僕はお酒が好きで、
必ずといっていいほど、
夜にお酒を飲む。
(弱いので、量は少ないけど)
そのせいもあって、
朝方早い時間にいつもきまってトイレに行く。
普段はトイレに行ったらすぐまた眠りにつくのだが、
今日はちょっと違った。
トイレから部屋に戻ったら、
ふとメロディーが浮かんできた。
「溺れるなら ナルシスの様に・・・」
「欲しいものは心のいない体・・・」
すぐにBUCK-TICKだと分かった。
タイトルも「ナルシス」だと分かった。
時代的に「狂った太陽」の頃だとも分かった。
しかし・・・
アルバム「狂った太陽」の中に収録されていない・・・
ひとりでに曲と変なギターが流れ出す。
僕はその時代辺りのアルバムを全部調べてみた。
「殺しの調べ」も。
でも、どこにも「ナルシス」がない。
仕方なく、「狂った太陽」を聴いて眠りにつこうとするのだが、
「ナルシス」が頭から離れない。
眠気は覚めてしまい、なかなか寝付けない。
「ナルシスはどこだ?!」
頭の中で、悲鳴に近い叫び声をあげてみる。
でも、全然分からない。
途方に暮れて、困り果て、
考えることに疲れ、呆然と布団の中にうずくまった。
「独りこのまま 鏡だけに愛を打ち明ける」
「愛しているのは自分だけさ」
「裸で踊るのさ」
どうしてこの曲があの時鳴り響いたのかは分からない。
最近聴いた覚えもない。
でも、たしかにナルシスが流れてきた。
僕の意識の奥で「ナルシス」が自ら鳴り始めたのだ。
最近BUCK-TICK病に近い病気にかかっているが、
(BUCK-TICKブームは僕の中で数年に一度必ず来る)
こういう経験は初めてだった。
朝、目を覚ますともうナルシスは鳴っていなかった。
そして、思い出した。
シングルの「スピード」のカップリング曲だったことに。
BUCK-TICKアイテム(オリジナル作品)はすべて
買っているので、すぐに見つかった。
今の時代でも全然古さを感じさせない曲になっていて、
妖しすぎるギターの音は今も新鮮な刺激を耳に与えてくれる。
「踊れるなら 呪われた様に」
「溺れるなら ナルシスの様に」
どうやら今の僕はBUCK-TICKに呪われているようだ。
<!-- ナルシス -->