元蜉蝣の大祐と元DEAD MANのaieを中心に昨年結成されたNEWバンド。業界の注目度も高く、今後の活動が期待されている。今月から三ヶ月連続リリースしていく。アルバムのリリースも決定していて、今年はきっと暴れまわることになるだろう。僕としてもすごく期待している。
昨年以降、実際のところ、V系バンドの勢いは停滞しているように見える。マスコミや世間では「ネオ・ヴィジュアル系」と言って話題にしているし、テレビの番組も登場した。夏にはNHKで特番も放送された。音楽雑誌はV系がほぼ制圧していると言っても過言じゃない。でも、ガゼットやアリスナインなどのデビュー以降、実はとても厳しい状況にあるのではないか、と思う。でも、それはバンドがダメなんじゃなくて、音楽そのもののファン離れに起因しているのではないか。実際、タワレコなんかにいって音楽雑誌を見回してみても、どのジャンルの音楽もとても厳しいと思わざるを得ない。音楽(とりわけ大衆音楽)の代わりとなるものがいったい何なのかは分からないが、今の若者にとっての音楽は、僕らのころの音楽とは、その存在様式において全然違ってきているのではないか?(僕はいわゆる若者との接触が多いから、これはすごく痛感するのだ。今の若者は音楽をそれほど重要視していない!)
そのファン離れを防ぎ、再び音楽に若者をひきつけるためには、やはり音楽で勝負するしかない。the studsのニューシングルを聴きながら、こんなことを考えた。
さて、「虹の色」。フールズメイトでaieが言っているように、「王道のシングル」となるような疾走感あふれるメランコリックなポップチューンに仕上がっていた。それほど歪んでいないギターの音から窺えるように、聴きやすいメジャーの世界観あふれる極上の一曲だ。大祐の歌そのものは蜉蝣の時とそれほど変わらないが、演奏的にはすごく聴きやすくなっている。二曲目の「嘆く赤色」なんかもやっぱりすごく聴きやすい。Aメロなんかは歌謡曲なみに心地よく聴ける。
the studsは、インディーズバンドで留まるのではなく、メジャーで暴れまわろうとしているように思う。完成度も高いし、ポピュラリティーもある。バンドの演奏として、あまり奇をてらっていないのも、ポピュラリティーゆえだろう。「灼熱は零度」も、ただの捨て曲になってはおらず、とても力の入ったメロウな一曲になっている。
僕はこのバンドには期待している。っていうか、この三曲を聴いてますます期待値が高くなった。キャリアも経験も十分あるメンバーだけに、ファンの目も厳しいだろうけど、それを凌駕して欲しいと思う。V系全体にとって、2007年はある意味不作に終わった年とも言える。往年の伝説的なバンドの劇的な復活はあったものの、若手はあまり育たなかった。もちろんいいバンドはたくさん出ている。けれど、それを底上げすることができなかった。
僕的には、94年~95年の頃の状況に似ているのかな、と思う。第一世代~第二世代に移行するときの頃のような静けさがあるように思う。ただし! 時代は大きく変わった。若者たちは音楽ではない別のものに目を向けている。また、ネットの普及により、自分たちが皆ネットというステージにあがるようになり、受身的に向こうからのメッセージを受け取らなくなってきた。かつては送り手と受け手の関係がしっかり固定されていたが、今は受け手が受け手であることに留まらなくなってしまった。
こうした状況の中で、どのようにアーチスト側が仕掛けていくかは、まさにバンドマンやプロダクションなどの力にかかっている。V系を心から応援しているkeiとしては、今後V系がどのような展開を見せていくのか、期待と不安が入り混じっている。でも、すごくワクワクしている。V系の基本は「美しくてカッコよくて衝撃的であること」。美しさもあるが、まずはカッコよくないといけない。the studsは(僕の直感に過ぎないが)カッコいいバンドだと思う。頑張ってほしい!