2024年12月4日。
遂に遂に遂に遂に…
BUCK-TICK、通算24枚目のオリジナルアルバム、
スブロサ‐SUBROSA
がリリースされました。
遂に、この日が来ました…。
櫻井敦司さんが突然亡くなったのが、昨年10月19日でした。
本当に突然過ぎて、愕然としたのを今でもはっきりと覚えています。
…
あれから約1年と1か月半…
圧倒的なカリスマ性をもつあっちゃんがいなくなったBUCK-TICKが新作を出したんです。
ファンであれば、もう不安と期待と心配と希望が入り乱れた感じになっていたのでは、と思います。もう、気が気ではない、といいますか、、、。
僕ももうこの日が来るのが、楽しみであり、また同じだけ不安でもありました。
「あっちゃんのいないBUCK-TICKは、これからどうなっちゃんだろう?」
「他にボーカルを入れないで4人でやるっていっても、大丈夫なんだろうか?」
いろんな思いが錯綜していました。
…
で、とりあえずアルバム全17曲を通して、何よりも集中して聴きました。
その結果、一つだけ間違いなく言えることは、
「このスブロサ SUBROSAは間違いなくBUCK-TICKの24枚目のアルバムだった」
ということです。
理由も理屈も屁理屈もなく、純粋にただただBUCK-TICKしていました。
色んなことを思いますが、きっと魔界にいる(?)あっちゃんが一番ニコッとする一枚になっているんじゃないかな?って思います。
それから、この作品を通して、あっちゃんの後継者としてボーカリスト「星野英彦」が新たに誕生した、ということがはっきりと示されたと思います。
【全曲解説】
ヤバいヤバい…『SUBROSA』の1曲目【百万那由他ノ塵SCUM】のド頭から度肝を抜かれました。いきなり低音の今井さんの声、歌、なんだこれは?!?! 「俺たちは独りじゃない」っていう最初の一フレーズを聴いて、これまでずっと不安がすーっと消えていくのを感じました。「あ、BUCK-TICK、大丈夫だ」って。そして、中盤、JUPITERみたいにミドルテンポのロックナンバーに変わっていきます。那由他ってサンスクリット語では「nay uta」で、東洋の単位ですね、とんでもない大きさの単位…。それを感じる壮大な楽曲になっています。
2曲目の【スブロサ SUBROSA】もヤバい、、、なんだこれ?! これまでになさすぎるエレクトロでダンサブルなサウンド。今井さんらしいボーカルに、あっちゃんを感じるウィスパー、、、 サウンド(音)がヤバすぎる、、かっこよすぎる。音が飛んで跳ねてます…(#^.^#)。どことなくSOFT BALLET感もあるような?!
3曲目の【夢遊猫 SLEEP WALK】は、インダストリアル感のあるサウンドに、ポップなメロディーが乗ってる! 歌的にはなんかダイナマイトトミーちゃんを思い出すなぁ。BUCK-TICKとCOLORが合体した感じ?! サウンド的にも「エレクトリック感」がえぐすぎです~!
4曲目の【From Now On】、これまたヤバいことに… テクノ、トランス、アンビエントなどがぐちゃっとなったダンサブルな曲。これ、星野さんの曲? 星野さん初のソロソング。想定範囲をはるかに超えた曲になってる、ヤバい、これも、、、いったいなんなんだー?!
5曲目の【Rezisto】もインダストリアル感、ありながらも、しっかりB-Tサウンドになってる。どこか「SIX/NINE」っぽい感じ? これまたB-T感満載だ、、、曲的には、SEXY STREAM LINERに入っていてもおかしくない感じ?! いい意味で安心できる曲だな😊
6曲目の【神経質の階段】は、SE的? あるいは、アルバム第二幕への扉?!密室の中の不安や孤立をイメージしてる? でも、どこかあっちゃんの姿が思い浮かぶ音世界。あっちゃんが階段を昇ってる…
7曲目はシングル曲となった【雷神 風神-レゾナンス #rising】です。 6曲目の後に聴くと、むちゃくちゃポップに聴こえる!! 闇の中から飛び出て、空に向かって飛びだっていく感じがします!! やっぱり6は第二幕への扉だったか。シングルと違うアレンジになっていて、よりバンド感が出ていたように思います。…しかし、8曲目以降どうなるんだ? まったく先が読めません。
8曲目はファンの間で話題?の【冥王星で死ね】。7同様にロックでワイルド! 5までと違い、ヤガミさん大忙し笑 ファンなら、「ガ ガ ガ ガ」ってところでニヤッとなるはず。ノイジーなギターがすごい気持ちいい!
