1992年(平成4年)に奥村(モナコ)から登場した新要件デジパチ「ドリームランデブー3」
90年代前半の連チャンデジパチ興隆期に登場した、変則ドットタイプのノーマルデジパチ。
当時、デジパチでは香ばしい保連機や数珠連機の数々(麻雀物語、花鳥風月、フィーバーマキシムEXIII、フィーバーレジェンドI、ブラボーキングダム等)がホールで活躍していた。
本機も、登場当初は数珠連機の噂が立つなど注目されたが、やがて「ノーマル」のレッテルが貼られると、一気にマイナー化の道を辿った。
本機が登場して間もなく、フィーバーパワフルIII、ブルーハワイ、ピカイチ天国といった液晶連チャン機が人気を博したことも、本機の印象を薄める一因となった。まぁ、当ブログが扱う機種としては絶好のポジションといえよう(笑)。
★賞球…7&15
★大当り確率…1/210
★最高16ラウンド継続
★出玉…約2300個
★十字型の4ケタドットデジタル採用
★デジタル停止順…左⇒右⇒上⇒下
★大当り図柄…0~9、Fv、¥、$(13種類)
★意図的な連チャン性…なし
(但し、個人的には数珠連を多く経験。高確率の成せる業か…。)
★兄弟機…ドリームランデブー2
確率違いの兄弟機「ドリームランデブー2」…大当り確率は「1/220」と本機より低め。
★当時の実戦店…新宿西口・大ガード交差点近く「ジャンボ」など
★大当り図柄について
画像からも判る通り、本機は通常の3ケタデジタルではなく、「左・右・上・下」と十字型に4つのドットデジタルを有する「変則タイプ」だ。
当時、このテの「奇をてらった」ドットデジパチは多く出ており、本機もその流れを汲む。
特に、奥村の場合、前年(1991年)に4ケタドット機「ドリームジャンボ1(2)」を出しており、本機は同社の「新要件・変則ドット路線」を引き継いだ格好だ。本機に続き、クロスデジタルが特徴の「サザンクロスα―1(α―2)」(1992年)なども登場している。
奥村「ドリームジャンボ2」…1991年登場。図柄の4つ揃いで大当り。また、左はオールマイティ図柄の「当」でもOK。先に出た「1」(1991年)は「7&12」の無制限タイプだったが、後継機の「2」は「7&15」と出玉が多めに変更された。
奥村「サザンクロスα-1」…1992年登場。ドットのクロスデジタルを採用。縦か横に数字が3つ並べば大当り。デジタルの「上・左」、「下・右」がそれぞれ同調しており(2つのデジタルの数字を足すと、必ず「19」になる)、リーチは必ず「Wリーチ」となる(上下&左右のWテンパイとなり、中央デジタルが最後に停止)。図柄は「0~19」の数字20通りと多い。「α―1」は賞球7&15で、兄弟機「α―2」は6&13の無制限向け。なお、上下左右のデジタルが独立した動きを見せる「サザンクロスβ―1(無制限用はβ―2)」もある。
※クロスデジタルのドットデジパチは、旧要件時代にも「クロスファイブP3」(マルホン)、「十字星」(マルホン)などが存在。また、ドットではないが、7セグのクロスデジタル機「ニューヤンキーIII」(ニューギン)も人気があった。
おっと、そろそろ話を本題に戻そう…
本機の「大当りパターン」は、以下の通り。
(1)「0~9、Fv、¥、$」の各図柄の4つ揃い
(「図柄4つ揃い」の大当りパターンは13通り。)
(2)但し、「1、3、5、7、9」の奇数は、上記の4つ揃い以外にも、「左・右・上」の3つ揃いか、「左・右・下」の3つ揃いで大当りとなる。
(「左・上・下」と「右・上・下」の3つ揃いは無効)
(奇数の3つ揃いパターンは10通り※。「X」は、4つ揃いとなる目を除いた全図柄。)
※「X」図柄はそれぞれ12通りあるので、厳密には「10×12=120通り」と多い。これに4つ揃い13種類を加えた「133通り」が、本機の全大当りパターンとなる。
デジタルの停止順は、先程も書いた通り「左⇒右⇒上⇒下」。左右ゾロ目で停止すると、上デジがスローに切り替わり、上停止時に図柄が3つ揃いになると、今度は下デジが低速スクロールに切り替わる。
つまり、「0、2、4、6、8、Fv、¥、$」の8図柄(偶数と英字)は、「左・右・上」が3つ揃った段階で「リーチ」となり、下デジタルも同一図柄で停止すると大当りする。
一方、「1、3、5、7、9」の奇数は、左右デジタルが揃えば「リーチ」となり、上デジタルに同じ数字が出ると、その瞬間に大当りが確定する(左・右・上の大当りパターン)。
また、上デジタルがハズれても、下デジタルで「敗者復活」のリーチが掛かり、下デジに同数字が止まれば、やはり大当りとなる(左・右・下の大当りパターン)。
このように、左右に奇数ゾロ目が出た時は、大当りのチャンスが「2回」巡ってくるという事だ。但し、これはあくまで「演出上の仕掛け」に過ぎず、取得した乱数が「大当り」か「ハズレリーチ」かは、デジタル始動前に決定している。
但し、奇数が「左・右・上」と3つ揃った瞬間に、大当りがスタートする訳ではない。この瞬間に大当りは「確定」するものの、やはり下デジタルはスローに切り替わり、リーチが継続する。この確定後のデジタルの動きが、無駄ではないかと批判される事もあった。この時、下デジにも同じ奇数が出ると、「奇数の4つ揃い」になるが、3つ揃いの段階で大当り確定なので、あらためて図柄が4つ揃っても感動が少ない事は確かだ。
このように、奇数リーチが実質「ダブルリーチ」となる事を除けば、スーパーリーチなどの特別な発展アクションは存在しない。
