まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

ファイアーバードEX(瑞穂製作所、2-1号機)

2014-09-11 18:28:30 | パチスロ2号機



1988年(昭和63年)に瑞穂製作所から登場した2-1号機「ファイアーバードEX」
(Aタイプ)



ビッグ時のファンファーレは、豪華なようで、スカスカした感じもして、実にいい音だった…。


名機「ファイアーバード7U」(1.5号機)の名を引き継いだ、瑞穂2号機・第1弾。

機種名の「EX」は、下パネルに「EXCELLENT &EXCITING MACHINE」とあるので、「優れた」とか「ワクワクさせる」という意味だろう。


(下パネル)


 
(上パネルの「家電量販店の安売り広告」的なメッセージにも、独特の味があった。
「ボーナスゲーム 3回の ビッグチャンス」…まぁ、Aタイプとはそういうものだ(笑)。




さて、自分のスロ歴は平成2年(1990年)に始まるが、まさにスロ「初打ち」の機種が、このファイアーバードEXであった。

新宿・歌舞伎町、旧コマ劇場前のパチ屋「ラスベガス」で、リーチ目も何も判らぬまま、無謀な初実戦を行った事を思い出す。



本機はオーソドックスなAタイプだが、要所要所にやたらと「後を引く」独特の魅力があって、実戦を重ねるうちに、私はすっかりファンになってしまった。レバーオン時の安っぽいサウンドも何気に良かった。

設定状況こそ芳しくなかったが、「本機に触れる」だけで満足だった私は、その後も足繁くコマ劇前「ラスベガス」に足を運び続けた。

完全なマイナー機に属したとはいえ、自分にとっては忘れ得ぬ「名機」である。
(聖地「パチンコ東青梅」に思い入れのある、みなし機ファンもいるだろう。)


本機を初打ちした頃、「ラスベガス」はコマ劇側の正面ドア(画像参照)を入ると、右サイドがパチンコ、左サイドがパチスロのシマに分かれていた。

スロのラインナップは、奥の壁付きシマに「センチュリー21」が並び、入口近くの長いシマに、本機と1.5号機「トロピカーナ7X」が置いてあった。本機を3台ほど横に並べた「小ジマ」も、幾つかあった。

すぐにトロピが外れてセンチュリーが増台となり、90年暮れに3-1号機「コンチネンタルI」と「コンチネンタルIII」が入った。一方で、古参の本機とセンチュリー21もしぶとく残し続けた。新宿界隈で、本機を打てる店はここだけだったので、大いに重宝した。

※平成初期の新宿パチンコ店マップはコチラ
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/5e2eb228c83d064502dc9e75c166ce1e

’92年には、従来の「ユニバ系」に偏った機種選定から一変、突如オリンピア3-1号機「バニーX.O」が導入された事もある。あの唐突な入替には、意表を突かれたな…。

「ラスベガス」は普段から客の入りは少なかったが、末期には完全に客が飛び、あえなく閉店となった(その後、跡地では、ゲームセンター「プレイランドカーニバル」が営業)。


過去にも何度か触れたと思うが、この「ラスベガス」は、店内に小さな「DJブース」を置いた、一風変わったホールだった。夕刻になると、若い女性DJによる店内放送が始まり、客のリクエスト曲を有線で流したり、フリートークで場内を盛り上げたりしていた。シマの傍には、曲のリクエスト用紙なんかも置かれていた。

このDJサービスが店の「ウリ」の1つだったが、打つ側は「勝つか負けるか」が一番の関心事で、小洒落た店内DJなんぞに気を向ける客は、やはり少数だった。



(払出表)







(ボーナス確率)

Big Bonus
設定1  1/282
設定2  1/256
設定3  1/234
設定4  1/215
設定5  1/210
設定6  1/210

Reg Bonus
設定1  1/154
設定2  1/141
設定3  1/130
設定4  1/117
設定5  1/96
設定6  1/96

BR比率はおおむね1:2。合成確率は最低設定1でも1/99.6と高く、設定6に至っては1/65.9と破格の数値。非常に甘いボーナス確率が特徴だった。

ストレートでドスンとハマる事はほぼなく、たとえビッグ間で大きくハマっても、間にバケをポンポン挟む「マイルド」なハマリが大半(但し、油断するとバケ⇒ノマレ⇒追加⇒バケのパターンでヤラれた)。

