千葉市は実は広いです。
そして、若葉区もまた実に広いんです。
単純に比較はできないけど、市原市に似てるかも。JR路線は賑やかだけど、そこを離れると本当に静かで自然豊かというか。
そんな若葉区の奥の奥、八街市との境にひっそりと佇んでいる日本レストランがこちらの「宮本」です。
http://blog.goo.ne.jp/sehensucht/e/b25dc2ad1edb73c564b8b455ff2d368f
店主さんのブログも、何気にgooなんですよねー。
すごい勉強になるブログです!
http://blog.goo.ne.jp/nekoga_ote
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ところで、こちらのお店、「日本料理宮本」となっています。
ドイツ語にすると、Japanische Küche Miyamoto となります。
ふと考えると、「日本料理」を提供する小さな個人店って、どこにあるんだろう?、と疑問が湧いてきました。
日本料理店は、だいたいホテルにはあります。デパートのレストラン街にもあるところにはあります。でも、ラーメン屋さんやお蕎麦屋さんみたいに、町中の個人店としてやっているお店って、どれだけあるんだろう?
千葉には、一幸という系列店が町中にあります。
http://www.ichiko-susi.com/
ただ、一幸は個人店じゃない。千葉内に15店舗はある。しかも、お寿司がメインのお店だ。
「寿司屋」ではない、「日本料理」をメインにした町の個人店(一店舗のみ)のお店って、実はそんなに多くない?!
この宮本は、まさにそういうお店なんですね。
考えると、極めて珍しいお店なんじゃないか、と。
(包丁人味平のお父さんがかつて失敗した個人店に近い雰囲気?←マニアック?!)
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さて、こちらの昼のコースは、2800円のと、1800円の二種があります。
今回は2800円コース♪
まずは、「先付」。
旬の食材を使ったシンプルかつ味わい深い逸品だった。
味わいの複雑さに、改めて驚かされた。「しょっぱい」「あまい」「からい」「酸っぱい」「旨い」といった表記では示せない味わい。
素材の良さもあるんだろうけど、そこに加わる和のテイスト。
そして、「お造り」こと「向付」。
最近、ようやく心からお刺身の美味しさに気づかされています。肉もいいけど、魚のふくよかな食感は他にないです。
醤油のほかに、ゴマダレがあって、二つの味を楽しむことができます。わかめが抜群に美味しかった。
そして、こちらがメインとなる「焼き物」? あるいは「八寸」?
魚とお肉です。すだちがいいアクセントになっています。
魚はカレイ。お肉は豚肉。鴨肉っぽいヴィジュアルでした。
ドイツに行くと、鴨肉を一杯食べますので、少し嬉しいヴィジュアルでした。
メイン2?の天ぷら。
天ぷらを食べると、「日本人でよかった」と心から思えてきます。
そして、作るのがとても難しいのもまた、天ぷらです。なかなかサクサクっとした天ぷらってできないんですよね、、、
こちらの天ぷらはもう極上そのもの。特製塩でいただきます。
ここからがクライマックス。「進肴」?
和え物、酢の物の一式でございます。これが実は僕の一番の楽しみでして。
お漬け物に関しては、もう市販のものが薄っぺらく感じるぐらいに深~い味わい。
とどめは、宮本最大の自慢の一品である釜で作った炊き込みご飯。
今回は、「秋刀魚の炊き込みご飯」。
これ、凄いです。秋刀魚がたっぷり入った上品かつかなり魚の風味の強い炊き込みご飯でした。
この炊き加減が絶妙すぎるくらいに絶妙でして。妙に水っぽくない。食感がいいんです。
変な言い方ですけど、日本の市販の炊飯器で炊くのとは明らかに違う食感。
昔、「飯盒」でお米をよく食べていたんですけど、そういう感じ?! 妙にねばっこくないというか。
さすがです。
こちらの炊き込みご飯は、とてもじゃないけど、食べきれないくらいに作ってもらえます。
が、あまったら、お持ち帰りさせてもらえるんです。最後まで気の利いたサービスなんです。
最後に、「果物(水物)」。
これまた油やら乳やらを多用した欧州の「デザート」とは大違い。
味も複雑ですし、また、見た目的な美しさも尋常ではないです。なんだろう?
欧州のデザートよりも、明らかに芸術性が高い気がするんですよね。色合いかな?!
(欧州のデザートはなんていうかゴシック様式的なけばけばしさはあるんだけど、日本的美ではない、という意味)
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繊細さと複雑さと少しの物悲しさのある日本料理、という感じですかね。
最近になってようやく、「日本料理って何なんだ?」という問いが生まれてきました。宮本の店主さんにお話を伺うと、「居酒屋の料理は、実は様々な日本料理から成り立っているので、居酒屋の一品料理の中に実は本当に美味しい日本料理がある」、ということを教えていただきました。
い、い、居酒屋ですか?!?!(汗)
これまた、僕に新たな宿題を、、、汗汗汗
たしかに、各料理を見ていくと、単品としてどれもあるもの、といえば、あるもの。それを美しく並べたものがこのコース料理。
ということは、やはり居酒屋にこそ、真の素朴かつ庶民的な日本料理がある、ってことなのか?!