最近、フールズメイトなどV系専門雑誌にちらほら紹介されつつあるギロのファースト音源を購入した。
ギロは、Vo.大悟、G.臣、B.とし、Dr.あくの四人組。HPの写真を見る限り、まだまだとっても若そう。バンド名は、今風で、メリーインスパイア系と言っていいかな。一応、ネオV系に属する、と考えていいだろう。いったいどんなバンドなのか。
基本的には、ヘビーなギターをヒューチャリングした暗いV系ロックバンドであった。わずか3曲なので、この音源だけでギロを語ることはできないであろうが、全体的な雰囲気としては、やはりメリーインスパイア系と言ってよさそうだ。初期メリーのような破天荒な感じはある。Vo.の歌唱力不足がちょっと耳に残る。まあ、ファーストなので、この辺は目をつぶろう。演奏力もまだまだという感が否めないが、色んな音楽ジャンルの要素を貪欲に取り入れようとしているところは素晴らしいと思う。ジャズやメタルやフュージョンやビートロックの要素がところどころにちりばめられている。
1の黒い猫は、怪しげで寂しげなジャジーなイントロで幕を開ける。Bメロのブレイクも聴いていて面白い。これでボーカルの歌唱力が増したら面白い楽曲になりそう。サビは、あまり突き抜けた感じではないが、逆に淡々としていて、それが悪くない。バックのサウンドの情熱と引きかえに、淡々としていて無機質な歌、っていうのは新しいかも(ただ、やはり歌の最初の音が・・・) 2の廃人のサーカスは、ハイテンポなV系ロック。ちょっとしたシャッフルが心地よい。この曲だとVoのピッチの弱さは気にならない。むしろ、こういう感じの曲を一発目にもってきたほうがよかったような・・ ライブだと結構盛り上がりそうだ。サビは結構メロディアスだ。3の僕から君へは、これまでの2曲の雰囲気とは全く違って、ポップなVロック。
コンセプトやサウンドは悪くない。歌詞も全然悪くない。作曲もセンスがキラリ光る。Vo.の声質も潜在的にはとても高い。なので、まずは演奏力の基礎をしっかり磨いて欲しいと思った。(あるいは、音作りに長けているプロデューサーを見つけるか・・・) いずれにしても、目指す方向性はかなり良いと思うので、個々のプレイのレベルアップを図ってもらいたい。ジャケットの黒い猫もとってもいい雰囲気だった。これから応援したいと思うバンドである。