また、(多分)ノーマルだったにも拘らず、速攻のボーナス連発をたびたび見せた(多くはバケ連だったが)。高確率ゆえの成せる業であろう。


(中段・星揃い)


(右上がり・BAR揃い)


※本機の「機械割」に関する資料は少なく、正確な数値は不明。ただ、当時の資料の中に、機械割(出玉率)に触れた箇所を1つ見つけた(「P術」誌より抜粋)。

(出玉率)
設定1 103.77%
設定2 107.76%
設定3 114.41% 
設定4 122.43%
設定5 129.28%
設定6 132.65%

(併記された説明)
「最低の設定1でも100%を超える出玉率の良さだ。(中略)もし等価交換の店だったら、まず負ける事はない。もっとも、ほとんどの店では7枚交換か8枚交換にしているところがほとんどだが…。」

⇒資料の「出所」を考慮すると、この数値がどこまで信用できるかは判らない(失礼!)。

因みに、当時の「ラスベガス」も7枚交換だったが、露骨に噴く優秀台に出会ったことがない。恐らく、本機のシマの大半が「ワンツー設定」ではなかったか。まぁ、それだけ元来が甘めの台という事だろう。



(チェリーの持越し)

本機はアメリカーナX2等と同じく、通常時にチェリーを取りこぼしても、フラグを次ゲーム以降に持ち越す機能があった(複数回取りこぼしても、フラグが溜まっていく)。目押しの苦手な客を考慮したものだろう。ただ、チェリーフラグが溜まっても、ボーナスが成立した時点で全て無効となってしまう為、通常のチェリー目押しには、それなりの意味があった。

但し、チェリーフラグが成立しても、レバーオン時の乱数が一定値以下だった時には、目押ししてもチェリーが出ないようになっていた(この時も、フラグは次ゲーム持ち越し)。
これは、チェリーの出現率に一定の「波」を持たせると共に、設定毎に出現率が異なるチェリーをカウントして設定判別する、プロ・セミプロ対策の意味があったと思われる。



(ビッグボーナス後の90秒ウェイト)

ビッグボーナス時はJACゲーム中のウェイトカットなどがあったが、その「しわ寄せ」がビッグ終了時に待っていた。そう、例の「90秒ウェイト」というヤツだ。

当時のスロは、ビッグが終わる度に、店員が台を「リセットキー」で逐一リセットして、遊技を再開する仕様になっていた。

しかし、本機の場合、ビッグ終了から90秒経過するまで、リセットを一切受け付けなかった。本機最大の特徴の1つ、といってもよい。

ひたすら待たされるだけの、不毛な90秒…。

この90秒ウェイトがファンの不評を買い、本機の不人気に拍車が掛かったと言われる。

まぁ、実際は、ビッグ中に稼いだ消化時間のアドバンテージを、最後に「一括返済」するようなものだったが。

このタイムラグを利用して、トイレに行ったり、飲み物を買ったり、1回交換の店でコインを流したりできた訳で、特に打ち手が「損」をする訳ではなかった。

だが、これを「買い物」に例えると…たとえば、有る店で毎月「税抜き」で買い物して、年末になると、これまでの税金分を一括請求されるようなものだ。地道にチビチビと払う分には問題ないが、年の瀬に「ドカン」と大きなツケを払わされると、損はなくとも心象が悪くなるのは、当然かもしれない(笑)。

まぁ、このウェイト機能をよく判っている客は、ビッグ終了したらとりあえず席を立ち、然るべき用を足した後に、台に戻って呼び出しボタンを押し、店員に余計な手間をかけさせないのが「流儀」だった。短気な店員だと、ビッグ終了直後に呼び出したりすると、「呼ぶのが早い!」といわんばかりに、露骨に嫌な顔をされる事があったからだ。

一方で、優秀なベテラン店員は、客がビッグを消化するペースを把握して、ビッグ終了を見届けてからも他の仕事をこなし、キッチリ90秒経つとリセットしにやってきた。中には、コチラが早く呼び過ぎたのに、ニコニコ顔でウェイトを待っていてくれる、温厚な店員もいた。

そういえば、少し前に、上野のスロゲーセン(殿堂)で本機を打った際、久々に90秒ウェイトを体感できると思って期待したら、何と「オートリセット」に改造されていて、少々拍子抜けした。



(「21世紀・世界全滅打法」は通じたか)

