Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

■地獄ヘルズ■地獄のロックンロールファイヤー■R&R魂炸裂!哲ドラムも必聴!

先日、とてもユニークなアルバムがリリースされました。

これ、なんて、説明すればよいんだろう!?

THE SLUT BANKSとその仲間たち!?の新バンド!?

THE SLUT BANKSと友好関係のあるえりすぐりのメンバーのユニット!?

あるいは、ロックンロールの総合商社!?

更に、ドラムには、D'ERLANGERのTETSUがいて、半分くらい叩いています。

金タク氏とTETSUのツインドラムも!?

我が板谷祐師匠も、ほぼ全曲登場しますが、どちらかというと「縁の下の力持ち」系。

次から次に、スリリングで凶暴でワイルドなロックンロールが展開されていきます。

ロック系で、ボーカルが交互に唄っていくというのも、とても珍しい…(アイドルみたいに)

戸城さんの曲がメインだけど、でも、他の人の曲も3曲入っています。

ゴリゴリでパワフルなR&Rサウンドだけど、どこかキャッチ―でポップ。

THE SLUT BANKSのコンセプトは「ゾンビ」だけど、今回は「地獄」。

おどろおどろしいなぁ、、、(苦笑)

公式に発表されているメンバーは次のとおり。

■地獄ヘルズメンバー■

板谷祐 (Vocals) from THE SLUT BANKS
カタヤマヒロキ (Vocals) from Droog
ナオ (Vocals) from 首振りDolls
荒金祐太朗 (Guitars) from Droog
ジョニーダイアモンド (Guitars) from 首振りDolls
戸城憲夫 (Bass) from THE SLUT BANKS
菊地哲 (Drums) from D'ERLANGER *M1,2,4,7,9
金川卓矢 (Drums,Percussions) from THE SLUT BANKS

これだけメンバーのいるバンドって、なかなかないですよね、、、

僕的には、祐師匠と哲ちゃんが再び共に音を奏でているところがツボ、というか…(涙)

【全曲解説】

01.地獄の一丁目

いきなり、ダーティーでしぶ~いギターのリフとレトロなドラムフレーズで始まるワイルドなSE的曲。これがロックンロールでしょ!っていう要素が満載! まさに「一丁目」!!

02.Welcome to the HELLZ

そして、いきなり「哲ドラム」が炸裂します。一気に目が覚める、というか。哲好きな人間だと、もうドラムしか耳に入ってこないことでしょう(苦笑) でも、この曲、実はめっちゃ名曲ですよ。サビのメロディーなんて、「お茶の間」レベルですもん。祐は3番で唄います。他の二人のボーカルさんは、戸城さんの好みだろうなぁっていう「ギラギラしたボーカルボイス」で、棘があって、カッコいいです。歌詞的には、わりと今の世の中を風刺していると思うんですけど、最後の「八百長じみた条約 ペラペラ舞う」の意味が分からなかった…。

03.ヘルズ・ボーイズ

こちらは、金タクドラムで、勢い満載の一曲。作曲はDroogの荒金氏。ワイルドなギターリフ―で始まり、どこか「MERRY」みたいなイントロへ。高速裏打ちビートもMERRYみたい。でも、歌が始まれば、地獄ワールド炸裂。いやー、この三人のボーカルコンビネーションが半端なく気持ちよいなぁ。面白いのは、「ここ、祐の歌詞っぽいなぁ」ってところで、ちゃんと祐が歌ってくる、という。歌詞も、分担して書いたのかな!? とにかく速い曲で、キャッチ―で、ゴキゲンR&Rで、どこか地獄感もあって、面白い曲です。ライブで盛り上がるなぁ。

04.地獄のサンダー超特急

今度は、ゴージャスなギターリフで始まるロックンロールナンバー。再び哲ちゃんドラム。どこか、後期CRAZEっぽいサウンドというか。後期CRAZEはなんともいえない「退廃的なカッコよさ」があった。あの頃を思い出す。曲調的には、「いざ、地獄へ!」というか、なんというか、戦いに向かう人間にエールを送る曲というか。武者震いさせられるなぁ、、、という曲でした。

