最近、ラーメンの記事も多くて、論文も〆切り直前で、V系のレポが書けてない。。。
最近買ったアルバムの中でも最高級のクオリティーを誇るアルバム。全曲シングルカットできそうなほど。音質もいいし、演奏技術も素晴らしいし、ボーカルの歌はホント美しいし、かっこいいし、Dの世界観が溢れている。さらに特記すべきは、その音楽の多様性だ。和風テイストのロックもあれば、オリエンタル風のサウンドもある。さらに、エスニックな感じのおどろおどろしい旋律もある。一言で言い表すのがすごく難しいアルバムなのだ。だが、多様ではあるものの、そこにDというバンドの統一性も確立されており、今後いったいどうなってしまうのか、期待とわずかな不安を感じずにはいられなかった。
1.Follow
2.SIGNAL
3.薔薇色の日々
4.桜花咲きそめにけり
5.Scwarzschild
6.Glacial melt
7.Marine snow
8.Canon Del Colca
9.Graveless
10.空に咲む花、水に棲み地に宿る。
11.久遠
12.Dearest you
このアルバムは、Dにとっても会心の一撃だろう。すごい。最後までリスナーをひきつけるほどにレベルの高い楽曲を届けてくれる。これだけいいバンドは滅多にそういないと断言できそうだ。
ただ、現代社会では、音楽に対する関心、CDを購入することへの関心は極めて低くなってきている。音楽界の危機が叫ばれて久しい。
うちの学生たちと話していても、音楽のこと、ロックのことが話題になることはほとんどないし、話題になったとしても、ヴィジュアル系の話となると本当に本当に限られてくる。さらに、そのヴィジュアル系好きな子と話していても、すでに特定のバンドのファンとあって、新しいV系バンドへの関心もそれほど高くなかったりする。いいバンドが出てきても、それを受け入れるための土台が崩れつつあるのかもしれない。
Dは本当に素晴らしいバンドだと思う。だけど、それに対して、リスナー層はかなり限定されてきているし、耳にする機会も本当に限られてきている。こういうブログで書いても全然力はないけれど、それでも書いておきたい。もっと音楽に気を向けてもらいたい。特にDの場合、メンバーのキャリアは充分だと思うが、そのキャリアゆえに、どの層をターゲットにしているのかが今一見えてこない。僕ら30代のV系ファンなら納得のバンドだが、その30代は仕事や家庭など、人生の中で最も忙しい時期に入っている。20代後半はLUNA SEA世代だと思うが、ここはターゲットになりそう。20代前半はラルクやGLAY世代なので、ここもなんとかなりそうだけど、V系離れも激しい世代。10代となると、若手のぴちぴちしたバンドのファンになる傾向が強いだろうし、Dの音楽的な魅力に気づけるかどうか分からない。
追記:音楽界の危機的状況は、音楽業界そのものが招いたという部分もあると思う。いいバンドが育たない環境っていうのもあると思う。V系に詳しい評論家でも、特定の売れているバンドに目を向けがちだし、流行が終わればすぐにカットしてしまう。もちろん一部のいい雑誌ではしっかり音楽そのものに目を向けているが、それが一般ではなさそうだ。V系を論じている論者も、表面的な部分での議論が先行していて、V系の奥底まで視野に入れている人はあまりみかけないように思う。V系を論じる学者においては、それこそXとLUNA SEAとラルクとグレイとマリスくらいしか聴いていないんじゃないか、と思うくらいに精通していないように思うが、、、