Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

愛着とケアリング-Attachment and caring

決めた。

今年の某学会の発表テーマ。(で、学会論文にする)

これしかない。愛着とケアリングだ。愛着は、心理学特有の概念であり、実践研究の背後に大きく作用しているキー概念だ。ボウルビィという心理学者の概念で、心理学、教育学、保育学、養護論なんかの「必殺概念」だ。

この概念に、ケアリングをぶつけてみる、というのが今回のテーマ。ケアリングは、僕の一つの大きな問題関心の一つで、こちらも、教育学、心理学、社会福祉などのキー概念になりつつある。ただ、心理学ではあまり話題になっていないところが、愛着と異なっている。

すごく似ているような気もするし、違う気もする。愛着とケアリングは、どちらも「人間形成」において、非常に重要なことを言っていると思うけど、視点というか、見方というか、根本的な立ち位置が違う気がする。

すっかり「学問的自明性」を獲得した「愛着理論」に、ケアリングをぶつけてみると、どうなるのか。この二つの概念を対峙させて、どちらに分があるのか。両者の概念の問題性はどこにあるのか。心理学にどのような提言ができるのか。また、教育学的にどんな意味が見えてくるのか。

これは実に興味深い。

英語的には、「Attachment and Caring」。
かっこいい♪

愛着理論は、ウィキペディアでも項目の一つに挙げられている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E7%9D%80%E7%90%86%E8%AB%96

ケアリングは、心理学を経由していないけれど、心理学に問題を提起することはできる。もっと言えば、心理学の方法論や研究に申し立てをすることができる。もしかしたら、すっかり使い古された「愛着」を新たな視点で語り得るかもしれない。

理論的には、かなり言い尽くされた感のある「愛着」だが、現場では、その「愛着形成」をめぐって、日々格闘が繰り広げられている。愛着も愛情も、今日クリアされた課題というよりは、ますますその欠乏が目立ってきているようにも思える。そこに「家族の解体」も加わって、事態はより深刻になってきているようにも思える。

赤ちゃんポストの理論にも、こうした観点は欠かせない。幼少期の子どもと親(母親)との愛着が問題となればなるほど、ますます赤ちゃんポスト~母子支援は緊急の課題となるだろう。ある種、赤ちゃんポストの議論を活性化させるためには、愛着とケアリングの議論が欠かせない。

しかし、研究の蓄積がかなり膨大なだけに、愛着を語るためには相当の勉強をしなきゃならないな、、、と。

これから、半年くらい、この問題に深くコミットしていきたいと思う。

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