05.地獄のrock 'n' roll fire

これ、何気にアルバムタイトル曲!? 戸城さんの曲。ドラムは金タク氏。地獄にいよいよ入ったぞ、みたいな。あるいは、地獄でパーティー真っ最中、という感じ!? なんかコンセプト的に、聖飢魔Ⅱ的な世界観もちらりほらりと。でも、サウンドは荒々しいロックンロール。ギターが暴れまくってる、というか。ギターの魅力が存分に発揮されているなぁって思いました。これが「ロックギター」だよなぁって。

06.ヤバいヤツ

こちらは、首振りDollsのナオの曲。ドラムは金タク氏(ちょい、哲っぽいドラミング!)。ダーティーでグラムロック感もあるねっとりとしたロックンロール。ボーカルにはエフェクトがかかっていて、閉鎖感もありますね。この曲も、ギターのちょいレトロ風なリフの繰り返しも、とても印象的。ロックはギターのリフ!っていう鉄則を再発見させてくれますね。

07.地獄の影

戸城さんの曲&哲ドラム。この曲、めっちゃカッコいいです。これまた、後期CRAZE感たっぷりで、緊張感も半端ないです。とにかく「カッコいい」の一言かなぁ。戸城さんの曲に、哲のドラム、そして三人の破壊的なロックボーカルボイス。歌詞もロックしてます。「生きてる心地がしない どこに行ったって 流れ弾にブチ当たって 終わらせたいだけ」。希望はないけど、力がみなぎっています。

08.極楽ANGEL (作詞:板谷祐、カタヤマヒロキ、ナオ/作曲:戸城憲夫)

戸城さんの曲(以後、全部戸城さん)。戸城さんがわりと得意としているポップなロックンロールナンバー。今回の曲の中では、一番THE SLUT BANKSっぽい感じかな!? クリーンなギターが片方に入っていて、それがちょっと心地よかったなぁ。あと、歌詞がとにかくヤバい。誰に向けて歌っているのか謎だし、怖い怖い。ただ、地獄だと思えば、わりとすっと理解できる、、、かも!?

09.デストロイヤー

とにかくこの曲は、哲ドラムの最高潮が聴けます。なんだ、このタム炸裂のぶっとんだドラミングは…。金タク氏と哲ちゃんのツインドラムになっているっぽいけど。ここまでやりまくっている哲ドラムは他にないんじゃないかな?? ドラムとシンセ(DIE氏)のコンビネーションもばっちりで、カッコよすぎです。DIEのシンセも存分に味わえます。歌詞も面白い。「いつもやられ役の悪役にも夢や希望がある 頬を伝う今日の涙 導火線と爆薬を濡らしても」って。これがロックの「魂」だよなぁってしみじみ思いました。

10.腐るまで

最後は、地獄のバラードで…。なんとなく、RCサクセションを思い出させるような…。忌野清志郎さんが裏で唄っているんじゃないかなって…。ロックンロールの本質というか、根っこみたいなものが、この曲に込められていて、そこにロックの普遍性みたいなものがあるような…。ま、うんちくはいらないか。最後に、しっとりとこの曲を聴いて、エンドロールへ、と。

***

この数年、「この先、ロックはどうなるんだろう?」という疑問が僕の中にありました。

音楽業界は、色んな意味で岐路に立たされていて、どこにも「出口」がない、みたいな。

世の中は、今や「音楽」でどうこうなる時代でもないし、音楽を純粋に味わう余裕もない感じもします。

また、テクノロジーの発達と共に、音楽以外の「表現の場」もいっぱいあって、わざわざギターやドラムを地味に練習しなくても、自己を表現する場はいくらでもあります。

それに、ロック自体も、成熟していて、幼少期から英才教育を受ける子どもが成長して、ロックを普通にやっている時代です。そこに、「飢え」や「渇き」はなくて、ただひたすらに巧いだけのバンドもいっぱいいます。

ロックスピリットをもったBAD BOYS&GIRLSたちは、ロックを敬遠し、また、育ちのよい英才教育を受けた演奏家がロックを奏でる時代。

そんな時代に、このアルバムが出たこと自体に、大きな意義がある気もします。

もちろん、問答無用に巧いバンドですが、そこにロックの根本にある「魂」がある。

ロックンロールの「巨匠」ともいえる戸城さんならではの作品に仕上がっている。

この作品が、世の中全体に爆発的に広まるとはなかなか考えられないけど、でも、一人でも、二人でも、若い子たちがこれを聴いて、ロックの「魂」を感じて、叫び始めてくれたら、これ以上の「成果」はないかなって思います。

熱い熱い作品でした!!!

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