Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

お目覚めの瞬間は!

2015-02-10 18:19:30 | 素敵な現場
こんにちは。kyokoです。

2月のシニアの現場が始まっていますが、まずは先月の様子からお伝えしますね。

ある施設のS様のお話です。

その日は来室された時から、「眠い、眠い。」と連呼されていました。

目をつむり、表情も冴えません。身体も傾いておられました。

いつもは「こんにちは!」と笑顔でいらっしゃる方ですから、随分様子が違います。

職員の方も「S様、アートセラピーですよ!」と声を掛けられますが、返事は「。。。」

私達は時折お声掛けしながら、そっとそばにいました。


そのうち参加される方がぞくぞくといらっしゃると、周りが賑やかに。

会話に花が咲きます。

するとどうでしょう。「なんかしゃべってる。」とS様の声が!

もともと明るくてお話好きの方ですから、自然に声が出たのでしょうか?

でも目はつむったままです。

その後も目をつむったまま「何を笑っているの。」「私のこと話してるの。」などと、

会話に入ってこられます。

ですから、「S様、もう目覚められましたね!」とお伝えすると、「まだ!」と。

ふむふむ。。。いい感じだな。目はつむっておられるけれど、声がはっきりされてきたし、

表情がよくなられてきたな。。。と、心の中で思っていました。


ワークが始まり歌を歌う時はまだ目を閉じておられましたが、

全てしっかりと声を出して歌われていました。

それから、この日は「あいうえお」を使って笑うという発声をしたのですが、

気づけばもう目はパッチリ!

「あっはっはっはっ~」「いっひっひっひっ~」と、表情豊かに大笑い!

その後はエネルギッシュなS様であったことは言うまでもありません。

意欲的にアートし、周りの方にも積極的に声を掛けられ、私たちとの会話も楽しまれていたようです。




確かに来室された時は眠くて、調子もよくなかったのでしょう。

もし意欲という灯火があったとして、それが小さくなっていたのかもしれません。

それが、ご本人の力や場の力、アートの力、人との関わり合いなどの様々な要素によって、

その灯火が大きくなっていくのかなと感じました。

きっとS様の心の中はこのアート表現のお花のように灯火が広がってきたのでしょう。

帰り際には「目がパッチリしてよかった!」と茶目っ気たっぷりにコメントを残されていきましたよ!


アートセラピーの現場ではこのような変化はよく見られます。

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