本日、7月11日(水)、
遂に総豊の自家製麺が登場しました!
千葉最強ラーメンの一つ、『総豊』(蘇我)で、念願の自家製麺の提供が今日から始まった。自家製麺は、店主がかつてより実現したかった目標の一つだった。数年前に、「いつか自家製麺をやりたいんだよね」と語っていた日のことを思い出す。
とはいえ、麺作りはそんなに単純じゃない。機械を買ってすぐに最高の麺を作ることは非常に困難なことであろう。初日とあって、実際、あまり期待しないで食べに行った。最近のラーメン屋さんはどこも麺がとても美味しくて、個性的で、抜群の食感を誇っている。かつてラーメンの鬼、佐野実さんが「麺へのこだわり」を叫んでいた頃、まだラーメン屋さんでは、スープのこだわりはあっても、麺へのこだわりはなかなか理解されていなかった。しかし、時代は変わり、麺のクオリティーが非常に高くなってきた。
さて、今回は、普通に醤油ラーメンと塩ラーメンの二品を注文した。まずはデフォルトで麺とスープだけを味わいたかった。新生総豊のラーメンはどんな風に変化しているのか?!
麺を持ち上げて、まずその「持ち上げの良さ」にびっくり。重みがあって、手にずしりと感じるものがあった。麺は、かつての麺より黄ばんでいない、ストレートで長い麺だった。見た目的には、パスタのようにも見える。本当に真っ直ぐな麺で、まさにストレート一本勝負の総豊を象徴させる一本気の麺であった。
この新「自家製麺」のねらいは、非常に明確で、「つるつるっとした食感」だ。最近は弾力性のあるモチモチ麺が広く流布しているが、総豊がこだわったのは、食べたときの「のどごし」であった。そのために、小麦粉の配分も相当研究されたようで、オーストラリア産の小麦と九州産の小麦をブレンドすることで、もっちり感を出しつつも、主にツルツル感を際立たせている。
この麺は、非常にコシが強く、引っ張るとどこまでも伸びていきそうなほどに強い麺に仕上がっていた。噛みごたえもあって、これまでの麺とは比べ物にならないくらいにインパクトがある。麺が変わるだけで、ここまでラーメンの印象は変わってしまうのか?!と思わせるほどの変化であった。
何よりも、この麺、口の中で暴れ回るほどの強さを誇っている。思わず、「ダンシング・メン!」と叫んでしまうほどに、麺が口の中で踊りまわるのだ。コシがあってストレートでプツンと切れそうな食感。やっぱりイタリアンパスタに近い感じなのだ。もちろんパスタではないが、印象的にはパスタのような食べ応えがあった。
まだスタートということもあって「厳しい目」で食べてみたのだが、今回、総豊の自家製麺を食してみて、正直に「すごい!」と思わざるを得なかった。短期間でここまで出来てしまうんだ?!と驚きを隠せなかった。ホントに、申し分のない麺であった。ただ、麺の印象がかなり強くなってしまった分、スープの存在感が若干薄れてしまった気もしなくもない(ただし、今日のスープは程よい魚介出汁の豚骨醤油ラーメンで、非常によい出来であった)。麺が美味しくなるということは、これまでのスープとのバランスも若干崩れる、ということでもある。
また、ゲシュタルト心理学の「図と地」が反転してしまった印象も受けた。これまでの総豊では、麺が「地」で、スープがまさに「図」であった。麺の印象はそれほど強くもなく、普通の黄ばんだシンプルなウェイブ麺だった。特に目立ったところがないだけに、「スープで麺を食わせる」、という路線だった。が、今回の大変身によって、この図と地が反転してしまったようにも思えるのだ。これまでずっと目立たない地であった「麺」が突如「図」に躍り出て、これまで図として目立っていたスープがどこかかすんでしまうような・・・ これからこの新しい麺を総豊のパンチのあるスープに合わせていくのか、あるいは、この新しい麺にスープを合わせていくのか。方向性としては二つの方向性が考えられる。どちらにしても、麺がとてつもなくグレードアップしてしまった今、スープの更なる進化が求められてきつつある気がする。
最後に、春木屋の理論を転用してみよう。「常連さんにいつも『うまいね』と言ってもらうためには、(常連さんに気付かれずに)少しずつ味を改良していかなければならない」、これを少し変えて言えば、「麺が美味しいといわれるためには、スープを改良しなければならず、スープが美味しいといわれるためには、少しずつ麺を改良しなければならない」、という風になる・・・だろう。
きっとこれからもっと麺は改良され、さらにグレードアップしていくだろう。ますます今後の総豊の動向から目が離せなくなる
●さらに、本日から、わかめの使用をやめて、のりが新たに加わるようになった。総豊のようなスープにはのりが合わないわけがなく、見事に調和していた。
●総豊の進化は止まらない。今後、餃子の皮も自家製にするとの情報も得た。徹底的にこだわる総豊、遂に餃子の皮も自家製になってしまうのだ。これで原材料を除けば、ほぼ100パーセント自家製、ということになる・・・ これってすごいことだと思うんだけど・・・