真面目にやっているドラマーなら誰もが知っている名ドラマー、菅沼孝三さんのドラムクリニックに行ってきた。
菅沼さんは「手数王」と呼ばれていて、日本で最も手数の多いドラマーとして活躍している。正直、まだビギナーの僕には、いったい何をどう叩いているのかさえ分からないくらいに、複雑なドラムをガンガンに叩く。
大阪人なので、菅沼さんは(意外にも)とてもユニークで気さくな感じの人だった。イメージ的には堅くて堅実で真面目で厳しそうな人だったけど、実際にはとても明るくて、気さくで、軽やかな人だった。ジャズ系出身だったはずだが、意外にも最近はメタル方面の仕事が多いそうだ(今度、ラウドネスの代打としてライブに参戦するんだとか)
菅沼さんは、ただドラムが巧いだけじゃない。見せ方としても超一流。スティックまわしは序の口、奇妙なドラミング、不思議なスティック奏法、目を奪われるような鮮やかなプレイ、すべてがかっこよくて、一つ一つの音が明確で、すごく心地よい音を奏でていた。
そんな菅沼さんが教えてくれたこと。
●ドラマーの基本はなんといってもリズムをしっかり守ること。いわゆる「タメ」というのは、ただ「もたっている」だけ。早すぎても遅すぎてもダメ。ジャストで叩く、そのために基本的な練習をしっかりすること。(ドラムの基本は、とにかくしっかりリズムをしっかりと作っていくこと、何度もこの点を力説していた!)
●アクセントは絶対に大事。難しいことをするにしても、しっかり基本となるアクセントができていなければ話にならない。それを三連でやったり、六連でやったりして、どんどん早くしていく。*また装飾の話もあった。
●ツーバスは腰に負担がかかりすぎる。早く叩きたいなら、まずゆっくりと丁寧に叩くように練習をして、徐々に早くしていくこと。ダブルストロークも同じ。ゆっくり丁寧に出来ない人は早くきちんと叩けるようになることはない。
●スティックを握るときは、まず親指と人差し指(ないしは中指)で。人差し指を動かしてスティックを動かす。それ以外は添える程度で。
まだまだいろんなことを話してくれた。ドラムクリニックはなんと2時間半くらい行われた。
参加していたお客さんもほぼ100パーセントドラマーだった。ドラム歴10年クラスの中級~上級ドラマーも多くいて、僕みたいなビギナーレベルの人にはちと場違いな感じだった。ま、10年なんていったら、大した年数じゃないんだが、それでも、2年目の僕とは大きな違いがある。
でも、日本で最もハイレベルのドラマーのドラムクリニックに参加できてとてもよかった。一緒に行ったドラムスクールの先輩H君が声をかけてくれたからこその参加だった。H君、ありがとう!!