…発売から1か月以上が過ぎてしまった…(しかし、この1か月、超ヘビーローテンションでした!)
現在のTHE SLUT BANKSって、過去最強のような気がする。とにかく凄い。もう「凄い」としかいいようのないバンドになっている気がする。本当にそう思う。
TUSKの声、歌詞、戸城さんの極上メロディーというもともとのウリとは別に、「今」のこのバンドの最大の聴きどころは、Dr.Skeltonと石井さんのツインギターだと思います。問答無用の超絶早弾きギターの初代Dr.Skeltonと、天才的なリフ&フレーズ&アレンジセンスの石井さん、このお二人の「からみ」が、マジでたまらないです。
TUSKの音楽人生の全部を考えても、今のこのバンド編成が一番濃厚な気がします。20年以上、TUSKの声を聴いている僕としては、本当に今、一番いい環境で音楽がやれているんだろうなって想像しますし、この凄腕バンドの音でTUSKの歌が聴けるっていうのは、最高の喜びです。もう、戸城さん、ありがとうって感じ。
このところ、すっかりライブから離れちゃっていますが、ずっとTUSKの歌を聴いて、毎日頑張ってます。というか、この1か月、本当に追い込まれてたんですが、このアルバムを聴いて、勇気づけられました。一時は、「もう、本の原稿、できないんじゃないか」って思うほどでした。苦しくて、毎晩もがいていました。20万字以上の本なんて、これまで書いたことないし、未体験ゾーン。ホントしんどくて、途中で投げ出したくもなりました。「なんで、こんなに苦しんでいるんだろう」とも思いました。でも、そんな時に、僕のケツを叩いてくれたのが、このアルバムでした。またもや、TUSKの歌に助けられてしまいました。
いったい、僕の人生で、何度TUSKに、板谷祐に救われたんだろう。どうして、こうも自分がピンチの時に、彼は歌ってくれるんだろう。今回のアルバムで、僕が一番ヘビーローテーションしたのが、5曲目の『泥沼ダンサー』でした。この曲、好き過ぎて好き過ぎて。。。 この数週間、完璧に、この曲オンリーだったかもっていうくらい。
泥沼の中で踊りたいだけ…
やっかいな現実なんて鼻でわらってやれ
専門学者のウンチクも到底及ばねぇ
http://petitlyrics.com/kashi/864934/
なんか、専門学者のウンチクって心に、ズキッと来たけど。。。でも、この言葉を心に刻んで、学者人生を歩んでいきます。僕もそう思う。学者のウンチクなんて及ばない世界があるってことは。 学問じゃ、世界は解明できない。そうだと思う。でも、学者として、できるだけその「やっかいな現実」に迫っていきたいとも思う。どうにもならないほど追いつめられている人は、TUSKの歌で救われるかもしれない。僕はこの人の歌に何度も救われてきたし、彼はたくさんの人に力と勇気を与えてきている。けど、世の中には、もっとたくさん、やっかいな現実に苦しみ、鼻で笑えない人はいると思います。みんなが、TUSKの歌を聴いて、鼻で笑ってくれればいいんですが、、、
ま、なにをどう書いたところで、僕の考え方の「基」は、このTUSKって人ですからね。きっと一生、彼の思想を引きずって生きていくんだと思います。今も、この人の言葉はすごい研ぎ澄まされています。まー、酒の話が増えてきている気もしますが、、、(汗+苦笑)。。。 今の僕の存在の根っこには、この人がいるんです。それこそ、どんなに優れた学者や専門家の思想が入り込んできたとしても、TUSK=板谷祐は超えられないんです。面白いですよね。ニーチェよりも、カントよりも、ハイデッガーよりも、板谷祐の方が僕にとっては深いんです。
いずれにしても、今のTHE SLUT BANKSは、過去最強。そして、バンドとして最ものっている。そんな気がします。そんな彼らが解き放した新作は、どれもチクロなみ。チクロに続いてドクロですからね。ふふ。
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さて、全曲解説!!