★内部判定方式
(1)大当り判定カウンタの移行範囲は「0~209」の210コマ。そのうち、大当り乱数は「7」。よって、大当り確率は1/210。取得した乱数が「7」なら大当り。大当り判定に外れた場合はハズレリーチ判定に進む。
大当り出目は、専用の大当り出目カウンターで決まる。この時、「4つ揃い」のパターンが選ばれる確率は13/133(約9.8%)で、「奇数の3つ揃い」が選ばれる確率は120/133(約90.2%)。4つ揃い13パターンのうち5通りが奇数なので、全大当りパターン中、奇数で大当りする確率は(5+120)/133=125/133(約94%)と高くなっている。
(2)次に、取得した乱数が「0~6」若しくは「8~15」だった場合、ハズレリーチに当選する。この時、「0~4」(5つ)だと奇数リーチ、「5、6」「8~15」(10個)だと偶数リーチが掛かる。
つまり、ハズレリーチ時は、奇数の2倍の確率で「偶数リーチ」になり易い。大当り出目が奇数になり易いのとは対照的だ。ハズレリーチ確率は、16/210≒1/13.1となる。ハズレリーチ判定に外れると、完全ハズレ出目の決定に移る。
(3)登場当初は、「弱性保留連チャン機」、或いは連チャン率17%程度の「数珠連機」などと言われた。だが、解析上、大当り判定に怪しい部分は全く見られず、最後は「ノーマル機」と結論づけられた(大当り中は、アタッカーVゾーンが1個入賞後にカバーで覆われる仕様で、これが連チャンに関係するのではと疑われたものの、因果関係はなかった)。個人的に数珠連チャンの経験が多いが、高確率ゆえの「自力連」の可能性が高かったと思われる。
※なお、この当時に出回った他社の「変則ドットデジパチ」(抜粋)は、以下の通り。
・ターンバック(藤商事、1991)
4ケタドット機だが、「3、7」の場合は3つ出ればOK。「パチスロの波」を取り入れた数珠連をウリとしていた。後継機「ターンバックIII」も存在。
・ランバダ(大一、1991)
一見すると9ケタデジタルだが、デジタルが3つまとめて動く為、実質は3ケタドット機。体感器攻略でも有名に。
・フィーバーシスコII(I)(三共、1992)
クロスデジタルのドット機に見えるが、大当り有効ラインは「横一列」のみ。中デジは前後の図柄を見せながら縦にスクロールするだけ。「II」は数珠連機(大当り後は連続回転キープで確率アップ)。「I」は保1連チャン機。「II」は、「F、7、V」の3図柄に「前後賞」がある。
・ニューエキサイトキングAW(ニューギン、1992)
旧要件機「エキサイトキングV」(7セグ)の名を継承した、4ケタドットデジパチ。大当りは通常の4つ揃いの他、「7」と「$」は3つ出れば大当りとなる。2回ワンセットの(小デジ)確変機。兄弟機は「ニューエキサイトキングV」。
・ピラミッド2(高尾、1992)
ピラミッド型の三段ドットデジタルが特徴。デジタルは上段⇒中段⇒下段の順に停止。左辺、右辺、底辺の何れかが3つ揃いで大当りとなる。上⇒中段でリーチにならずとも、下段停止時にいきなり3つ揃う事もアリ。1/220のノーマル機。翌93年8月には、後継機「ピラミッドX」が登場した。
・ユニオンジャックS3(三星、1992)
ドラム機の動きを意識した、5ラインのドットデジパチ。「3、5、7」の数字が3段並んだ「トリプルリーチ」アリ。上下二段のスタートチャッカーも特徴。国旗を模したデジタル図柄は、やや作りが荒い。強力な保留連チャン機だった。
★追記1(2014.9.19)えむさん
コメントどうもです。「ニューギンの4ドラム~」は、1992年登場の保連機「エキサイトビューティー」(確率1/230)ですね。「1~9」の数字9種の他、お色気系の4図柄(尻、胸、一本指、二本指)を含む、7つの個性的な図柄(全16図柄)がありました(画像上げたのでご覧を)。
大当りは、各図柄の4つ揃いの他、「3、7、$、?、¥」の5図柄については、3つ出れば大当りとなります。
1993年10月には後継機「エキサイトバトル」(確率1/204のノーマル機)も出ましたが、コチラは、全16図柄中「3、5、7、胸、尻」の5図柄が3つ揃いでもOKでした。
(追記、ここまで)
(ニューギン「エキサイトビューティー」の個性的な図柄…数字除く)
★追記2(2014.9.20)進歩は馬並さん
コメント有難うございます。仰る通り、藤商事バンガード(1994年6月登場)も変則デジタル(外観5ケタ、実質3ケタ。「なんちゃって5ケタデジタル」とも呼ばれましたね)でしたが、今回はドリームランデブーと「同時期」の「ドットデジパチ」のみまとめてありますので、非ドットで登場時期もやや異なるバンガードは入れませんでした。
バンガードの頃ですと、大一商会の「アーバン」(1994年9月登場)なども、やはり非ドットの変則デジタル(2・3・2の3段デジタル)でしたね。
因みに、’94年登場の「ドットデジパチ」では、西陣の「フリーゲームEX」(’94年11月)が、「なんちゃって5ケタデジタル」を採用しています。また、ドット絡みでは「2桁ドット+ルーレット」を使った大一「ワンダーランド1」(’94年3月登場)も変則タイプでした。
その他、4ケタドラム式の液晶デジパチ「ドリームチャンピオン」(奥村、94年9月)なども同時期に出ており、’94年もやはり「変則デジタルの機種が多く出た年」といえますね。
(追記、ここまで)