ある意味で、この2014年、千葉で最も話題となった新店です。
めんやそうめい。
まず、石神さんが校長を務める「食の道場」出身ということで、話題になっています。
今年の千葉の新店は、この食の道場出身の方がとても多いです。そういう意味で、今年の千葉は、「食の道場出身者の新店ラッシュの一年」、となりそうです。そういえば、千葉には、他にも昔からやっている「ラーメンの塾」がありましたね。
さすがは千葉(苦笑)。
それともう一点、このお店の店主さんは、「バツ2のシングルマザー」の女性店主さんということで、テレビでも取り上げられたそうです。
個人的には、シングルマザーを応援する立場なので、応援したいと思います。本当に大変だと思いますが、しっかりとやれば、十分に子どもを育てられる仕事だと思いますし、軌道に乗って、下の人間を育てれば、時間的に(もしかしたら)余裕が出てくるかもしれません。シングルマザーが働ける場所は本当に限られていますし、よほどの才能や職能、あるいは資格等がなければ、非正規雇用の職とかしかありません。
このお店は、これからの「シングルマザーの一つの選択肢」を提示できるかどうかの試金石となるとも思います。(店主さん自身は、なんとも既に3人のお孫さんがいるとか?!(こちら) ホント?!) 子どもじゃなくて?!?!
どちらでもよいです。いずれにせよ、、、
僕もかつて、苦境に立たされたシングルマザー等が生きるための道として、ラーメン店主への道を薦めたことがあります。
ゆえに、めんやそうめいの店主さんが、この先、どうなっていくのかで、また「未来」が変わってくるのかな、と。
だから、非常にあれなのですが、あえて、厳しく書かせていただきたいと思います。店主さんが見てくれることを期待しつつ。
悪意は1%もありません。ただ、頑張ってほしいので。。。
メニューはこんな感じです。イマドキな感じですね。
選び抜かれた感じはしますが、新しさは感じません。それから、この店らしさみたいなものも見えてきません。
二人で来たので、看板となる二つのラーメンを頂きました。
こちらは、煮干系の清湯スープ+背脂という「煮干ラーメン」。
煮干+背脂の「必勝コンビネーション」ですね。さすがに美味しいです。いい出来栄えです。食の道場出身ということで、おそらくは人気ラーメン店の「技法」を学んだのでしょう。それを忠実に再現していました。
ある意味で、非の打ちどころのない見事な背脂煮干ラーメン。
…なのですが、、、
色々とネットで記事を見ても、やはり思うところは一つで、「イマドキ」、「ありがち」、なんですよね。そして、スタートラインから「完璧」すぎる。
特に千葉は、背脂ラーメンも煮干ラーメンも人気があります。だから、ある意味で失敗もなさそうです。
が、食べていて、何も感じません。何も響いてきません。前情報がありすぎたせいもありますが…。
きっとこの印象は僕だけのものじゃないと思います。
「このお店らしさ」みたいなものが何も感じられない、というか。それは、他で食べた食の道場出身のお店にも共通します。
技術は素晴らしい(んだと思います)。
でも…
という感じです。
某人気ブログの記事で、「機会があれば「中華そば」も是非いただきたいです」、というコメントがありました。この「機会があれば」、という言葉に、その全てが込められていると思います。そうなんです。機会があれば、いただきたい、そういう感じなのです。
このブログではあまり厳しい言葉は書かないようにしていますが、今回はあえて書きます。
僕も、機会があれば、食べてもいいかな、と。でも、その機会は、もうないに等しいんです。こういうラーメンは他でも食べられますし、ならば、別のお店に行ってしまいます。近所の方がリピートしてくれればよいですが、この周辺にはラーメン屋さんも多く、他の選択肢も多く、また新しいお店も次々と出てきます。
ただ、まだ「スタート」です。これがどんなふうにして、オリジナルなラーメンになっていくのか。また、この京成大久保に住む人たちの声をどうラーメンに反映させていくのか。これからが勝負と言えると思います。
で、中華そば。こちらも美味しいです。濃厚でとろとろで、ちょっと「ドロ系」。
こちらも、イマドキで、首都圏でよく食べられているタイプの濃厚な動物系のラーメンです。
感想は、上の煮干ラーメンとほぼ同じです。美味しいけど、何も感じない。
あと、この手のラーメンは若い人や元気な人やマニアな人には支持されますが、一般では敬遠される味です。
そこをどう「一般化」させるか。
こういう「変化球」もありますが、目新しさだけでやっているような気がしてなりません。
濃厚なので、これを入れると味が変わり、また清涼感が増します。そういう意味では必要なのかもしれませんが、、、
けど、そこに「必然性」や「ストーリー」は見出せませんでした。話を聴けば、それが分かるのかも知れませんが、、
***
ホント、すみません。偉そうに。。。
けれど、この文章は、店主さんのためだけに向けられて書いています。(あと食の道場の方にも)
うまく書けませんが、「こういうラーメンを出せば売れるんでしょ?!」、という意図が見え隠れしてしまうんです。
「このラーメンを食べてもらいたいんだ!」という、ある種の「こだわり」みたいなものが感じられませんでした。
「とりあえず、ここまで『凄いラーメン』を作れば、文句ないだろ?!」、という感じというか。
これまで新旧多くのラーメンを食べ歩いていて、本当に愛されているお店って、そういう「驕り」というか「打算」というか、そういうのがないんですよね。たとえば、人気のある家系ラーメン。支持されている家系ラーメンのお店って、「ああ、店主さんは本当に家系ラーメンが好きなんだな~」って思えます。だから、潔いし、愛も伝わってくるし、「また来よう」って思えます。パクリであっても、愛があればいいんです。
愛のない模倣をするお店が、一番失敗してしまうんです。偽物の「二郎インスパイア系」がその典型ですよね。「二郎でも出しとくか~」みたいなお店の二郎風ラーメンって、すぐに分かります。ジロリアンならきっと瞬時に分かるでしょう。なぜなら、ジロリアンは二郎愛に溢れていますから。
「またお前もか系」も同じです。濃厚豚骨魚介ラーメンへの愛のある人のお店の濃厚豚骨魚介ラーメンには、愛があり、そして熱があります。だから、圧倒的に美味しい。だけど、「こういうの出せば売れるんでしょ?!」的な打算のお店の濃厚豚骨魚介ラーメンは本当に酷い、、、
そうめいのラーメンは、決して悪くないし、美味しいし、情熱もなくはないと思います。
だからこそ、「学校(道場)では学べないこと」を、これから、お客さんと共に対話をしながら、得ていってほしいと切望します。
僕は個人的に応援したいので、味の変化が見られたなら、すぐにでもかけつけたいと思います。
相田さんの言葉がかかげられています。
是非、「相田さんならどんなラーメンがお好きかな?」なんて考えながら、作ってもらえたら嬉しいですね。
いまから、ここから、ですよね。
無理に自分をメロンにしなくていいのかな、とも。
心から、今後の活躍を祈念しています。