聖書の言葉を聴きながら

一緒に聖書を読んでみませんか

星の王子さま

2021-02-19 21:19:34 | 読書
サン=テグジュペリ『星の王子さま』(内藤 濯(あろう)訳、岩波書店)読了。
若い頃から何度も挫折した『星の王子さま』をやっと読んだ。
甲田純生『「星の王子さま」を哲学する』を読んで、『星の王子さま』の解説をしてもらったお蔭である。
読んで分かったのは「わたしは大人なんだなぁ」ということ。王子さまが「大人みたいなことを言うね」と批判する大人だなぁということ。今まで読めなかった理由が分かったような気がした。

「星の王子さま」を哲学する

2021-02-08 22:57:42 | 読書
甲田純生『「星の王子さま」を哲学する』(ミネルヴァ書房)読了。
今まで『星の王子さま』を読んだことがなかった。手にして、読もうとしたことは何度かあるが、毎回2~3ページで挫折した。けれど今回、この本を読んで、もう一度チャレンジしようと思った。
『星の王子さま』はよく分からない、ピンとこなかったという感想を持っている人たちにオススメの本。

誰にもわかるハイデガー

2020-11-30 18:23:58 | 読書
 筒井康隆『文学部唯野教授・最終講義 誰にもわかるハイデガー』(2018年 河出書房新社 解説 大澤真幸)読了。図書館で借りて読んだ。

 ハイデガーの『存在と時間』を紹介している。とても分かりやすい本だった。タイトルに偽りはなかった。買おうかとも考えている。
 著者はとても理解力のある方のようだ。本の中で既にある『存在と時間』の翻訳を紹介しているところがあるが、わたしには何を書いているのかさっぱり分からない。著者は1ヶ月で読み終え「もっと易しい言葉で、いくらでも易しくできるんじゃないかというふうに思った」とのこと。そしてその通り易しく、誰にも分かるように紹介してくれている。
 著者については殆ど知らない。『時をかける少女』の作者であるということ、朝日新聞に連載された『朝のガスパール』を読んでいた(内容は覚えていない)ぐらいである。しかし、これを読んで本当に感心したので、著者の他の作品も読んでみようかと思った。

 『存在と時間』の印象だが、ハイデガーは、神を抜きで聖書の提示する世界を描こうとしているのだなぁと感じた。これは、この本を読む前に読んだニーチェの入門書を読んだときにも感じたものである。当時のキリスト教では提示できなくなっているものを、生きることに深く関わることとして提示しようとしたのだろうか。

戦争で死ぬための日々と、平和のために生きる日々

2020-08-01 10:24:53 | 読書
渡辺信夫『戦争で死ぬための日々と、平和のために生きる日々』(2011年、いのちのことば社)読了。

渡辺信夫牧師は、今年(2020年)3月27日、96歳で亡くなられた。わたしは神学校で(日本キリスト教会神学校)教理史などの授業を受けた。在学中、イリアンジャヤ(西パプア)のワークキャンプにも連れて行って頂いた。

わたしが2016年に心不全で入院して以来、大会に出席することがなくなったので、渡辺先生にお目にかかる機会もなかった。

いのちのことば社の本を紹介する冊子『いのちのことば 2020.8』の特集「戦後75年 戦争を語り継ぐ」に渡辺先生の本が紹介されていたので、購入した。

海軍将校として従軍された渡辺先生は、常々「戦争罪責」を語っておられた。先生の信仰にも、カルヴァン研究にも戦争体験が大きく影響していると思われる。

この本は講演をまとめられたものなので、とても読みやすい。そしていろいろなことを思い巡らせられる。本文最後の文章を紹介する。「悲しみがわからなくなった人に悲しみを取り戻させる働きが起こらなければ、平和は来ないのです。」