Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

ウィーン滞在覚書

ウィーン滞在覚書

2年ぶりのウィーン! ウィーンは雪に包まれていて、すごくロマンティックな雰囲気です。粉雪が心地よくて、思わず吸い込まれそうになるくらいにしんしんと雪が降っています。ほんと素敵です!!

幼稚園訪問

ウィーンの公立幼稚園(Kindergarden)に行った。日本の幼稚園と違って、0歳から10歳までの子どもを預かるのが幼稚園で、保育園との違いはあまりない。小学生が幼稚園に通う、というのはなかなか理解することができないだろう。だが、こちらではそういう施設になっている。今回訪問した幼稚園には、4つのグループ(クラスとはいわない)があって、0歳から3歳までのグループ、3歳から6歳までのグループ、3歳から10歳までのグループ、6歳から10歳までのグループに分かれていた。1グループ、15人くらいで、教師1,2名とアシスタント1名が配置されていた。それぞれのクラスが独立していて、それぞれに個々の特徴があった。

幼稚園ではあるが、最大限に家庭の雰囲気を作り上げていた。それぞれの部屋にミニチュアのキッチンやダイニングやリビングがある。食卓もあって、なんと朝ごはんが7時半から10時まで自由に食べることができるのだ。ホテルみたいな感じになっていて、パンやチーズやハムが置いてあった。子どもたちは10時までならいつでも自由にパンを食べることができるのだ。部屋も教室とは全然違う雰囲気で、家みたいな感じになっていた。ドイツやスイスの幼稚園よりもより家庭っぽい感じになっていて、先生も非常に自由にやっている感じだった。

驚いたのは、先生が絵本を読んでいるときの子どもたちの様子だった。子どもたちは、絵本の前で丸くなって、思い思いの姿勢で聞いていた。机の上に靴のまま寝そべって聞いている子どもが多く、それに対して先生はなにも注意をしないのだ。家と同じような感じで聞いてもらって結構、とでもいうかのように、子どもたちは思い思いの姿勢でお話を聞いていた。日本だったら、「ちゃんと姿勢を正して聞きなさい」と注意することだろう。だが、こちらでは「聞くことが大事」という方針があるので、子どもたちが集中して聞いていれば、どんな姿勢であってもかまわない、ということのようだった。

それから驚いたのが、ウィーンの幼稚園にはピアノがないのだ。本当にないのだ。幼稚園と言えば、ピアノ、という固定観念が日本にはあるが、音楽の都、ウィーンにはピアノがない。その代りに、ギターがあった。どの教室にもギターがある。先生たちもみんなギターが弾けるそうだ。子どもたちと歌を歌うときは、必ずギターを使うらしい。なぜピアノを使わないのか、と尋ねると、先生たちは、「え、だって、ここはキンダーガーデンですよ。お庭って入っているじゃないですか。お庭にピアノはもっていけない。いつでもどこでも弾けるギターのほうがいいじゃないですか。キンダーガーデンにはピアノはいりません。お庭にピアノをもっていったら変でしょ。」、と笑って話してくれた。また、「子どもたちが望むなら、打楽器をたくさん使います。太鼓とかグラスとか音がでるものなら何でもOKです。みんなで音を出すことが一番大切なんです」、と。音楽の都ウィーンの幼稚園には、ピアノが使われていない。これには驚いた。どうして日本ではピアノがあれほどまでに幼稚園で使われているのか、わからなくなった。そういえば、スイスの幼稚園でもやはりギターや打楽器が使われていた。たしかに「子どもの庭」にはピアノはいらないかもしれないなぁ。

幼稚園の先生にアシスタントがいるっていうのも驚きだった。先生よりも年上のアシスタントもいるし、若いアシスタントもいる。どちらであっても、先生の補助をするのがアシスタントの仕事だ。アシスタントは保育の補助のみならず、掃除や配膳などを率先して行う。だから、先生は子どもたちの教育・保育に集中することができる。こっちではちゃんと先生の地位が確立しているのだ。うらやましい限りだ。

