この雑誌は、おそらく超マニアックな自主制作雑誌だったのだろう。ものすごくアマチュア的な雑誌で、手作り!っていう感じが強く伝わってくる。
表紙を見てみると、「Coming Soon! Hard Shock 90」と書いてある。僕の説だとヴィジュアル系は92年にヴィジュアル系という言葉が誕生したことになるが、その説を裏付けると共に、ヴィジュアル系という概念の誕生の源泉を知ることができる。
もともと、この時代、ロック界では、「~Shock」と明記することを好む傾向があった。上の雑誌は、ジャパニーズ・ヘビーメタル/ハードロックの専門誌なので、「ハードショック」となる。visualという言葉は確かにXジャパンのスローガンに由来しているとは思うが、visual shockという言葉自体は、当時の言語感覚からすれば、かなり自然なものだったのかもしれない。
hard shock, heavy shock, metal shock, beat shockなどなど。これらの言葉がどのようなシチュエーションで使用されていたかは不明だが、こうした言語感覚は特別なものではなく、同時代的なものだったのだろう。見た目に関して、Xは相当のこだわりを持っていた。わざわざ髪の毛を逆立てて、毎回ライブをやっていた。visualという言葉も、きっとなんとなしに使用されたのではないか、と思われる。
「visual系」という用語は、確かにX japanのスローガンが基となり、ルナシーの時代において初めて使用された言葉ではあるが、それに先立つ現象として、「~shock」というネーミングの傾向が当時あった、ということは念頭に入れておきたい。
表紙の左下は何気にLADIES ROOM♪(今の若いV系キッズたちってレディースルーム知っているのかな?! すごい偉大なバンドだったんだけどな・・・)
*この雑誌の5ページ目に、われらがZi:killの記事が載っていました。すごいレアな記事内容だけど、ファンとしては嬉しいものだった。ペニーレインって札幌のライブハウスだったっけかな?!