1991年(平成3年)秋、センチュリー21(瑞穂2-2)、リバティベルIII(メーシー2-2)、リバティベルIV(ユニバーサル2-2)、アメリカーナマグナム(ユニバーサル3-1)、ロックンロール(エーアイ2-2)のユニバ系5機種で発覚した強力なセット打法が、「21世紀世界全滅打法」と呼ばれる有名なネタである。

クレジットONの状態でコインを1枚投入して、精算ボタンを押したままスタートレバーを叩き、ストップボタンが有効になったら、精算ボタンから手を放す。目押しでセンターライン以外に7をテンパイさせたら、コインを2枚追加する。すると、なぜかコインを受け付けて、3枚掛けの状態になる。最後に、テンパイラインに7をビタ押しすると、7が揃ってビッグがスタートする。

まぁ、今では信じられないような、単純かつ破壊力抜群のセットネタだった。
(私は、登戸H店でセットの現場に出くわしたが、隣にいたのに手順を見抜けなかった…)

この「全滅打法」は、ユニバ系2号機各機種で通用した為に、同じユニバ系の2-1号機である本機や、兄弟機の2-1号機アメリカーナX2(ユニバーサル)などにも、通用するのではないかと思われた。

しかし、実際に試した人ならば判る通り、本機やX2で上記手順を試しても、うまくいかない。精算ボタンを押したままレバーを叩いても、肝心のリールが回ってくれないのだ(爆)。

なお、コンチIやコンチIIIで上記手順を踏むと、7は揃うが何も起こらず、非常に虚しい。






(リーチ目、パターン(目))

本機の基本的なリール制御は、ボーナス非成立時、左⇒中とリールを止めると、15枚役(ベル、プラム)を優先的に引き込み、テンパイさせようとする(15枚役の成否を問わず)。

よって、その「基本制御」が崩れた時が「チャンス」となる。左リールにボーナス図柄と15枚役図柄が同時に出て、15枚よりもボーナスが優先テンパイすれば、ボーナスの可能性が大。いわゆる「ボーナステンパイの入り目」だ(左⇒中が停止した時点での「2リール停止形」)。

ただし、基本制御が崩れたとしても、小役の取りこぼし等で「ガセ」る場合もあるから、何とも悩ましかった。最後の1000円で入った中段7テンパイがガセッたりすると、少なからずショックを受けたものだ。

なお、左枠内に「チェリー」が停止した時点で、ボーナス非成立となる。たとえボーナス図柄テンパイしても、ボーナス成立の可能性はない。初心者の頃は、左チェリー付きの7がテンパイすると、「ひょっとすると入ったかも」と錯覚して、無駄な目押しをしていた事を思い出す。

この形から7を狙うのは、「初心者」の証拠だ。かくいう自分も、当初はそうだった(笑)



以下、ガセ無しの「(鉄板)リーチ目」と、ガセ有の「パターン目」に分けて説明する。


★鉄板リーチ目

一見入っていそうな目でも平気でガセる本機は、実はボーナス100%のリーチ目が少ない。
だが、以下の2つは「ビッグボーナス100%のリーチ目」となる。まさに「美麗目」であった。 

 
左「中段プラム付き7」の上段or右下がりテンパイ(プナテン)は、ビッグ鉄板目。
パターン目が出現した後、この形をビシッと狙って停止した時の快感は、半端なかった。
逆に、通常時いきなりこの形でテンパイして、不意を突かれる事も多かった。
この「プナテン」は、2-2号機「センチュリー21」「リバティベルIII、IV」にも引き継がれた。


「上段プナテン」が降臨した瞬間。



(上段プナテンからの7揃い)



★パターン(目)

一方、以下の形はボーナスの可能性もあるが、チェリーやオレンジのこぼし等でガセる事もある。「リーチ目」というよりは、フラグ成立時に出易い「パターン(目)」と呼ぶべきものだ。

但し、小役こぼし時の中リールは、「無制御=ビタ止まり」となる事が多く、積極的にボーナス図柄をテンパイさせる制御とはならない。

よって、中リールのボーナス図柄(7、星、BAR)がビタでテンパイした時は、以下の出目でもガセる可能性がある。逆に、ボーナス図柄が大きくスベってテンパイした時は、「入り目」の可能性が高くなる。

中リールには、7とBARが2か所づつあるが、どちらの図柄がテンパってもOK。なお、星図柄は、中リールに1つしかない。

また、特定の形を除き、7がテンパイしても「ビッグ確定」とはならず、バケの可能性もある。


それでは、本機の「パターン(目)」を、具体的に見ていくことにする。


A:左リールに15枚役(ベル、プラム)があるパターン

(1)