幼稚園のシステムとしては、午前保育と、時間保育と、全日保育の三つがあって、それぞれ親のニーズに合わせて選ぶことができる。小学生は、学校が終わる1時ころから幼稚園で過ごすことになる。学童保育とは別だが、学童保育的な活動も行っている。もちろんグループは異年齢集団になっていて、5歳の子と10歳の子が一緒の部屋にいることもあるのだ。

老人ホーム

現在スザンネさんが所長を務める老人ホームに訪問した。キリスト教系の老人ホームで、70人ほどの老人がここで暮らしている。ヘルパーの数は50人くらいで、看護師もいる。老人ホームの様子は日本とそれほど違わなかったなぁ。チャペルがあったのがなるほどという感じだが、それ以外はあまり日本の老人ホームと違う感じはしなかった。

でも、幼稚園とは逆に、お年寄りの方に大歓迎してもらえた。人生の最後を迎える老人たちにとっては、かなりの刺激になったみたいで、たくさんのお年寄りの方がわれわれ外国人に近寄ってきてくれた。うちの学生の一人がドイツ語で歌を歌い、二人がピアノを弾いたが、お年寄りの方たちはかなり真剣に演奏を聴いてくれた。

そして、最後に女性の高齢の方が学生たちのところに来て、ひとりひとりと握手を交わした。「ありがとう、素敵だったわ」とつぶやきながら。そして、「あなたたちは若くてかわいいお嬢さんたちだわ。だからこそ、注意しなければならないの。若いときは理性があまり働かなくて、いろんな失敗をしてしまうものなの。年をとれば、おのずと理性的になるわ。でも、若いうちはダメ。だから、ちゃんと注意して生きていくのよ、いい?」と話してくれたのだ。それから、「私はうまく話をすることができないの。辛いわ。でも、ちゃんと感じることはできるの。今日はすごく楽しかった」と言ってくれたのだ。学生たちもこの言葉に感動したみたいで、ダンケダンケとつぶやいていた。

お昼ごはんはこの老人ホームで。6ユーロでこのボリューム。ちゃんとシェフがいて、しっかりとした料理を作っていた。美味しかった。こっちでは薄味だが、僕らには十分しっかりと味が感じられる。(こっちの料理はホントどこも濃いから)

夜は、おなじみHONOBONO亭に向かった。久々にHONOBONO亭に行って、ラーメンを食べた。今回は、ねぎチャーシュー塩ラーメンと坦々麺を二杯食べてしまった。2年ぶりだったが、相変わらず欧州トップクラスのラーメン店のラーメンって感じだった。自家製の麺、手作りチャーシュー、ほんとすごいなぁ、、、と。坦々麺は超面白かった。坦々麺って感じが全然しなくて、オリジナルの辛いラーメンになっていた。これにはビビった。(これについては別記事で♪)

すごく濃くて、熱い1日だったなぁ。。。
学生たちも夜はすっかりバテバテだった。

ウィーン3日目の午前中に、教育学専門の本屋さんに行った。そうしたら、2年前にもお世話になったおばちゃんがいて、「あなた、2年前にも来たわよね。あと4年くらい前にも来たわよね。規則的にちゃんと二年毎に来てるじゃない。今度は二年後に来るのかしら」と言ってくれた。覚えてくれていたんだ?!(ま、そうだろうな。いつも3時間くらいいるんだから・・・) で、前回同様、本を見ていたら、コーヒーをもってきてくれた。こういうサービスはウィーンでもここだけだろうな。今回は自家製のケーキももってきてくれた。うれしい限りだった。

コメント一覧

haru
ちょっと理性的になり過ぎてる自分が嫌な時もありますが(苦笑)

でも、若い時は失敗しないと!
乗り越え方もわからないし♪

まだまだ私も子供ですが。
kei先生より年下ですからね。

私は失敗を続けると思う。試行錯誤しながら。
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