若手V系の中でもかなり勢いのあるバンド、heidi.
来年はheidi.を中心に動いていきそうな予感。今回のマキシはまさに来年の動きに向けた最初のアプローチとも言えなくもないだろう。先にリリースされたアルバムの雰囲気を保ちつつも、若手らしい勢いを全面に出している。特に「ひゅるり」は勢いもあり、メロディーもあり、疾走感もあり、とても好印象だった。
「シンクロ」はheidi.お得意のレトロでロマンティックな一曲になっている。メリーやムックの世界観に影響を受けているのがよく分かる。だが、それだけに留まっていない。歌謡ロック王道のギターリフは、古くて新しさを感じる。サウンドがV系の王道なので、とても聴きやすい。Bメロの16分になるところなんかは広がりを感じるし、奥行きのある一曲になっている。サビはなんとなくラルクっぽいっていうか、壮大な感じがする。内に篭るインナーな感情と突き抜けようとする開放感が共存しているような一曲になっている。
「ひゅるり」は、とにかく疾走感あふれる気持ちのよい曲。LUNA SEA好きだったら気に入るんじゃないかな?! イントロの出だしはバリバリLUNA SEAだもの。Aメロはナイトメア風?! こういうAメロは大好き。言葉が結構つまっていてメロディアスで抑え気味。サビの突き抜けたメロディーはたまらない。90年V系が好きな人だったら絶対にこっとしてしまうだろう。ルアージュやスリープのあの疾走感がこの曲にはある。
heidi.の魅力は、サウンドだけじゃない。歌詞も魅力的だ。「ひゅるり 冷めた風が吹く中で 僕は笑って歩いていける 誰か僕のこと呼んでくれた? 誰か僕のこと呼んでくれた?」
今年はV系のアンダーグランド界は際立って大きな動きがなかった。昨年から今年にかけて、ややニューカマーの動きが停滞しているように感じる。heidi.には是非頑張ってもらいたい。2008年に飛び出すのはどのバンドか?!