左「7・ベル・BAR」からの、右下がり7テンパイ。中リールは、7の3コマ(4コマ)上にベルがあるが、ベルがテンパイせずに、7が単独テンパイしている。なお、7・ベルの平行テンパイは、パターンとは呼べないが(ベル濃厚)、ベルが外れればパターン(目)。


(2)

左「星・7・プラム」からの、中段7テンパイ。中リールは、7の2コマ(3コマ)上にプラムがあるが、プラムがテンパイせず、7がテンパイしている。中リールの7がスベッていれば激アツ。


(3)

左「ベル・7・星」からの、中段7テン。やはり、中リールで、ベルではなく7が優先テンパイ。


(4)

左「BAR・ベル・7」からの、右上がり7テン。コチラも、ベルより7のテンパイを優先。


(5)
  
コチラも理屈は同じ。中リールで15枚役のベルを引き込めるのに、7がテンパっている。
なお、右側の「7・BARの平行テンパイ」はバケ濃厚だが、ビッグの可能性もある。


(6)
   
中リールにバケ図柄(星、BAR)が単独テンパイした時も、考え方は同じ。15枚役のプラムを引き込める位置でリールを止めて、星が単独テンパイしたらアツい。中でスベリを伴えば、激アツとなるのも同じ。また、バケがテンパったからといって、REG確定ではない(一部を除く)。


(7)
  
左「7・ベル・BAR」からのBARテン。ベルの中段テンパイではなく、BARを優先テンパイ。


(8)

左「星・7・プラム」からの右下がり星テン。枠上にプラムがあるのに、星がテンパっている。
但し、星の上段テンパイ形は、下段にプラムが並ぶ「平行テンパイ」となるので、パターンではない。


(9)
 
左「ベル・7・星」からの星テンパイ。枠外のベルを引き込まずに、星を優先している。


(10)

左「BAR・ベル・7」から、枠上のベルを引き込まずに、BARがテンパった形。


(11)

左「プラム・星・オレンジ」から、プラムよりも星を優先テンパイ。


(12)

左「星・BAR・ベル」から、ベルよりもBARを優先テンパイ。


(13)
 

 
左「BAR・プラム・星」からのパターン。中リールのプラムがテンパイせずに、星orBARが優先テンパイした形。


(14)
 


左「ベル・BAR・星」からのパターン。中リールでベルを引き込めるのに、星orBARが優先テンパイしている。




B:左リールに15枚役がないパターン

(1)
 
左「7・星・オレンジ」からの、上段or右下がり7テンパイ。左には15枚役がなく、「基本制御崩れ」とは呼べないが、通常時は停止しづらい形。中リールがスベっていれば、激アツとなる。
 

(2)
 

 


左「BAR・星・7」は、ボーナスずくめで一見強そうな目だが、通常時も普通に出るし、これらのボーナステンパイ形でも頻繁にガセる。7の単独テンパイは典型的な「パターン」だが、やはりガセもある。スベリテンパイ時は信頼度も大幅にアップするが、ガセる時はガセる(笑)。なお、BAR・7の平行テンパイはバケ濃厚(滑っていればほぼバケ)だが、ビタならビッグの可能性もアリ。


★(追記1:2014.9.12)たろへいさん
コメントどうもです。たろへいさんとは違い、現役時には実践できなかった全滅打法ですが、数年前、上野スロゲーセン「殿堂」のリバティベルIIIで、なぜか攻略可能な状態になっていた事があり、店員さんの目を盗みながら(笑)思う存分やらせて頂いたことがあります。
確か、その時も、たろへいさんがいったような「2枚掛けのエラー現象」が起きました。コイン追加で復帰というのも同じだったので、攻略可能台に共通の現象だったのではないでしょうか。
(追記、ここまで)

★(追記2:2014.9.12)獣さん
コメントどうもです。コンチI、IIIの「全滅(しないw)打法」ですが、通常の台であれば、後から2枚追加しても内部的に「1枚掛け」と判定されるだけで、次プレイは普通に消化できます。コインを飲まれる最終ゲームで、この方法で7を揃えてから席を立ち、次に座った人を驚かせてやろうなんてイタズラをよくやってましたが、やっぱり虚しかったですね(爆)。池袋のお店は、特殊な対策でもしていたんでしょうか(対策の必要は、ない気もしますが…(汗))
(追記、ここまで)