴こえてくる。また、キーボードのゆうきが加入したことで、よりダイナミックで多彩な曲を奏でることに成功している。
本作はゆうき加入後初のフルアルバムということで、やっぱり音的な変化を感じたいと思う。アンカフェは楽曲的になかなか突き抜けていて、単純にいい曲を僕らに提供し続けている。(うちの学生にもアンカフェファンは本当に多いのだ!)
赤ちゃんの心のまま大人になろうとする05.ベイビーキングはなかなか聴き応えのある一曲。06.のデイブレイクはゆうきなしではありえないしっとりとしたメロウな一曲。ヴィジュアル系の王道とも言えそうで、またアンカフェのサウンドの新たな一面を見ることのできる07.ピアスも必聴だ。08.の孤立ホスピタルはかつてないほど攻撃的なサウンドになっていて、アンカフェがぬるくなっていないことを見事に示している。アンカフェを食わず嫌いしている人には是非聴いてもらいたいなぁ。まぁ、ダメな人にはダメだろうけど。10.の愛情サイクリングは、ちょっと実験的な要素の強い曲。サビはアンカフェ節炸裂だけれども・・・ サイクリングをタイトルにしたヴィジュアル系はアンカフェが初だろうな(苦笑)。サイクル野郎のkeiとしては嬉しい限りだが・・・ 11.のオレンジドリームは本当にいい曲。これ、シングルにしてほしかったなぁ~・・・
全体として、アンカフェワールド?NYAPPYワールド?が見事に展開されている。みくの声が統一感を与えているのかな。一曲一曲は個性的でそれぞれ味があるんだけど、全体として本当によくまとまっているんだな。ここまで、キャラクターがはっきりしているバンド/メンバーが揃っているのも最近では珍しいと思う。
2003年結成だから、今年で五年目になるのかな。ポップでキュートでメロディアスで切ないダンスロック系ヴィジュアル系の旗手として、もっともっとはじけてほしいと思う。もちろん日本国内だけでなく、欧州を中心に世界でもたくさんの注目を集めているアンカフェだけに、グローバルな活動をガンガンやっていくことを願う。