(C)テレビ東京
この対決画像にピンと来た人は、私と同じく1990年代パチンコ番組フリークであろう。
※90年代に放映されたパチンコ番組一覧はコチラ
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/b7690e7b7861962d6b5bf172bdef6aee
これは、1998年(平成10年)10月にテレビ東京系で放映された、「TVチャンピオン・史上最強パチプロ王世界一決定戦」の一コマである。
日本、グアム、台湾のパチプロ達が大会で腕を競うという、90年代ならではの面白企画だ。
特に、当時は台湾でのパチンコ人気が高く、その独特で過激な連チャン性が、アツくなり易い台湾の人々の心をガッツリ掴んでいた。
で、冒頭の画像は、その日本代表を決める予選の一コマである。
日本予選は、有名プロや攻略誌ライターなど総勢6名が参加。関東と関西の2チームに別れて個人戦を行い、勝ち越したチームが最終予選に臨み、上位2名が本選に出場できるルールであった。
1回戦と2回戦のパチンコ対決では、関東、関西がお互いに譲らず1勝1敗となった(1回戦…大崎一万発VSベンツ小林で大崎の勝ち、2回戦…飛鳥一平VS石橋達也で石橋の勝ち)。そして、勝負の行方は3回戦の「パチスロ対決」に委ねられたのだ。
雌雄を決する3回戦では、関東代表・M誌攻略軍団「キングコング」のリーダー「ボス」と、関西代表・G誌の解析&攻略担当「達人・大津」の両名が、クランキーコンドル(アルゼ=当時)の設定6で出玉を競う事となった。
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対戦前の両者。中央は、コーナー進行の中村有志。その後ろには、既に対決を終えた大崎一万発、ベンツ小林、石橋達也、飛鳥一平の各氏。場所は、新宿・西口「フレスコ」。ちなみに、中村が着ているのはフレスコの制服である。
ボスと大津の両氏は、共に有名攻略誌のスタッフで、指折りの目押し力と知識を持つ「猛者」として知られた。この二人が直接対決する事は、当時のパチスロファンにとって大変興味深いものだった筈だ。
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対戦者紹介の映像で、トリップデビル(NET)の7を早揃えして、「目押しは簡単」とカメラに強気アピールするボス。
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「パチスロサーファー」として紹介された達人・大津氏。巨大なサーフボードを抱えて、高田馬場「東陽会館」(G誌御用達のホール)に入店、シマの端にボードを立てかけて、ワイワイパルサー(山佐)に座って7を揃えまくる。ドラムの回転に合わせて眼球を動かす直視技術は、「大津スペシャル」と紹介された。
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(ワイパルで赤7を揃え、「ヨシッ!」と気合を入れる大津氏)
対戦開始前、進行の中村氏が2人の目押し力に驚くシーンも印象的である。「一枚掛けで、クランキーコンドルの下段に7を揃えられる?」という中村の要望に、いとも簡単に7を揃える両者。ボス「簡単すよ、こんなの」。大津氏も、得意の直視で下段ラインに赤7をビタ押し。「とても人間技とは思えない、驚異の眼球」とのナレーションが入る。
まぁ、下段に7を揃えるくらいは、スロを多少打てる人間なら難しくはないが、リールと全く同じ速度で、小刻みに眼球が上下する「大津スペシャル」には、やはりインパクトがあった。
(勝負の展開)
設定6のコンドルを1時間打っての出玉対決という事で、完全に「ヒキ勝負」となった。もちろん、コンドルの場合、通常時とビッグ中の技術介入が必須だが、この両名にとっては朝飯前であろう。
さて、席に着くや物凄いスピードでコンドルをぶん回す両者。勿論、中リールにはスイカをキッチリ狙っている。先にビッグを引いたのはボス。上段青7テンパイ(青テン)が降臨し、一枚掛けで赤7を揃えて一歩リード。
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(勝負の行方を見守る関東チーム=大崎、飛鳥)
対する関西チームの達人・大津も負けてはいない。ボスと同じく上段青7テンパイから、直接7を揃えて初ビッグ、ボスに並ぶ。
大津の台にビッグが来て、歓喜に沸く関西チーム(手前・ベンツ、奥・石橋)
しかし、その直後、ボスに2度目のビッグが来る(上段青テンから直接揃え)。当時のボスは、「撮影が入るとヒキが弱くなる」との弱点が指摘されたが、この日は一味違っていた。慣れた手つきで、ビッグ中の小役狙いとリプレイハズシをこなしていく。
一方、G誌代表としてライバル誌には負けられない大津。コチラも負けじと2度目のビッグをかけて、ボスに追いつく。そして、共に2回の大当りを引いて、残り5分を迎える。次のビッグを引いた方が勝ちとなる事は明らかだ。
そのとき、「入った!」という大きな声が…ボスだ。リール窓を見ると、青7右下がりテンパイから、右枠下に青7が止まっている。そう、嬉しいビッグ確定目である。「もう、勝った!」と、高らかに勝利宣言するボス。
土壇場でボスに先を越され、俄然厳しくなった達人・大津。得意の大津スペシャルも、ビッグのフラグが立たなければ「宝の持ち腐れ」である。空しく時間は過ぎて行き…
見事勝利したのは関東チーム・ボス。大崎、飛鳥と共に、日本代表決定戦に進出した。
関西チームは、ここで無念のリタイアとなった。
なお、この後の展開を簡単に紹介すると…
国内最終戦⇒「CRバトルヒーローFX」(大一)と「ミサイル7-7-6D」(大同)の早当て勝負。ボスと飛鳥が勝ち抜けて日本代表となる。
海外予選⇒それぞれ現地のパチンコ店で予選が行われ、グラサンを掛けたメタボな中年ギャンブラー「ジェームス・オドカ(James Odoca)」がグアム代表に、パチンコ店に勤める若者・陳維国が台湾代表に決定。
決勝
台湾・高雄のパチンコ店「大一」にて、4時間耐久出玉バトルが行われた。対戦機種は「CR大工の源さん」「CRハッピーデート」「CR将軍ちゃま3」で、いずれも台湾オリジナルバージョン。台湾版・源さんは、最大60連チャンが期待できるモンスターマシンだが、大当り確率は約1/600と極悪。
本選は、残念ながら日本勢のヒキが弱く、飛鳥は源さんの2連チャンが1回のみ。ボスも源さんの2連、4連とショボイ結果に終わる。一方、グアムのジェームスは絶好調で、源さんで脅威の18連チャンを決める。
しかし、ジェームスのさらに上を行ったのが、地元・台湾の陳維国だった。源さんで10連チャン&4連チャン。移動した源さんでも5連チャンと快進撃を続ける。さらに数珠繋ぎ機のハッピーデートでも大当りして一気トップに立つと、そのまま逃げ切り優勝を飾った。終了直前、ジェームスが源さんで大当りを引き6連チャン確定だったが、時間切れで電源を落されて無効となるハプニングもあった。