1.二日酔いのラプソティー
SLUTらしいオープニング曲。イントロに入る前のドラムのタドタドタドタンっていうフレーズがさりげなく好き。Aメロのちょっと気持ち悪いアレンジがこれまたツボにはまります。メロディーはシンプルなんだけど、楽器隊の技術が存分に生かされているというか、変というか。単なる8ビートの曲になっていないところが気持ちいいです。サビも、これ、結構複雑になっていまして。メンバー全員が上手くないと、ばらけそうな仕上がりになってます。これをさらっとやっちゃうところが、今のSLUTの力かな、と。歌詞は、まさに二日酔いの辛さを歌ったもの。いろいろあって、酒を浴びるほど呑んで、でも、それでも朝が来て、とりあえず頑張って生きようぜ!って感じ。
2.ACROBATIC MAN
これ、最初聴いた時、なんか微妙な曲だなぁって思ったんですが、聴いているうちに、この曲のプレイの複雑さに酔いしれました。曲自体は超シンプルなパンクロックなんですが、ソロっていうか、インターバルのところが、とにかく聴いていて楽しい。三連符フルで、プログレ色満載。ちょうど1分過ぎたあたりから。1分50秒あたりのツインギターのはもりはもうゾクゾクです。歌は、「アクロバティック」じゃなくて、「アクロバチック」と歌うところがなんともカッコいいです。おじさんみたい(苦笑)。
3.My lullaby
出だしのアルペジオがとてももの悲しい。けれど、イントロが始まると、なんとも行進したくなる感じ(苦笑)。ちょっと穏やかなミドルナンバー。Aメロは、ちょっと不思議なコード(?)のアルペジオにのせてTUSKが歌います。とても温かい歌ですねー。Bメロはどこか常夏気分。サビは、「お前の手を握ったままで」、と優しい歌詞と温かいメロディーになります。この曲は、どこか旅先で聴きたいです、はい。実はこういう曲って、スラットだと珍しいかも?! ちょっと後期ZI:KILLっぽいというかなんというか。ROCKETに入ってもおかしくない(いや。それは言い過ぎかな)。シンプルなロックナンバーです。こういう曲もさらっとやっちゃうところが、今のスラットバンクスなのかな。
4.LOST BOY
これはなんといってもDr.Skeltonのイントロのピロピロリフに尽きるでしょう。勢いたっぷりのスラットナンバー。すごいスラットっぽい。すごいスラットっぽいんだけど、これまでにない感じもする。Dr.Skeltonのギターの質そのものが変わったせいかな。無駄な音が一切なくて、シンプルにできている。昔のスラットなら、もっとノイズっぽい音をたくさん盛り込んでいたはず。それが、今のスラットの「味」なんだと思いますね。うん。きっと純粋なファンなら、「こういうノリがスラットなんだよなー」って思うと思います。音楽フリークとしては、やはり最後まで出てくるピロピロのリフに心奪われますねー。音が綺麗!
5.泥沼ダンサー
もう、この曲に尽きます。今年の僕的ナンバーワンソングですね。この2012年に出会った曲の中で一番好き(になると思う)。曲も歌詞もメロディーも演奏も大好き。これ以上はないっていうくらい。イントロからもうキテます。もう、イケイケナンバーそのもの。TUSKにしか書けない歌詞。TUSKらしい歌詞。なんかね、上から何かを語るんじゃなくて、一番下から声を上げている感じがする。底辺からの声、というか。ある種、貧困からの声、というか。弱者のためにとか、底辺のためにとか、そういうんじゃない。そのままどん底からの叫び、というか。TUSKというアーチストはそういう人なんだなぁってつくづく思いました。最近のロックはみんな、品が良すぎ。底辺を感じない。そんなのロックじゃない。本当にそう思う。恵まれた人間が余暇でやっているようなロックばかりだ。そういう人間からすれば、この曲はちっとも共感しないだろうなって思う。ロックってそうじゃねーだろ、って強く思います。
6.綺麗な悪戯-Alternative Version
これは、もうスラットバンクスメンバーのお楽しみですね。曲自体としては、前作のバージョンの方がいい。でも、メンバー的には、こっちの方が演奏楽しいだろうな、って思います。まさにオルタナな感じ。ちょっとプログレも入っているような。なので、この曲は、ボーナストラック的に捉えればいいかな、と。そういう遊び心を忘れていないのが、このスラットバンクスかな、とも。面白い曲です。バンドマン的に。2分40秒くらいのところの演奏が楽しそう。3分あたりからのギターなんて、もう遊び放題。でも、すごいスラットっぽいとも思う。大人のロックですね☆
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10月は、もうずっとこのアルバムばかり聴いていました。改めて、このバンドが好きなんだなって思いました。TUSKの音楽人生の中でも、一番のっているかも?!って思うくらいに。
ただ、欲を言えば、「もっともっとスラットの曲が聴きたい!」、それに尽きます(苦笑)。もっともっとスラットバンクスの世界を楽しみたいし、堪能したいし、泳ぎたい。5人体制になったスラットはもうかっこよ過ぎで、困ります。お願いですから、もっともっと新譜を出してください(苦笑)。もう、ただのファンの要求になっていますね。いいんです。スラットバンクスのファンですから。TUSKと他4人じゃないんです。この5人のスラットバンクスが大好きなんです。
チクロ、ドクロと来て、次は何なんでしょうね?! でも、きっと全く違ったタイトルになるのかな。次は、バクロ? ミクロ? メガロ? …やめましょう。不毛すぎます。。
そして、またまた12月に千葉の稲毛に来てくれます!! 嬉しいなぁ!!
一生好きです。一生応援します。一生愛します。