9曲目は【遊星通信】。これまたグラムロック感たっぷりのグラマーなロックだー!これは今のB-Tを歌った曲かな。歌詞がすっごく面白い! ファンの不安はこれ一曲で払拭かな?!
10曲目の【paradeno mori】は星野さんが再度登場。星野さんがあっちゃんになりきりつつ、あっちゃんに向けた曲かな? これまでで一番「歌もの」って感じがします。これ、「Paradeのmori」ですよね?!(言葉遊び的な…)。星野さんの曲、やっぱ好きだー😂 それにしても…、あっちゃん、ビキニ好きだったんだ~笑💓
11曲目の【ストレリチア】は、また今井さんのSE的曲。第二幕終了で、いよいよ第三幕へって感じかな。6の閉じられた感じじゃなくて、もっと外に広がっていくような感じ。ストレリチアの花言葉は「輝かしい未来」とか「全てを手に入れる」という意味らしいですね。まさにそんな感じですね。でも、いったいこの先どうなるんだ?! ワクワクとドキドキが交差します。
12曲目は【絶望という名の君へ】。まさかまさかの今井さん作詞、星野さん作曲っていうこれまでにない組み合わせ。星野さんの歌に、あっちゃんが浮かびます。なんか星野さんにあっちゃんが憑依したような…?! これから歌ものは星野さんに任せればいいねって心から思いました。あっちゃんの後継者って、実はすぐそばにいたんだ…って。この曲を聴いて、心からそう思いました。星野さんのこの歌、あっちゃんはどう聞くんだろう?! この12曲目の曲を聴いて、僕の中にあった不安や迷いは一切なくなりました。マジでなくなりました。
13曲目の【TIKI TIKI BOOM】のイントロを聴いた瞬間、昔からのファンは「これは、…全て誤解だぁ!!」って叫びたくなると思います(笑)。今井さんのラップがなんか心地よいなぁ~。"全て誤解"なのがラップになってる…
14曲目は【プシュケー -PSYCHE-】。心理学をやってきた僕にはお馴染みのワード。この曲もまた今井さん✖星野さんコンビ。あっちゃんの後継者、星野さんのボーカルがすごくいい! かっこいい。ヤバい、いい意味で予想を完全に覆されました…。本作で一番好きな曲になりそうです…(っていうか、本作で最もお気に入りの一曲になりました💓)。「地上の死を知っているか 地上の死の理由を」というところがもうまさにあっちゃん節で、それを星野さんが歌っているっていう、もうちょっと身体全身が震えました(マジのマジで…)。今のBUCK-TICKに不安のある人は、是非この曲から聴いてもらいたいかも。
15曲目は、インパクト大のタイトル【ガブリエルのラッパ】。この曲も凄い…。壮大。インダストリアルで耽美でエレガント。なんだこの世界は、、、今井さんの新世界っていう感じ?!… 狂気と耽美。あっちゃんも一緒に歌ってる…ような錯覚?幻聴?を感じます。ファイナルに向かう前の最後の「タメ」みたいな一曲かな?!
早い…。あっという間に16曲目【海月】へ。これ、「クラゲ」かな?! これもSE的なインストロメンタルですね。これ、まさに音を楽しむってこういうことかな、っていうね。第2期BUCK-TICKのクライマックス前の最後の静けさ。6とも11とも違う雰囲気なのが面白い… 海の奥底に沈んでってる?!
