千葉の中でも最もし烈な激戦区の一つである本八幡。名店揃いの街です。月梅、なりたけ、だんちょうてー、魂麺、木尾田などなど。新旧入り乱れた仁義なき戦い、、、。そんな本八幡に、2012年12月、またまた強力な新店が現れました。「麺屋龍月」です。
既に悪麺友らんちばさんがレポを上げております。(早っ!!)
http://blog.livedoor.jp/lanciba/archives/52006526.html
このお店は、なんとご兄弟で営まれているお店なんですね。ビックリ。で、お兄様は、なんとなんと松戸の名店「まるき」の出身なんだそうです(しかも、今も夜はまるきの厨房に立っておられるようです)。 兄弟姉妹でお仕事ができる、というのは、とても素敵なことです。まず、仲が良くなければできないですからね。しかも、何か問題があっても、信頼・信用がありますから、ちょっとやそっとのことで、不信に満ちることもない。素敵だなぁと思いました。
メニューは凄いですね。都内的といいますか。今風といいますか。券売機は、ちょっぴり横浜家系チックで、ほっこり。どれにしようかなーと思っていたら、「昼限定」の「煮干し中華そば」があるではないですか。「煮干し」と「中華そば」ときたら、もう反応せざるを得ないのが、僕という人間です。いや、本当のことを言えば、このお店の色々な記事を見て、なんとな~く味が想像できてしまうので、こちらにしました。今の僕は、変わったラーメン、びっくりするようなラーメンを求めているので、遊び心のある限定麺の方が燃えるのです(萌えるのです)。
煮干し中華そばとご対面☆
出てきたラーメンは、見るからに美味しそう。まぁ、想像通り。こういうラーメンだろうなっていうラーメンでした。
お味も、、、、想像通りの味でした。こういう煮干しラーメンだろうなっていう煮干し中華そばでした。きっと数年前だったら、死ぬほど感動していただろうなっていう。僕的には、青森の「たかはし中華そば」を思い浮かべました。
→このブログの記事と写真がとっても美味しそうです★
→僕の記事(二度目)もよろしければ☆
でも、たかはしの煮干しラーメンよりも、はるかに食べやすいです。クセがなくて、本当に美味しい濃厚煮干しラーメンって感じでした。聞けば、5種類の煮干しを使用していて、一番美味しい状態の煮干しスープを使っているんだとか。もう、お見事としか言いようがありませんでした。
チャーシューも分厚くて、嬉しいですね。
でも、、、
何と言えばいいんだろう。どうにもこうにも、、、 濃厚煮干ラーメンって、かなり出尽くした感があるんですよね。いわゆる「またお前もか系ラーメン」と同じように、「また煮干しのお前か系」っていう感じになりつつあるんです。「またお前もか系」の生みの親が「渡なべ」だとすれば、その完成形は「とみ田」にあります(とみ田で、完全にこの系統が終焉を迎えました。今では、どのお店でも、とみ田劣化モノになってしまうんです、、、汗)。それと同じように、今や濃厚煮干しラーメンも「終焉」を迎えつつあるように思います。それくらい、出尽くしたように思うのです。 だから、美味しいんだけど、「またこの味かー」って。美味しいだけに、とっても惜しいって思ってしまいます。
濃厚煮干しと濃厚鶏白湯系は、もうどこで食べても感動しなくなりました。
そこが、凄い気になってしまいましたね。美味しいんです。でも、何も感じないんです(;;)。何でだろう。。。
そういう経験をしました。このお店の味うんぬん以前の問題だとは思いますが、、、
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ちょっと厳しいコメントですが、このお店の(ある種の)本質的課題をえぐるブログ記事がありました。厳しいコメントですが、似たような印象を僕も受けました。確かに美味しいんです。文句なしに美味しいんです。でも、他で、どこかで、食べたことがある感じでもあるんです。まるきよりも一般的な味わいにはなっていると思います。が、その分、個性が埋没してしまっている、というか。「もう、いいでしょ」っていうか。
もしかしたら、これ(この味)でいいのかもしれません。「昼の食事の選択肢の一つ」としては、十分に美味しいラーメンでしたし。お客さんもたくさん集まっていました。既に多くのブロガーさんやラーメンフリークの方が足を運んでいますし、絶賛しています。それに、限定麺ですしね。
ただ、どうにもこうにも、「他にもありそうな感じ」がひしひしと感じるんです。もちろん料理なんて、どこかに似たような味の料理が既にあるでしょう。「新たな味」なんかそう簡単に作れるものではありません。でも、これだけ力のあるお店ですからね。「ここでしかない味」というのを生みだしてほしいし、そういうラーメンこそが、未来のこのお店の「看板」になっていくんだと思います。
なんていうか、「既成の味わいで、どこかの有名人気店で食べたことのあるラーメン」としか、いいようがない。だから、感動がない。興奮しない。フリーク用語を使えば、「ふむふむ」であって、「わくわく」じゃない。それでよいなら、それでいいんですけどね。
ラーメンが、どんどんROCKから、CLASSICになっていくのを感じます。
「過激さ」がなくなり、「荒っぽさ」がなくなり、どんどん「技法化」されていき、どんどん「インテリジェント」になっていく。敷居がどんどん高くなっていく。「素晴らしい」んだろうけど、「眠くなる」。それでいいのかなって思うんです。すごい手もかかっていると思うんです。煮干しだって5種類の煮干しを使用している、とおっしゃっていました。凄いです。それに、美味しいです。でも、そのパワーを、クリエイティブな方向に向けたら、面白いラーメンが創造できそうな気がするんですよね。ラーメンは、本質的に、CLASSICではなく、ROCKだと思うんですよね(でも、それは僕の個人的見解です)。
また、ラーメンフリークやブロガーも、既成の味で満足するのではなく、もっともっと新たな味を求めたいところです。
今、権威のある評論家や人気ブロガーさんが絶賛すると、なかなか否定・批判できない空気がラーメン界に漂っているような気がします。絶賛すべきお店が既に決められていて、その決定に食べ手が従わなければならない、というのはやはりおかしいです。ラーメン界には、「こうすりゃ、成功する」という鉄則はないはずで、作り手と食べ手が互いにぶつかり合って、新たな味文化(ラーメン文化)を発展させていくことが何よりも大切な気がします。
龍月は、まさにそうしたことを考えさせてくれるいいお店なんだと思います。まずもって美味しいお店ですし、力も入っています。きっと原価率もとても高いことでしょう。でも、だからこそ、あえて、突っ込んで語ってみたくなりました。
今後の発展を楽しみにしたいところです
お店から本八幡駅が見えます。駅チカです!