ちょっと久々(のような気がする)! メリーのニューマキシシングルが本日リリースとなった。音源としてはかなりご無沙汰していたような・・・
もうそろそろ、メリーも「ヒット曲」がほしいところ。毎回、考え抜かれたいい曲がリリースされるのだが、どうもぱっとしない。全体的に地味っていうのもあるけど、本質的には歌がぱっとしない、っていうか、突き抜けていないっていうか、、、 すごく微妙な感じがあった(ホント、いい曲なんだけど・・・)
本作は、これまでのちょっとまったりモードから一転、かなりハードでスピーディーで疾走感のある楽曲がぎゅっとつまっている!
1.閉ざされた楽園
ちょっと意外な出だしにビックリ。イントロはめっちゃ跳ねてる感じ。メリーっぽさを感じつつも、なんか新鮮でかっこいい。Aメロはちょっと抑え目かな。Bメロで少しずつ盛り上がっていき、サビでスパークする。Neroの高速ドラミングが聴きどころかな。ホントいいドラマーだなぁ~と。もちろんガラのなんともいえない旨味のある声も最高。新しいメリー像がはっきりと映し出されている一曲だと思うな。曲の展開も結構ユニークで聴き飽きない。ちょこっとBUCK-TICKっぽい感じもしなくもないのは気のせい!?しかしなんといっても、この曲の魅力は、これまでのメリーからは想像できないほどに開放的な感じがするところかな。
2.喜劇のタブー
ちょっと不協和音チックなノイズギターではじまり、イントロは超高速ビート。しかし、ただのスピードポップに終わらないところがメリーらしい。Aメロは結構ねっちりしている。Bメロは少しGLAYっぽい!? いや、やっぱりメリーかな(汗)。B2のベースラインは聴きどころだろう。ツインギターのからみもかなりCOOL。勢いがあり、パワーがあり、バンドとしてのグルーブもあり、かなりユニークな一曲になっていると思う。大サビは1と同様、新しいメリーっぽさをもろに感じるようなメロディーになっている。バルザックの影響もあるのかな!?
3.ト・ロ・ケ・テ・ル
これは限定盤にしか収録されていない曲。タイトルからも少し分かるように、これまでのメリーっぽさを残した曲。テケテケリズムがすごく心地よい。ちょっとスラットバンクスっぽく聴こえるのは、僕の気のせいじゃなさそうだ。Aメロ以降もかなりスラットバンクスだ・・・ めっちゃ妖しくて激しくてテケテケで、、、 途中のギターとベースのリエゾンはスラットファン必聴だ! もしかしたらあの曲に似すぎていて、むかっとくる人もいるかも。でも、まさかメリーでスラットバンクスっぽい曲が聴けるとは思わなかったので、大感激だったな。
このマキシは、確かに新生メリーの断面をしっかりと映した重要アイテムになること、間違いなしだと思う。懸命に現状を打破し、つき抜けようと模索を続けているメリーの会心の一作だ。
ただ結成当時(はいからさん以前)からメリーに注目しているkeiとしては、少々気になる点がある。
①かつてに比べて、サビのつき抜け感が弱くなっている。なんとか「既存の曲にないメロディーライン」を考案しているのはすごく伝わってくるが、いかんせんサビのインパクトが弱い。
②彼らのコンセプトである「レトロック」の良さがあまり反映されていないような気がする。もちろん音楽の志向性はどんどん変わっていくし、バンドの楽曲のイメージもそのつど変わっていっていいと思う。けれど、どこかメリーの意向とは違う方向に進んでいるような気もしなくもない。
サウンドや演奏技術という点では(巧い下手を問わず)問題ない。曲のセンスも抜群だし、ガラの声も卓越している。ただ「何か」が欠けているように思うのだ。でも、それはすぐに答えの出るようなものではない。きっとメリーが地道にしっかり活動を続けていれば、いつか出てくるような答えなのだと思う。メリー大好き人間として、今後もずっと彼らの音楽を聴き続けていきたい。