今、日本食は世界へと広がりつつある。「寿司(Sushi)」はもはや国際食になってしまった。豆腐や醤油や味噌やのりといった日本の食材は世界各国へと送られている。
ラーメンもどんどん国際化している。日本の有名ラーメン店の世界進出は最近とても頻繁に行われているし、インスタントヌードルはもう何年も前から世界に進出している。カップ麺ももはや「あたりまえ」の食品となった。
ラーメンの世界化に大きな貢献を果たしたのが日清(NISSIN)と言っていいだろう。日清はどこよりも先に「ラーメンの世界化」を考えていたし、どこよりも先に「世界進出」を実現した。
日清の戦略は、「日本のラーメンの世界への普及」に留まらなかった。日清のカップ麺の技術を世界の食材や食品に適用させることで、その国独自のカップ麺(ないしはカップ食品)を産み出すことに成功した。
その一つが、今回紹介する「カップマッシュポテト」(日清)だ。ドイツ語的には、「じゃがいものお粥」(Kartoffelbrei)という風に表現されるマッシュポテトだが、これがカップラーメンの容器で手軽に作れる、というカップポテトなのだ。
マッシュポテトはドイツ人が大好きな食べ物の一つ。ジャーマンポテトも人気が高いが、マッシュポテトもやはり大人気。じゃがいも王国ドイツだけに、じゃがいもの料理はやはり「定番」なのだ。
ゆえに、カップ麺、じゃなくて、カップポテトが出ても全くおかしくない。カップマッシュポテトは、日本のカップラーメンの技術と、ドイツの食文化の融合形と考えていいだろう。
このカップマッシュポテトがなかなか旨いのだ。焦がし玉ねぎとクルトンの入ったマッシュポテトで、味はやや薄め。お湯と粉で作られているのだが、水っぽさは全く感じられない。焦がし玉ねぎの香ばしさが素晴らしい。量も結構多めで、ボリュームもある。ドイツでどれだけ売れているのかは分からないが、日本でも是非発売してもらいたいカップポテトだ。