そして、最後の17曲目の【黄昏のハウリング】は、前作までのBUCK-TICKのエンディングソングを彷彿とさせる壮大で荘厳で広がりを感じるバラードソング。あっちゃんが歌うはずだった曲っていう感じの曲。それを今井さんがしっかりと歌い込んでくれていますね。1の【百万那由他ノ塵SCUM】と同じような歌い方をしていて、最初と最後がつながった気がしました。星野さんの歌も想像を超えてかっこよかったけど、この1と17の今井さんの歌もまた、これからのBUCK-TICKの可能性そのものだなぁって思いました。なんていうか…、今井さん、普通に歌えるんじゃないですかー!!って(;´∀`)。
個人的には…
14のプシュケーが一番気に入った曲で、1と17の今井さんの歌と、4と5のインダストリアル感ある2曲と、10と12の星野さんの曲がお世辞抜きで最高に素敵だな、かっこいいなって思いました👆
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全17曲あるのに、あっという間に聴き終わった気がしました。
あっちゃんは1曲も歌っていませんが、全部の曲で今井さんと星野さんの隣りで歌っているような気がしました。今井さんと星野さんのそばにいるなって思うっていうか。
それに、全曲通して、どれもどの曲もBUCK-TICKの曲そのもの、歌そのものでした。そこもすごく安心したというか、ホッとしたというか、未来が見えたというか、、、。
あっちゃんが亡くなった後、どこかで「新ボーカル」を脳内で探している自分がいました。自分の中では、MASCHERAのmichiさんならあっちゃんの後継者としていけるんじゃないかって妄想していたりもしました。
でも、あっちゃんの後継者は、本当にすぐ近くにいたんですね。今回、星野さんの歌を聴いて、星野さんこそがあっちゃんの後継者だったんだって…。本当に心からそう思えました。
多分、賛否両論あると思います。星野さんじゃ、あっちゃんの代わりにはならない!っていう人もいると思います。
でも、僕は、心底、星野さんの歌にBUCK-TICKの未来を感じたし、また、今井さんの(素の)歌を聴いて、更なる可能性もあるんじゃないかって思えました。それが今回の一番の収穫…でしたね。
あと、タイトルのSUBROSAについても一言。
このSUBROSAって、ヨーロッパの言語に強い人なら、「sub」+「rose」だって分かると思うんですよね。sub-っていうのは、例えば「subject」とか「substance」とか「subway」とか「submarine」といった単語の接頭辞ですね。「~の下」とか「~の足下」といった意味を持ちます。そして、「rosa」は、ラテン語で、そのまま英語の「rose」になります。で、そこから「薔薇の下で」=「秘密裡に」「内密に」「内緒で」といった意味になっていった、とか。
このワードを見たとき、瞬間的に思いました。
「あ、きっとRosaって、あっちゃんのことなのかも?! あっちゃんの下(sub)にいた4人が、今度はRosa(薔薇)になるんだっていう決意表明の言葉なのかも?!」って。
アルバムを聴いた今、ずっと(強烈な個性のある)あっちゃんと今井さんの裏で静かに存在してきた星野さんが「薔薇」となって、輝く時が来たんだなって思うんです。
思えば、僕は星野さんの書いた曲が好きで、BUCK-TICKにのめり込んだ人間でした。全てのBUCK-TICKの楽曲の中でずっとNo.1なのは「DESPERATE GIRL」だし、次いで「FEAST OF DEMORALIZATION」なんです。星野さんの曲を歌うあっちゃんに惚れて、BUCK-TICKのファンになったことは間違いなくて、、、
でも、ずっと星野さんはsub-rosaだった気がします。
あっちゃんが歌ってないのはとてつもなく寂しい。でも、星野さんが歌い始めてくれている。
あっちゃんもきっと一番この選択を喜んでくれているとホンキで思います。
みなさんも是非是非、スブロサ SUBROSA、聴いてみてください!!
通常盤で十分に今のBUCK-TICKを味わえると思います!
僕はこのDVD付のを買いました。インタビュー付きです!
Blu-ray派の人は是非こちらを!!
なんとカセットまでリリースしているんですね!!!😊
シングルの方もなかなか面白い仕上がりになっていますよ(特に2曲目!!)