現場で活きる、活かす、アートセラピー

早いもので立春も終わり、２月も中旬となりましたが、

１月末に開催したアートセラピーの現場をご紹介します、

シニア担当　Shikibuです。

今年初めての回、ということもあり、お正月のお書初めを

イメージして「墨で描く２０１５年」と題し、机（全長５，６メートル）

いーーーーっぱいに紙を広げ、皆様にのびのび筆を伸ばしていただきました。

と、そのクラスが始まる２時間ほど前のこと。

普段、私たちは６名（ファシリテーター＋サポーター）でチームとなり、
この現場を作っています。このメンバーは基本半年間固定です。

（シニアの皆さまにできるだけいつも同じメンバーで接することで
　より細やかなケアができるように、との思いからです）

・・・なのですが、今回はこの６名中２名がピンチヒッターという回でした。

ピンチヒッターの二人はそれぞれ、ファシリテーターとして長く現場をして
いたり、今まさにシニアのアートセラピーについてしっかり学んでいるところ
で知識、経験、姿勢においては安心して任せられる、心強い仲間です。

しかし、この現場は施設の中でも最も介護度が高い方がご参加されるクラス。

ということで、メンバー全員が集合した際、参加してくださるシニアの方に
ついて情報を共有することにしました。
（○○さんは右耳からお話しすると聞こえやすいようだ、□□さんは光が
　まぶしいのでお座りになる席に注意、等々・・・）

この情報共有、昨年の回でやったところ、１５名超のご参加者について予め
こうして共有しておくと現場でサポーター同士もお互いを補い合うことが
できて良いね！という感触をつかんだものでした。

今回は特にピンチヒッターさんがいるからということでつい説明が長くなって
しまい、気づけば施設到着がいつも準備する時間に比べて数十分押し？！

準備が間に合うだろうかとハラハラしましたが、なんと開始時刻５分前には
準備完了、開始を待つ皆さまと和やかにお話する時間も取れたほど。

これはまさにチームワークのなせる業

このスムースな出だしのおかげでしょう。途中、時間がおしてしまう等
ありましたが最後には皆さまそれぞれ、素敵な作品が出来上がりました。
（下記にご紹介しております）

こういうチームワークがあってこその、シニアの（シニアに限りませんが）
現場なのだわ、、、と改めて実感した私です。

毎回、現場が終わった後全員で行う振り返りの際に発された一言。

「初めは緊張するけれど、シニアの皆さまと関わっているうちに、自然体
　で接している自分を感じた。それがとても心地よくて嬉しい。」

ワークの最中たまたま、彼女がある参加者の方の作品作りのお手伝いをしている
ところを見かけました。
その辺一帯はホンワカあったかーい空気に包まれているような、
そんな印象を感じていました。

（実は彼女だけでなく、ワークの最中そこかしこでほんわかほっこりオーラ？
　を感じます。）

その時彼女はそういう気持ちでいたのかぁ、そしてその気持ちはきっとお相手に
伝わっていただろうな・・・と思い私もあたたかい気持ち。

現場ごとにメンバーの個性やアートセラピー・現場への想い、チームの雰囲気
など、独特のものがあるのではないでしょうか。

そういうもの全部ひっくるめて、メンバー全員でアートセラピーの現場を作る。

プログラムやチームづくりは綺麗事ばかりではなく大変なこともあります。

でも、そういう経験から多くのことを学ぶし、今回の様にメンバーに助けられ、

お互いをフォローしつつ、シニアの皆さまとアートを介した関わりにささやかな

喜びを感じる瞬間は何ものにも代えがたい・・・

これはきっと、現場にいるからこそ、感じることなんじゃないかなと思うのです。

この現場感を味わっていただきたいなあ・・・

アートセラピーを勉強している方、たくさんいらっしゃると思いますが、

その学びの経験をぜひ！現場（シニアに限らずいろんなところがあるでしょう）で、

チームで活かしませんか？

現場だからこそ、の学びや喜びがここにあります

最後に、今年最初の皆さまの作品をご紹介します。







机全体に敷いた紙に、ひたすら墨を重ねる方、ご自身のお名前を書かれる方、
立春が近いと聞いて、大好きだというお花を描かれる方・・・
気持ちよく墨を伸ばしていただいたのち、お好きな部分を選んでいただき
作品に仕上げてゆきました。

なんだかユーモラスな作品、現代アート風な作品、大好きなご自身のお名前
を選んだ作品等々・・・なんとも個性豊かな作品たちが生まれました。

2015年、皆様のこのユニークな個性がさらに輝く一年になりますように！